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2020年1月6日月曜日

【書籍紹介】わかりやすい骨髄病理診断学 - 吸引クロット、生検組織の見方

 病理医むけの一冊を紹介いたします。特に初心者の方や専門医受験前の病理医にお勧めしたいと思います。ちょっと分類などは古く、記載も散逸しているところがあるのですが、基本的なことを身につけるにはとてもよい一冊です。




 【書名】わかりやすい骨髄病理診断学
 【著者】定平吉都
 【出版社】西村書店
 【リンク】楽天ブックス Amazon e-hon honto 
      7net 紀伊國屋書店 図書館


 骨髄病理は、新しいWHO分類において病理診断が病型確定のための必須となったものも多く、重要性が認識され、今後も重要さが増していくところと思われます。

 しかしながら、骨髄病理の診断法についてわかりやすく書かれた本というのはほとんど見受けることができません。もちろん、専門書としては、AFIPシリーズExpert consultシリーズの本をはじめとして紹介したいような良いものはたくさんあるのですが、日本語で、かつ初心者からわかるという本が少ないのですね。

 本書は、日本語で書かれた、故・定平先生 監修の名著です。

 非常にわかりやすく基本的なところから骨髄標本の染色法、見方、評価の仕方がかかれており、考え方やコンセプトもシンプルでよい。写真もきれいで見やすく、染色や免疫染色も映えています。

 やや分類が古く、今の WHO 分類とは変わっているところがあるので注意が必要ですが、基本的な考え方や標本の見方を身に着けるにはよい一冊であると思います。

 病理をはじめたばかりの方や、専門医取得前の方にぜひお勧めしたい一冊です。



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2018年12月16日日曜日

ザ・成書 of 基礎医学 洋書編

 医学系の学問は分野が細分化されていますが、どの領域にも、一番伝統的で「分厚い」本というのがあります。

 そういった成書を学部生レベルで使う人は少ないでしょうし、実はプロでも読み通したことはほとんどないというのが現実かとは思います。
 しかし、成書を一度読むと、本当にいろいろなことがわかります
 
 まず、基礎的なこと、コンセプトからして学問というのはたくさんの人が精緻に真摯に築き上げてきたものなんだな、ということ。たった一行の記載のためにもたくさんの人の苦労があるんだなということ、そして、世の中そんなに単純じゃぁないんだなということなどなど。

 とにかく、薄い本から勉強を始めるのはいいことですが、そこで立ち止まっていては本当の面白さというは見えてきません。薄いというと言い方が悪いですね、初学者向けのほんだけで立ち止まるともったいないと思うということですね。

 どの分野にも成書と呼ばれる本があると思いますが、基礎医学においては成書というのは本当に読み応えがあり、骨太の基盤づくりに役に立つものが多いと思っています。

 そんな成書、基礎医学分野のものを紹介してみたいと思います。
 (初学者むけ、中級者むけの紹介もまた別途しますね!!)

● 生理学


 生理学は正常な状態における身体の機能について述べる学問ですが、これは膨大な量の知識からなります。細胞レベル、器官レベル、個体レベル。そして方法論も、生化学、電気生理学、組織学等々、本当にたくさんの方法がとられています。

 生理学は動物モデルや組織・細胞レベルの知識も必要であり、本当に奥が深い。全体をバランスよく学ぶのはなかなか大変な分野です。
 今回ここで紹介するのは、医学系の生理学の一冊。では早速。


 Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology


Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)


 【書名】Guyton and Hall Textbook of Medical Physiology, 13e (Guyton Physiology)
 【著者】John E. Hall PhD
 【出版社】Saunders
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 臨床に直結する生理学としてはこの本が一番いいと思います。Dr. Guyton は交通事故で亡くなってしまいましたが、後継者もしっかりしているなと思います。
 英語は平凡かつ平易で、とても読みやすいです。図版もとてもきれい。
 基礎の基礎としての生理学であれば Physiology (Linda S. Costanzo) もいいのですが、臨床につながるという意味ならこちらですね。
 生理学をしっかり理解したいなら、この本は断トツでおすすめです。


● 生化学


 生化学は基本的には体の中での化学反応に始まり、酵素の反応系である細胞レベルの機能まで述べていく学問になります。細胞の中での話が多いですが、基本的な化学反応の知識から、分子生物学的知識の基本部分までがカバーされる領域でもあり、とても広く深い。
 この分野は良書が本当に多いのですが、おすすめは次の2冊にしたいと思います。


 Biochemistry (ストライヤー)




 【書名】Biochemistry
 【著者】Lubert Stryer, Jeremy Berg, John Tymoczko, Gregory Gatto
 【出版社】WH Freeman
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
      honto e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 この版はまだ出ていないのですが、この本は伝統的に非常によい生化学の成書です。
 訳本は ストライヤー生化学 もちろん良い本です。
 この本のよいところは非常にわかりやすく反応や反応の原理、そして流れがわかるようになっているところです。図もわかりやすくきれい、かつ全体像がつかみやすい。
 この本でしっかり勉強すれば、生化学はカバーできるようになると思います。


 Harper's Illustrated Biochemistry(ハーパー) 



 【書名】Harpers Illustrated Biochemistry
 【著者】Victor Rodwell
 【出版社】MCGRAW-HILL Professional
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 生化学の2冊目は、迷いましたが、ハーパーにしました。迷った相手はレーニンジャーの生化学なんですが、読みやすさとイラストの美しさでハーパーにしました。
 ハーパー生化学は最新版は 31th ed. ですね。伝統ある教科書で、とにかく図が分かりやすい。こんなにわかりやすく書かれてしまうと、これ以上の仕事はできないよなぁと思います。
 生化学の基本的なところは全部カバーされていますし、応用事項についても十分触れられていますので、初学者からプロまで愛用できる一冊だと思います。



● 分子生物学


 分子生物学は、生物の仕組みを分子レベルから説明していく学問であり、実際には非常に幅が広い学問になります。細かく分ければ生化学も、生理学の一部も、遺伝学の一部も…といろいろ入ってきますし、生物学全体という意味ではさらに広いのですが、今回は分子「細胞」生物学に絞って王道の一冊だけを挙げます。

 Molecular Biology of the Cell 


Molecular Biology of the Cell

 【書名】Molecular Biology of the Cell
 【著者】Bruce Alberts
 【出版社】Garland Science
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com 7net honto
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 第6版になります。この本は生化学の基本から、細胞の働き、組織学の基礎、遺伝学の基礎、免疫学の基礎、実験手法…と現代生物学の基本ともいえる分子生物学の基礎を広くしっかりと説明している最高の良書です。
 とにかくどんどん内容が増えて6版、最初のうちは太い本でしたが、最近はデジタルにかなりの部分が移行しており、参考文献や数章はデジタルデータで提供されています。動画などのインタラクティブな教材もついています。

 この本は、研究者にとっても、医師・薬剤師にとっても基礎の基礎をしっかり作りたいのであれば、目を通しておくべき一冊であることは間違いないと思います。
 この本のエッセンスだけを抜き出した Essential細胞生物学 は、看護学生さんややる気のある高校生にお勧めしたいところですが、The Cell から入るのがきついのであればそちらから入るのでもいいのかもしれません。

 ちなみに私は、この本は第2版からすべて持っていて、すべて通読しています。研究の進歩が本当に感じられるんですね、どんどん知識が増え、ファインチューニングされるだけでなく、ひっくり返るような発見が年々あるんだなぁと感心します。

 とにかくおすすめ。読むべしべし、です。


● 解剖学

解剖学は肉眼的なレベルにおいての身体の構造を学ぶ学問です。形だけでなく機能との相関も必要ではありますが、基本は部位の名前と機能を理解することになります。
 とにかく解剖学は見て覚える必要がありますので、図が多くわかりやすいこと、用語が適切に使用されていて覚えるのの支えになる事項が多いことが求められていると思います。

 Gray's Anatomy 




 【書名】Gray's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice, 41e
 【著者】Susan Standring PhD DSc
 【出版社】Elsevier
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 この本のすごいところは、解剖学なんですが、最初は分子生物学・組織学の基礎から入っていくところです。かなり本格的な組織学が書かれており、その次に発生学が来ます。
 日本の解剖学の教科書は、解剖学に絞っているものが多いですが、このあたりはさすが、としかいいようがない洋書。
 解剖学になかなかたどり着きませんので、日本の解剖学の試験には向かないかもしれません…解剖に入る前に挫折。
 
 日本の医学部においては解剖の用語というのは日本語、英語、ラテン語の三つを覚えることが普通であると思いますが、日本語は覚えられないのはなかなか厳しいところ、そんなところが実際の使用では欠点になってしまうかもしれません。

 読み応え抜群の一冊です。テレビドラマシリーズではないですよ。


● 組織学

 組織学は顕微鏡レベルでの体の構造と機能を学ぶ学問です。とても大事で、ここを押さえることは病理学にもつながりますし、解剖学の基礎でもあると同時に、医療に必要な考え方の多くも詰まっています。
 私も講義をするようになってから、組織学の教科書を新たに5冊読みました。
 いいものばかりなので悩むのですが、標準的にはこれかな、という一冊を紹介します。


 Histology (ロス)


 【書名】Histology: A Text and Atlas: With Correlated Cell and Molecular Biology
 【著者】Michael H. Ross, Wojciech Pawlina
 【出版社】Lippincott Williams and Wilkins
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 この本のよいところは、説明が端的であること、用語をとにかくよく解説してくれているというところです。図版もよいものが多いですね。外国の組織学の教科書はなぜか写真があまりきれいではないものが多いですが、この本はかなり良いです。
 Clinical correlation という臨床とつながる事項のコラムはなかなかに秀逸で、臨床に進む人や臨床医にとっても、ほうほう、と思えるようになっていると思います。

 非常に分厚い本ですが、読みやすい。組織学をしっかり基礎から学ぶならいい一冊です。個人的にもう一冊、初学者むけにおすすめなのは Junqueira's Basic Histology なのですが、この本はまた別にいずれ紹介したいと思います。


●(人体)発生学

 発生学というとひろく生物の発生学になり、医学部関係では、人体発生学ということが多いですね。ヒトの発生学を学ぶ分野です。この分野は、これが一番!というより、紹介するラングマンとムーアが使いやすいかなと思います。

 Langman's Medical Embryology



 【書名】Langman's Medical Embryology, International Edition
 【著者】T.W. Sadler PhD
 【出版社】Lippincott Williams & Wilkins
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 とにかく図がきれいでわかりやすい一冊です。最初の方からいまでは分子生物学的な内容が組み込まれていますが、発生はダイナミックに起こりますので、図で把握していくことが重要ですね。とても分かりやすい図は感心します。
 説明文も平易な英語で読みやすい。ヒトの発生についてはこの一冊で押さえておけば十分であるように思います。


● 薬理学

 薬理学は、薬という小さな分子が、生体という複雑なシステムにどのように作用して効くのかということを考える学問です。昔は低分子だけ考えていましたが、今では抗体医薬などもありますし、単純なアゴニストー受容体のようなものではなくなってしまいましたが、どのように作用しているかは学べば学ぶほど面白く奥深い領域です。

 読みやすいカッツングでもいいのですが…しかしこの分野はもうゴールドスタンダードがありますので、一冊だけ紹介します。これが一番、異論は認めません。笑。

 

 The Pharmacological Basis of Therapeutics




 【書名】Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 13th Edition (Goodman and Gilman"S the Pharmacological Basis of Therapeutics)
 【著者】Laurence Brunton, Bjorn Knollmann, Randa Hilal-Dandan
 【出版社】McGraw-Hill Education / Medical
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 薬理学のゴールドスタンダードの成書は、グッドマン・ギルマンです。断然よいです。基本的な分子生物学・生化学からはじまり、薬効薬理・薬力学の基礎論、合成の一部などまでひろくカバーし、さらに疾患別の治療薬の詳細な解説に進みます。
 図もわかりやすく、数式も丁寧に導出されています。解説文ももちろん秀逸。
 量が非常に多いですが、薬理学というのはこれだけすごい大きな学問分野なのである、ということが非常によくわかってよいように思います。

 研究者、医師、薬剤師にはおすすめ。この一冊を読み切れば、薬理学についてはかなりのレベルに達することは間違いありません。


● 微生物学


 微生物学は医学の基礎としてみた場合には、病原体とほぼ同義に扱われる範囲が興味の対象になりますね。そうすると、真菌、細菌、ウイルス、寄生虫が主な対象になってきます。これらは各分野でも非常に細かく分かれていてかつ膨大な知識量が必要な分野なので成書がたくさんあります。
 ここでは、微生物学全体とウイルス学の本だけ紹介します。
 

 Microbiology 



 【書名】Microbiology: Principles and Explorations
 【著者】Jacquelyn G. Black, Laura J. Black
 【出版社】Wiley
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 アメリカのメディカルスクールではほぼスタンダードと考えていい微生物学の良質な教科書です。かなり幅広く、論拠ももちろん示されて説明されています。
 かなりの分量がありますが、微生物学全体を見渡すにはいい本です。


 Fields virology



 【書名】Fields Virology (Knipe, Fields Virology)
 【著者】David M. Knipe, Peter Howley
 【出版社】Lippincott Williams & Wilkins
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 基礎的なウイルス学の成書といえば、この一択です。
 分子生物学的なウイルスの基礎、疫学などを広くかつ丁寧にカバーしており、ウイルス学についてはこれ一冊でおおよそ全体像がつかめると思います。
 最新版ですが、最近の話題である Zica virus や SFTSV についてはまだ間に合っていないですね。そういう意味では新しい知見も多い分野であるといえます。

 ウイルス学をやる人にとっては必読の一冊です。


● 病理学


 病理学についてはおいおい語っていきたいと思いますが、とにもかくにも、病気を理解するという体系としての病理学全体、を見渡せる一冊だけ紹介したいと思います。



 【書名】Robbins and Cotran Pathologic Basis of Disease Professional Edition, 9e (Robbins Pathology)
 【著者】Vinay Kumar , Abul K. Abbas, Jon C. Aster
 【出版社】Saunders
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 病理学というのは病気を理解する学問です。病気の原因、分類や機序、病気の診断法、病気の自然史…とにかく理解することを目的としています。
 本書は病理学総論としての病気の分類や考え方、そして機序などを非常に丁寧に説明したのちに、各臓器に起こる病気についても分子レベルからの説明を積み上げて解説しています。
 そして、病理学においては病理組織学といって、顕微鏡レベルから肉眼レベルまでの形の変化というものを大事にしますが、それらについてもよい図版とともに解説されています。
 この本は膨大な量の解説がかかれていますが、key concepts としてよくまとまっていて、章ごとに理解もしやすくなっています。
 大変におすすめ。基礎的なことからしっかり学ぶには最適の、唯一の一冊と思います。


というわけで、今回の企画はおわりですが!


 少し古い版であれば、NCBIのサイトでただで探して読めることがあります!
 Immunobiology なども二つ前の版ならタダですね…。

 あと大学や研究機関に所属されている方は、施設の機関購読は確認しましょう。
 最近の本はオンライン版は継続アップデートされていることがありますよ!


 つけたしの基礎医学と、薬学、分析化学なども書きたいと思いますが、
 次回は臨床医学編を予定しています!







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2018年12月15日土曜日

【書籍紹介】免疫学を勉強したい方に最初にお勧めする本

 免疫学についていくつか記事を書きましたが、勉強するのによい本はなんですかね、という質問を何回かいただきました。

 ちょっと本格的に免疫学を知ってみたいな、という方向けにお勧めの本を紹介してみたいと思います。


1. Janeway's Immunobiology




 【書名】Janeway's Immunobiology
 【著者】Kenneth Murphy, Casey Weaver
 【出版社】Garland Science
 【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com Kindle 7net
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 まずおすすめなのはこの Janeway's の Immunobiology です。2016年出版、とても分かりやすい図版と丁寧な項目立てでよい教科書です。
 かなり新しい事項についても書かれていて、初めてしっかりと免疫学を勉強するのにはとてもよい一冊であることは間違いありません。医学部生や研究で免疫を扱う人の入門書として一番かなと思います。
 ただし、英語です。そこで、この翻訳本を次に紹介します。


2. 免疫生物学 (Janeway's Immunobiology の翻訳本)




 【書名】免疫生物学
 【著者】ケニス マーフィ、マーク ウォルポート、ポール トラバース
 【出版社】南江堂
 【リンク】Amazon Kindle 楽天ブックス 7net
      honto e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 1.で紹介した本の翻訳本。ただし版が一つまえのものであり、すでに10年以上たっています。よって、内容が最新でなく、この本の後にかなり概念が変わったところもあります。日本語の本でしっかり勉強を始めるのであれば、よい一冊です。この本から始めるのも 1. の英語がとっつきにくければよいと思います。

 その後、新版が発売されましたので追記します。まだ手元にないので読めていませんが、下のものです。

3. 分子細胞免疫学


分子細胞免疫学 原著第9版 アバス–リックマン–ピレ


 【書名】分子細胞免疫学 原著第9版 アバス–リックマン–ピレ
 【著者】Abul K. Abbas
 【出版社】エルゼビア・ジャパン株式会社
 【リンク】Amazon Kindle 楽天ブックス 7net
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 かなりしっかりした生物学から押さえてあり詳細な免疫学の一冊。本格的に勉強するのであればこの本か、この本の原本である Cellular and Molecular Immunology 9th Edition はお勧めできます。
 とにかく、基本的な免疫学の基礎から、最新の免疫チェックポイント機構の話まで網羅されており、この本を読んでおけば免疫学の基本部分の取りこぼしはないでしょう。
 やる気に溢れている方はここから始めるのもかなりいいと思います。


4. 休み時間の免疫学 第3版



 【書名】休み時間の免疫学 第3版 (休み時間シリーズ)
 【著者】齋藤紀先
 【出版社】講談社
 【リンク】Amazon 楽天ブックス 楽天kobo 7net

 1.~3. はいずれも難しすぎる…分子生物学の基礎ができてないからきつい、という方は、まず概念を簡単につかまえるのに、この一冊を入門のための入門本としておすすめしておきたいと思います。読み物としてまずはこの本で馴染んで、世界観の入口をつかむのはいいかもしれません。ただし、この本のレベルはあくまでも基礎の基礎なので、この後の勉強には、上で紹介した1.~3.のいずれかに進むことが大事ですね。

 私がこのブログや noteにも書き出したマガジン(▶ここ) でも、この本より優しく、この本より先へ、この本より最新のことまで、はひとつの目標なんですけどね。読み物としてこの本は優れていますね、本当に。



 さて、4冊紹介いたしました。
 免疫学を学ぶには、分子生物学、生化学、微生物学も同時に学んでおかねばなりません。それらの本はまた紹介していきたいと思います。







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2018年11月16日金曜日

【書籍紹介】よくわかる血液内科

 おすすめの本を一冊!



 【書名】よくわかる血液内科
 【著者】萩原將太郎
 【出版社】医学書院
 【リンク】Amazon 楽天ブックス 7net honto e-hon
      紀伊國屋書店 図書館


内容紹介より引用

鑑別診断の思考プロセスを磨き、血液内科を得意科目にしよう

 血液内科はちょっと特殊な領域という感じがすることもありますが、しかしどうして、血液内科疾患に出会うことは医師ならだれでもあります。
 しかしとっつきにくいのも事実、そんなとき、読みやすく、通読できる入門書が欲しいところですね。

 本書は、バリバリの血液内科医による一冊です。

 はじめに、より引用しますと、

貧血には日常的に出会うし、悪性リンパ腫は症例検討会の頻出疾患ではあるけれど、血液内科はどうも苦手……という研修医、若手医師、総合診療医のために、気鋭の血液内科専門医であり優れた総合診療医である筆者が、診療の基本から最新医療までわかりやすく解説しました。 


著者の解説魂を感じる


 血液内科はとっつきにくくないんだよ、ということを著者がこれでもか、と解説しています。内容はミニマムエッセンスであって、血液内科の実務や、血液内科にどっぷりの人には物足りないと思いますが、初学者にはとてもよい。

 すべては症例ベースで、臨場感があります。血液内科医としての視点、というのが感じられ、血液内科の魅力に触れることもできますね。


マニアックなコラムときれいな写真

 
 血液内科愛というべきか、マニアックなコラムと症例のきれいな写真が特徴です、こういうこだわりはとてもうれしいところ。


治療についてはあまり触れられていないですね


 治療についてはあまり触れられていません。あくまでも初学者むけの診療のとっかかりから攻めている構成。疾患の解説は決して多くないですが、通読するにはこのぐらいがよいのかもしれません。
 他の良書「血液内科 ただいま診断中!」 や「レジデントのための血液診療の鉄則」と合わせておすすめしたい。


実はどうして


 はい、著者の萩原先生は私の恩師にして盟友ともいう大恩人であります。そういう意味ではおすすめしたいということは COI があると言っていいのかもしれません。
 本書の執筆にかぎらず、萩原先生の熱血ぶりは有名なところで、とにかく熱が感じられると思います。



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