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2021年9月7日火曜日

漫画で誹謗されたことをまとめた note が「バズ」る

 すっかり秋になったベセスダです。のんびり過ごしております。


 さて、小林よしのりという漫画家がいます。かつてオウム真理教とたたかった漫画家で、私もよく読んでいました。当時は恐れること無くズバズバという姿勢が格好いいと思いましたね。

 戦争論という書籍は大ヒットし、日本人の先の大戦に対する捉え方にも結構影響を与えたと思いますし、その後も鋭い漫画もありました。

 最近はあまり読んでいませんでしたが、どうも反ワクチンになってしまったようだ、コロナ否認に近い姿勢であるということは察知していまして、コロナ論など最近出した本をちらっと読んでまずいねぇ…どうしたんだ、こりゃ完全に...と思っておりました。

 そんな中、ブログで突然、私たちの活動こびナビの誹謗をはじめたので、ツイッターなどで嫌味を書いたところ、なんと、漫画で特集をされて、こちらの誹謗をしてきてしまいました。

 まぁ、誹謗、侮辱、名誉毀損は彼のエンターテイメントの主たるところなのであまり相手をしたり同じ土俵にのっても勝てるわけも無く(おちょくりで生きてきた人には叶いませんよね)、しかしコロナウイルスとそのワクチンに関する事実誤認はよくないなぁということで、ちょっと note にまとめた記事を書きました。 


● note COVID-19 とそのワクチンに関して不正確な情報の記述のある漫画について


 

 内容は書いた通りなのですが、まぁ事実誤認も多いですし、理路が完全に間違ってしまった袋小路みたいなところも多いですね。コロナ論やたの対談本も読みましたが(印税に貢献してしまった)、とにかく専門家の選び方が偏り過ぎている上に、エコーチェンバー・フィルターバブルに自ら突っ込んでしまっていて、完全に壁というか川のあっち側の人。

 陰謀論者の香りただようひどい状況になっています。

 問題はやはり扶桑社だと思いますね。校閲部局はないんでしょうか。SPA!はじめ編集部などはしっかり内容の正しさだけは担保させたりできないんでしょうか。意見の部分はよいんですよ、捉え方とか解釈とかの末端は。事実を誤ったまま出版するのは…ねぇ。

 小学館という出版社もダメダメですね。売れればいいや、という姿勢なんでしょう。

 まぁその内まとめますが、扶桑社、小学館、集英社、PHP、講談社等等…そこそこ大きな出版社もトンデモ本をバンバン出している時代ですが、本当に出版倫理と社会的影響について残念なことだと感じるところではあります。


 さて、まぁそんなわけで note を書いたのですが、勝俣先生や知念実希人先生にも拡散いただき、あっという間に10万読まれるまで時間の問題に。プチバズりました!

 なかなかツイートしても10万回は読まれません。これはすごいです。

 というわけで、今後もしっかりまとめるべきは、ブログや note で端的にまとめて行きたいと考えております。


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2021年9月2日木曜日

尾身先生がインスタをはじめた

 本日は雨のベセスダです。暗ーい一日。
 家でミーティングやセミナーに参加して過ごしました。

 さて、昨日、尾身先生がインスタを開設されました。


Fig.1 尾身先生のインスタ


 見にいったところフォロワーが 200人ぐらいだったので、ツイッターで紹介して、その後も気になってみていました…すると、1時間あまりであっという間に 4,000フォロワーに、さらにみているとあっさり 9,000 フォロワーとなって私のインスタを軽々と抜き、さらに朝になると1.9万人…。こりゃすごい。

 国家の感染症対策アドヴァイザーのトップが直接話をできるチャネルを SNS でもつことはすごいことだと思います。 
 一方で、やはり政治的なバイアスやメディアによる切り取りや省略をせずにダイレクトに声をお届けになりたいのかな、とも思います。

 インフルエンサーちゃんおみインスタ爆誕、今後も注目ですねぇ■






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2021年9月1日水曜日

久々に日経ビジネスオンラインに対談記事

  ちょっと 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 流行の第5波で疲れ切っている方が多いようにお見受けします。

 少しおちついて情報との接し方や考え方を見直すきっかけに、息抜きにと思いまして、あたらしい対談記事を日経ビジネスオンラインにアップしていただきました。



 新型コロナとワクチン、第5波の情報洪水にうんざりな方へ


 本当に次から次にいろんなトピックスがでてきてとっている情報が過多になっている方が多いと思います。疲れ切らないように、というのはこちらでも言われていて、その中には情報から距離をとりましょうということもあげられていたりします。

 大事なことは、基本を押さえること、そのための基本情報だけはしっかりとっておくこと、そして振り回されないこと、そのために余計な情報はとらないこと、ですね。 

 

 変異ウイルス、ワクチンの効果低下、緊急事態宣言、いろんなところで謎のイベント、治療薬の騒ぎ…いろいろ起こっているようで、実は枝葉末節。

 大事なのは流行にいかに対峙するか。基本予防策をまもって、たんたんと打てるときにワクチンを打っていく。それをしながら経済を、生活を、人生をたんたんと今はすすめておく。すすめにくくてもへこたれすぎず、メンタルを保ってなんとか乗り切る。先を見すぎない。

 とにかく、焦りすぎず、イライラしすぎず、情報に溺れることなく、たんたんとまいりましょう ■


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2021年3月24日水曜日

こびナビやってます

 春になり始めたベセスダです。桜はまだ咲いていません。

 今回は、新型コロナウイルスワクチンに関する情報の普及のための活動をしていますので紹介をさせていただきます。名前は‥こびナビです。


 
Fig.1 ロゴ


 日米にいる医師や研究者など専門家をはじめとする30人以上のメンバーで運営している、新型コロナウイルスの正確な情報をお届けするプロジェクトです(運営団体として保健医療リテラシー推進社中という一般社団法人を立ち上げています)。


 サイト名も「こびナビ」で、サイト(https://covnavi.jp/)を運営しているほか、各種SNS(ツイッターインスタグラムFacebooknote)、YouTube、clubhouse などでの情報発信、各種メディアへの出演・監修・相談、医師会や行政との連携・協力などを行っています。

 
Fig.2 サイト

 サイトではできるだけわかりやすく、新型コロナワクチンについての情報提供をしています。動画などの説明資料も順次アップしていますし、Q&A は医療者向けと、もっとひろくだれでもよめるものとに分けて作っています。

 ワクチンの接種体験記も、先行したアメリカの医療従事者や国内の医療従事者から順次掲載しています。

 新型コロナワクチンについてぜひ一度知ってみてほしいと思いますので、サイトなどをご覧いただきたく思います。

 情報や声がとどいている実感もあり、多くの反響、フィードバックもいただいています。
 少しでも正確な情報が皆様に届くようにしたいとおもい、メンバー一同、ボランティアですができるかぎりのことをしています。

 さて、情報を伝えるのはとても難しく、ネットなどに親和性の高い方には比較的伝えやすいのですが、ネットなどを使わない方にはなかなか情報を届けることができません。そこで、こびナビでは、紙媒体や広告、他のインフルエンサーの方との協同などによって、より多くの方に情報を届けたいと考えております。

 そこで、3月31日までの期間で、クラウドファンディングを実施しています。
 ご協力賜りたく思います。


 

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2021年1月3日日曜日

Yahoo! ニュース個人に書いた変異ウイルスの記事の紹介

 本日は曇天、朝は霧のかかっていたベセスダです。
 1月2日初出勤、大きめの実験をしております…がんばります。


Fig.1 本日の研究所構内


 さて、Yahoo! ニュース個人に、今話題の新型コロナウイルス SARS-CoV-2 の、変異リニエージ B.1.1.7 についての記事を先週寄稿しております。




 先週の時点での情報をまとめてありますが、その後の情報更新も速く、公的なところを含め多くの情報があふれております。一度基本的なところを確認するのにお使いいただけるかと思いますので、お読みいただければ幸いです。

 変異ウイルスについては、夏ごろには D614G というものが騒がれ、生物学的・ウイルス学的実証によっても感染しやすくなることや、ウイルス産生が増えることなどが示されてきましたが、その後、ヒト集団では特には大きく感染性や感染拡大に対して変異は寄与していないであろうという論文も出てきました。

 今回の変異がどのぐらいヒト集団内でのウイルス伝播に影響を与えるのかは正直まだよくわからないと言ってよいと思います。もちろん警戒するにこしたことはありませんが、個人レベルでの対処法・予防法は変わりません。

 しっかりと、3密を避け、換気をし、マスクをし、距離をとり、手を洗い、体調を整えて、体調不良なら勤務などの外出はせず早めに受診、お互い守りあって生活をたんたんといたしましょう。基本の予防策が最も大事です。

 
 Yahoo! ニュース個人にもまた続編を書こうかと思っていますが、もう少し情報が出そろってからにしようと考えています。今のところ、変異の影響はちょっと引いてみています。イギリスの理論疫学者や、そのほかの専門家は結構前のめりになって変異について騒いでいますが、ちょっと引いて、落ち着いて。




 



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2020年6月17日水曜日

「消毒薬」の「空間噴霧」について

 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 の世界的な流行が続いています。

 日本でもまだ新規感染者が毎日出続けている状況であり、流行の火種は残っていますし、海外から流入してくることは当然ありえますので、日常生活では予防の継続が必要であり、まさに専門家会議のいう「新しい生活様式」を継続することが重要ですね。

 「新しい生活様式」、すなわち予防をしながら生活する、ということ以上にする必要があることは個々人のレベルではないですね。

 ここのところそれでもかなりトンチキなことを言ったりやったりする人がたくさんいます(トンデモや陰謀論などまで含めると猛烈にたくさんいます)。
 
 気になっているのは、未だに PCR などの検査を広く国民全体に行うべき、などという思考停止ともいえるような暴論を WHO事務局長上級顧問の肩書きをもつ人や、医療ガバなんとかの医師が言っていたりすること。これについては、いずれまた触れたいと思います。
 
 もう一つは、今回の記事のテーマである、「空間噴霧」です。

 (空間除菌については以前にも触れています)



消毒薬の空間噴霧



 ここで取り上げる「消毒薬の空間噴霧」とは、

 ● 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 対策として、
 ● 次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム水溶液その他の化学物質を
 ● 加湿器や噴霧器のような機械を用いて、
 ● ミスト状にして空間に噴霧する

 行為を指しています。ここが基本なので大事ですね。

 さて、何が問題、結論であるか、これを先に述べておきます。
 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することの
  安全性は確認されていない
 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することでの
  新型コロナウイルスSARS-CoV-2 の感染対策としての
  有効性は確認されていない
 ● よって、これらの検証がなされ、どちらもが確認されるまでは
  「消毒薬の空間噴霧」は行ってはいけない
 というシンプルな話です。


 さて、店舗や施設において、モクモクと空間にミスト状とした「化学物質」を噴霧している光景がよく見られるようです。
 
 主に用いられているのは次亜塩素酸水や亜塩素酸水のようですが、様々なタイプの「化学物質」を噴霧しています。ただ、水も化学物質でありますが、この場合にはただの加湿器ですね。

 さて、空間噴霧に触れるまでに、消毒薬について考えたいと思います。
 消毒薬ってそもそも何のために、どうやって使うものなのでしょうか。



消毒薬について



 消毒薬とは読んで字のごとく、消毒するための薬のことです。

 消毒というのは定義づけすると大変なのですが、簡単には、病原体(細菌やウイルス)の感染性を失われること、と考えていただければいいですね。

 健栄製薬さんのこのページがとても詳しく参考になります。


 消毒薬というのは代表的なものとしては、アルコール(エタノールなど)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤として有名)があげられますが、こういった消毒薬を効果的に効かせるためには以下のことが大事になります。

 ● 濃度
 ● 時間
 ● 温度
 ● 作用のさせ方(しっかり漬け込む、塗布する、清拭するなど)

これはどれも重要なファクターで、ただしい濃度で、しっかりと時間をかけて、温度も適切に作用させることが必要なんですね。
 これに加えて、

 ● 適用可能な部位や素材
 ● 消毒の対象となる病原体の種類

これもとても重要になります。
 特に人体に関しては、健栄製薬さんのページにあるように

消毒薬は抗生物質に比べ、抗菌スペクトルが広く、かつ殺菌力も強い。これは、裏を返せば、消毒薬は抗生物質よりも、毒性が高いといえる。したがって、消毒薬の人体への適用では、細心の注意を払いたい

 ということになります。
 病原体の種類も非常に重要ですが、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 はエンベロープのあるRNAウイルスである、ということは大事ですね。

 さて実際の使用例としては、例えば、アルコールで手を消毒する際には、70-85%vol のエタノール製剤で、手をしっかりと浸し、20秒程度かけて丁寧に全体に塗り込むこと、が必要になりますが、

これは
 ● 70-85% という濃度
 ● 20秒程度 という時間
 ● 室温~体温程度という温度
 ● すり込むという作用のさせ方
これらで、
 ● 人体の皮膚という部位・素材に
 ● 新型コロナウイルスSARS-CoV-2対策として
作用をさせている、といえる訳ですね。

 消毒薬についてはこのようにそれぞれの条件をしっかりと確認してどういう使い方が安全で効果的であるか、がわかっている物がおおく、正しく使うことが重要なのですね。




新型コロナウイルス SARS-CoV-2 対策としての消毒薬



 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 は主に二つの感染ルートを介して感染します。




それは、
 ● 飛沫感染ルート
 ● 接触感染ルート
の二つです。

 飛沫感染ルートとは、感染者の作り出した「しぶき」= 飛沫 が、直接他の人に吸い込まれたり目などの粘膜に付着することでウイルスが伝播してくる経路のことで、くしゃみ、咳、会話などの際に主に問題になります。

 このルートからの感染を防ぐ方法としては、距離をとること、人混みへ行かないこと(三密を避ける)、換気をすること、そしてマスクやゴーグル、フェイスシールドを適切に用いること になってきますね。

 この飛沫感染ルートに関しては消毒薬の介在する余地はありません
 
 くしゃみしてしまえば1秒以内に飛沫は相手のところまで飛び、消毒薬をこのわずかな瞬間に作用させることはほぼ不可能であるというのがまずは大事ですね。
 そして、空間をある程度の時間漂ってから吸入する場合でも、十分な濃度・時間・作用のさせ方でこういった飛沫や乾燥した飛沫核(=エアロゾルともいいます)中のウイルスを不活化させる効果があることは全く証明されていないのですね。

 よって、繰り返しになりますが、飛沫感染ルートに関しては消毒薬の介在する余地はありません


 さてそうしますともう一つのルートが大事になります。
 それが接触感染ルートになります。
 接触感染ルートとは、汚染された手やモノを触れることで、自分の手が汚染され、その汚染された手で自分の口・鼻・目などの粘膜を触れることでウイルスが伝播してくるルートのことになります。

 このルートからの感染を防ぐ方法としては、手をよく洗うこと、洗えない場合には手を消毒すること、環境を消毒すること、になります。そう、ここで消毒薬の活躍の場がでてくるわけですね。
 一番大切なことは、ただし、消毒ではありません。
 手を洗うことです。手を介在してきますので、とにかく手を洗ってしまえばルートを断つことができるのが、第一義ですね。

 さて、しかしながら、消毒も正しく行えば有効です。
 手指消毒と環境消毒に分けて考えましょう。

 手指消毒は、人体の皮膚という手指に適用でき、新型コロナウイルスSARS-CoV-2に効果が確認されている消毒薬を、適切に(上に述べた条件などを満たして)用いることが大事です。繰り返しますが、例えば、アルコールで手を消毒する際には、70-85%vol のエタノール製剤で、手をしっかりと浸し、20秒程度かけて丁寧に全体に塗り込むこと、などですね。

 環境消毒は、とくに不特定多数の人がよく触れる表面、について、行うことが推奨されます。ドアノブ、共有の取っ手や手すり、共有パソコンの入力器具、ATMのタッチパネルのようなもの、などなどですね。
 適用はプラスチックや金属であることが多いでしょうけれども、十分に効果的に行うには例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を200ppm程度に薄めた液体で、ドアノブなどをしっかりと拭く、こういった使い方になりますね。これはしっかり浸すことで消毒し、拭き取ることで物理的にも残骸物を除去し、かつ消毒薬が対象物に作用しすぎないようにすることも意図しますね。

 さて、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 の主に二つの感染ルートについて述べてきました。空間噴霧はどちらのルートに作用させることを目的にしており、どちらについて有効なのでしょうか

 答えから言うと、消毒薬の空間噴霧による有効性はどちらのルートにも確認されていません

 ではどういった消毒法が推奨されるのか。
 端的には、

 ● 手指消毒 については、アルコール製剤でしっかりすり込んで消毒
 ● 環境消毒 については、アルコール製剤、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、
  中性洗剤で、しっかりと清拭する。

 になります。
 これ以外の消毒法も消毒薬も基本は必要ありません。これらが適切な使用であれば確実で安全といえるものであり、十分安価であり、市販されているからです。




安全性の問題



 消毒薬の安全性は、かならず問題になります。 
 病原体の機能を奪うことのできる化学物質なわけですから、人体にもなんらかの作用をすることは当然なんですね。

 なので、これは安全性のよく確認されているものを、安全で妥当な濃度・方法で人体に適用することが非常に重要ということになります。

 手指などの場合には、皮膚には比較的厚い角質層がありますが、アルコールであっても過敏症をおこす方がいるように、個人差というのも多くありますし、消毒薬が強ければ当然ながらやけどやただれを生じる可能性もあります。

 目や口、肺までの気道などは粘膜でおおわれていますが、これは角質層がなく非常に弱い組織です。そのようなところでは消毒薬での障害もうけやすくなります。

 とくに吸入する場合には化学性肺炎を引き起こす可能性などもあるわけで、安全性が十分に確認された方法で、正しい適用をすることが重要です。






公的な推奨はどうなっているか




In indoor spaces, routine application of disinfectants to environmental surfaces via spraying or fogging
(also known as fumigation or misting) is not recommended. 

 屋内での消毒薬の環境表面へのスプレーや噴霧は推奨しない、としています。

Do not perform disinfectant fogging for routine purposes in patient-care areas.

として、消毒薬の空間噴霧は患者のいる場所においてはルーチンでは行わないこと、としています。


Unless the pesticide product label specifically includes disinfection directions for fogging, fumigation, or wide-area or electrostatic spraying, EPA does not recommend using these methods to apply disinfectants

端的には勧めないとしていますね。

 というか、そもそも空間除菌や空間噴霧を推奨している公的機関はないと思われます。

 ※追記
 「5. (補論)空間噴霧について」の項目において「これらの国際的な知見に基づき、厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません」としています。


次亜塩素酸水を巡る動き



 こんな記事が NHK から出ています。

 
 バズフィードには空間噴霧に関連した記事が出ています



 これらは「次亜塩素酸水」の空間噴霧に関するものですが、「次亜塩素酸水」「電解水」などについてはどうなのかということを見たいと思います。

 これについては、簡単で、
 ● 空間噴霧をした場合の安全性は確認されていない
 ● 空間噴霧での新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染予防効果は確認されていない

が結論になります。
 殺菌力のある消毒薬であることなどは事実で、厚労省にも資料がありますし、食品などの殺菌目的では広く使用されている次亜塩素酸水ですが、繰り返しますが、

 ● 空間噴霧をした場合の安全性は確認されていない
 ● 空間噴霧での新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染予防効果は確認されていない

のです。
 製品評価技術基盤機構(NITE)他の機関が次亜塩素酸水の新型コロナウイルスSARS-CoV-2に対する効果を検討しています(NHKのニュース)が、いずれも次亜塩素酸水にしっかりと浸した場合などの検討であり、「空間噴霧」による上記2ルートでの感染抑制効果は一切評価されていません

 また安全性についても空間噴霧については十分な評価はされていない状況ですね。

 ※追記
 その後、2020年6月26日、厚労省・経産省・消費者庁が合同で発表を行いました。
 経産省のページに詳細は載っていますが、次亜塩素酸水に関する使用法や注意事項がしっかりとまとめられています。





結局、空間噴霧とはなんなのか



 現時点では無意味であり有害な可能性もある方法であり、どこの素人のチープな発想がこれだけひろがったのであるかよくわかりませんが、一切考慮する必要のない行為です。感染症予防上は無意味です。

 行っている店舗や施設、推奨している人が、非常に低いリテラシーでまともではないことを識別するにはいいでしょう(これは首からかけるタイプの「空間除菌」製品がバカ発見器であるのと同様ですね)。
 
 多くの業者がうごめいています。

 「危険であるという証拠はない」「効果がないという証拠はない」などとかみついてきます。今朝もこんなメッセージが来ていました。

「次亜塩素酸水、反対するのはいいけど実験をして検証しなさい。頭の中の想像で社会に持論を展開するな、このエゴ医者。本当に次亜塩素酸水が体によくないという証拠を出せ。頭の中のエゴ論で有名になるな。発表するなら考えではなく世の中のために本当に真実を出しなさい。」

非常に愚かでため息が出ますね。何か行為をしようとする場合、何かをアーギュメントする場合には、まずそれを行う側が根拠を示していかねばなりません

 特に、景品表示法や薬機法は、消費者を守ることを立法趣旨としている面があることは明らかで、害が及ぶ可能性のあることや、優良性に関する事項は販売する業者側の立証がなければこれをうたうことはできないのです。


 

やるべきこととやってはいけないこと



 さて、簡単に見てきましたが、最後に新型コロナウイルス SARS-CoV-2 対策としてやるべきこととやってはいけないことをまとめておきます。


やりましょう


 ● 原則論
 ・十分な睡眠と栄養をとり規則正しい生活をする
 ・体調不良なら休む
  
 ● 飛沫感染対策
 ・3密を避ける、距離をとれるところではとる
 ・マスク・フェイスシールドをする
 ・咳エチケットを守る
 ・換気をする

 ● 接触感染対策
 ・手をしっかりあらう(無理なばあいの消毒を考慮)
 ・不特定多数の人が頻繁に触れる部分の消毒を考慮する
 ・消毒するなら、
  アルコール、次亜塩素酸ナトリウム液、中性洗剤で十分!

 ● 情報の取り方
 ・公的な情報源を中心に、複数の情報源をクロスチェックして
 ・特に推奨される行為については公的な情報の確認を
 
  とにかく基本をしっかりおこない予防していくという
  新しい生活様式、をたんたんと根気よく行うこと。


やめましょう


 ● 無駄な行為
 ・空間除菌、空間噴霧、買ってきた物などすべての消毒など
  
 ● 差別
 ・感染したヒトは悪くありません、
 ・医療従事者差別などもいけません。

 ● 情報過多になること、煽られること
 ・SNS や野良ブログ、業者の言い分などはまともに聞かない
 ・テレビのワイドショーなどを見ない
 ・国民全員検査などのトンデモ情報を相手にしない
 ・推奨されていない「余計なこと」でプラスアルファを狙わない
  → これは「心の隙間」お埋めしようという悪徳業者につけ込まれます

 基本を蔑ろにしないこと。煽られないこと。
 余計なことをしないこと。



 やってはいけない、ことをやることは実害になることがあるだけでなく、過剰な心配などで心身を消耗したり(ノイローゼになる方もいますよね)、まともなことが何であるかという判断をする能力(リテラシーですね)を毀損したりし、本当に実害のみならず、幅広く有害です。基本に立ち返り、ものごとを行っていきたいですね。




まとめ



 結論はもう文中でのべてあります。繰り返しになりますが、

 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することの
  安全性は確認されていない
 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することでの
  新型コロナウイルスSARS-CoV-2 の感染対策としての
  有効性は確認されていない
 ● よって、これらの検証がなされ、どちらもが確認されるまでは
  「消毒薬の空間噴霧」は行ってはいけない


 店舗や施設で行っている方はやめましょう。
 そういったところを見かけたらやめるようにぜひ伝えましょう。
 根拠なくこれらを推してくるような人は業者などでしょうから、遮断して距離を取りましょう。

 安全で確実な基本的なことをたんたんと行っていくことが何より重要です。




関連情報



 ● COVID-19 情報ページ … リンク集として情報ページを作っています


    







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2020年5月27日水曜日

インタビューをしていただきました

 今日も快晴、夏のような陽気のベセスダです。
 ちょっとお散歩に行き、デスクワークをし、今日はのんびり。


Fig.1 夏のような陽気

 さて、ご縁があって、日経ビジネスにインタビューをしていただきました。

 テーマを絞って取材されることはあったのですが、新型コロナウイルスについて、ざっくばらんにいろいろとお話させていただいたロングインタビューは初めてです。

 新型コロナウイルスについてはわかっていることとわかっていないこと、検討されていることと手が回っていないこと、そこら辺の見極めが結構リアルタイムで必要で、常に情報を探していますが、やはりダイナミックに動きますね。編集者の方ともそういった現状の話などもあっちいったりこっちいったり話したのですが、本当にうまくまとめていただいており感謝です。

 今回は、前編、また後編もあります。


 さて、数日前にこのブログに書きましたが、新しい Virus の本にはまっています。いや、これがまた面白いんです。本当に Viral Infections of Humans 。シンプルな記載なんですが、本当に重要なことがいっぱい書いてある。これはウイルス学者必携ですよね…Fields だけじゃだめだわ…と思ったり。
 ま、専門家を目指す人向けであることは間違いありません。

 ツイッターではしょっちゅうお勧めしているんですが、一般の方向けのウイルスに関する本でのお勧めは、ウイルスは悪者か―お侍先生のウイルス学講義、これ一択。本当によい本だなぁ…って思っています。

 このブログも含め、アップデートしたり書かねばなぁという記事・原稿もたくさんあるのですが、どうも気力が…在宅ワークモードでこう、今ひとつわかずサボっています…。本業の文書仕事などだけしている感じ。ちょっとメリハリをつけないとな、と思ったり。

 


 


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2020年4月26日日曜日

Yahoo!ニュース個人に記事を書きました

 Yahoo!ニュース個人に記事を書きました。
 ちょっと新型コロナウイルスにに関して。



 ▶ どんなウイルスで、どのように感染するのか? 新型コロナウイルスのそもそも論

 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 について、基礎からわかってもらうことを目的として簡単に書きましたので、お読み頂ければ幸いです。
 連載というかたちで少し新型コロナウイルス SARS-CoV-2 とそれによって引き起こされる疾患 COVID-19 について簡単に書いていきたいと思っています。

 まぁこのブログの方の更新が全くできていないので、ブログも更新せねばなとは思っておりますが…。

 
● 関連記事
 ▶ 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2(2019-nCoV))による COVID-19 について
 ▶ 飛沫感染と空気感染(飛沫核感染)の違いについて





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