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2020年6月17日水曜日

「消毒薬」の「空間噴霧」について

 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 の世界的な流行が続いています。

 日本でもまだ新規感染者が毎日出続けている状況であり、流行の火種は残っていますし、海外から流入してくることは当然ありえますので、日常生活では予防の継続が必要であり、まさに専門家会議のいう「新しい生活様式」を継続することが重要ですね。

 「新しい生活様式」、すなわち予防をしながら生活する、ということ以上にする必要があることは個々人のレベルではないですね。

 ここのところそれでもかなりトンチキなことを言ったりやったりする人がたくさんいます(トンデモや陰謀論などまで含めると猛烈にたくさんいます)。
 
 気になっているのは、未だに PCR などの検査を広く国民全体に行うべき、などという思考停止ともいえるような暴論を WHO事務局長上級顧問の肩書きをもつ人や、医療ガバなんとかの医師が言っていたりすること。これについては、いずれまた触れたいと思います。
 
 もう一つは、今回の記事のテーマである、「空間噴霧」です。

 (空間除菌については以前にも触れています)



消毒薬の空間噴霧



 ここで取り上げる「消毒薬の空間噴霧」とは、

 ● 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 対策として、
 ● 次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム水溶液その他の化学物質を
 ● 加湿器や噴霧器のような機械を用いて、
 ● ミスト状にして空間に噴霧する

 行為を指しています。ここが基本なので大事ですね。

 さて、何が問題、結論であるか、これを先に述べておきます。
 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することの
  安全性は確認されていない
 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することでの
  新型コロナウイルスSARS-CoV-2 の感染対策としての
  有効性は確認されていない
 ● よって、これらの検証がなされ、どちらもが確認されるまでは
  「消毒薬の空間噴霧」は行ってはいけない
 というシンプルな話です。


 さて、店舗や施設において、モクモクと空間にミスト状とした「化学物質」を噴霧している光景がよく見られるようです。
 
 主に用いられているのは次亜塩素酸水や亜塩素酸水のようですが、様々なタイプの「化学物質」を噴霧しています。ただ、水も化学物質でありますが、この場合にはただの加湿器ですね。

 さて、空間噴霧に触れるまでに、消毒薬について考えたいと思います。
 消毒薬ってそもそも何のために、どうやって使うものなのでしょうか。



消毒薬について



 消毒薬とは読んで字のごとく、消毒するための薬のことです。

 消毒というのは定義づけすると大変なのですが、簡単には、病原体(細菌やウイルス)の感染性を失われること、と考えていただければいいですね。

 健栄製薬さんのこのページがとても詳しく参考になります。


 消毒薬というのは代表的なものとしては、アルコール(エタノールなど)、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤として有名)があげられますが、こういった消毒薬を効果的に効かせるためには以下のことが大事になります。

 ● 濃度
 ● 時間
 ● 温度
 ● 作用のさせ方(しっかり漬け込む、塗布する、清拭するなど)

これはどれも重要なファクターで、ただしい濃度で、しっかりと時間をかけて、温度も適切に作用させることが必要なんですね。
 これに加えて、

 ● 適用可能な部位や素材
 ● 消毒の対象となる病原体の種類

これもとても重要になります。
 特に人体に関しては、健栄製薬さんのページにあるように

消毒薬は抗生物質に比べ、抗菌スペクトルが広く、かつ殺菌力も強い。これは、裏を返せば、消毒薬は抗生物質よりも、毒性が高いといえる。したがって、消毒薬の人体への適用では、細心の注意を払いたい

 ということになります。
 病原体の種類も非常に重要ですが、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 はエンベロープのあるRNAウイルスである、ということは大事ですね。

 さて実際の使用例としては、例えば、アルコールで手を消毒する際には、70-85%vol のエタノール製剤で、手をしっかりと浸し、20秒程度かけて丁寧に全体に塗り込むこと、が必要になりますが、

これは
 ● 70-85% という濃度
 ● 20秒程度 という時間
 ● 室温~体温程度という温度
 ● すり込むという作用のさせ方
これらで、
 ● 人体の皮膚という部位・素材に
 ● 新型コロナウイルスSARS-CoV-2対策として
作用をさせている、といえる訳ですね。

 消毒薬についてはこのようにそれぞれの条件をしっかりと確認してどういう使い方が安全で効果的であるか、がわかっている物がおおく、正しく使うことが重要なのですね。




新型コロナウイルス SARS-CoV-2 対策としての消毒薬



 新型コロナウイルス SARS-CoV-2 は主に二つの感染ルートを介して感染します。




それは、
 ● 飛沫感染ルート
 ● 接触感染ルート
の二つです。

 飛沫感染ルートとは、感染者の作り出した「しぶき」= 飛沫 が、直接他の人に吸い込まれたり目などの粘膜に付着することでウイルスが伝播してくる経路のことで、くしゃみ、咳、会話などの際に主に問題になります。

 このルートからの感染を防ぐ方法としては、距離をとること、人混みへ行かないこと(三密を避ける)、換気をすること、そしてマスクやゴーグル、フェイスシールドを適切に用いること になってきますね。

 この飛沫感染ルートに関しては消毒薬の介在する余地はありません
 
 くしゃみしてしまえば1秒以内に飛沫は相手のところまで飛び、消毒薬をこのわずかな瞬間に作用させることはほぼ不可能であるというのがまずは大事ですね。
 そして、空間をある程度の時間漂ってから吸入する場合でも、十分な濃度・時間・作用のさせ方でこういった飛沫や乾燥した飛沫核(=エアロゾルともいいます)中のウイルスを不活化させる効果があることは全く証明されていないのですね。

 よって、繰り返しになりますが、飛沫感染ルートに関しては消毒薬の介在する余地はありません


 さてそうしますともう一つのルートが大事になります。
 それが接触感染ルートになります。
 接触感染ルートとは、汚染された手やモノを触れることで、自分の手が汚染され、その汚染された手で自分の口・鼻・目などの粘膜を触れることでウイルスが伝播してくるルートのことになります。

 このルートからの感染を防ぐ方法としては、手をよく洗うこと、洗えない場合には手を消毒すること、環境を消毒すること、になります。そう、ここで消毒薬の活躍の場がでてくるわけですね。
 一番大切なことは、ただし、消毒ではありません。
 手を洗うことです。手を介在してきますので、とにかく手を洗ってしまえばルートを断つことができるのが、第一義ですね。

 さて、しかしながら、消毒も正しく行えば有効です。
 手指消毒と環境消毒に分けて考えましょう。

 手指消毒は、人体の皮膚という手指に適用でき、新型コロナウイルスSARS-CoV-2に効果が確認されている消毒薬を、適切に(上に述べた条件などを満たして)用いることが大事です。繰り返しますが、例えば、アルコールで手を消毒する際には、70-85%vol のエタノール製剤で、手をしっかりと浸し、20秒程度かけて丁寧に全体に塗り込むこと、などですね。

 環境消毒は、とくに不特定多数の人がよく触れる表面、について、行うことが推奨されます。ドアノブ、共有の取っ手や手すり、共有パソコンの入力器具、ATMのタッチパネルのようなもの、などなどですね。
 適用はプラスチックや金属であることが多いでしょうけれども、十分に効果的に行うには例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を200ppm程度に薄めた液体で、ドアノブなどをしっかりと拭く、こういった使い方になりますね。これはしっかり浸すことで消毒し、拭き取ることで物理的にも残骸物を除去し、かつ消毒薬が対象物に作用しすぎないようにすることも意図しますね。

 さて、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 の主に二つの感染ルートについて述べてきました。空間噴霧はどちらのルートに作用させることを目的にしており、どちらについて有効なのでしょうか

 答えから言うと、消毒薬の空間噴霧による有効性はどちらのルートにも確認されていません

 ではどういった消毒法が推奨されるのか。
 端的には、

 ● 手指消毒 については、アルコール製剤でしっかりすり込んで消毒
 ● 環境消毒 については、アルコール製剤、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、
  中性洗剤で、しっかりと清拭する。

 になります。
 これ以外の消毒法も消毒薬も基本は必要ありません。これらが適切な使用であれば確実で安全といえるものであり、十分安価であり、市販されているからです。




安全性の問題



 消毒薬の安全性は、かならず問題になります。 
 病原体の機能を奪うことのできる化学物質なわけですから、人体にもなんらかの作用をすることは当然なんですね。

 なので、これは安全性のよく確認されているものを、安全で妥当な濃度・方法で人体に適用することが非常に重要ということになります。

 手指などの場合には、皮膚には比較的厚い角質層がありますが、アルコールであっても過敏症をおこす方がいるように、個人差というのも多くありますし、消毒薬が強ければ当然ながらやけどやただれを生じる可能性もあります。

 目や口、肺までの気道などは粘膜でおおわれていますが、これは角質層がなく非常に弱い組織です。そのようなところでは消毒薬での障害もうけやすくなります。

 とくに吸入する場合には化学性肺炎を引き起こす可能性などもあるわけで、安全性が十分に確認された方法で、正しい適用をすることが重要です。






公的な推奨はどうなっているか




In indoor spaces, routine application of disinfectants to environmental surfaces via spraying or fogging
(also known as fumigation or misting) is not recommended. 

 屋内での消毒薬の環境表面へのスプレーや噴霧は推奨しない、としています。

Do not perform disinfectant fogging for routine purposes in patient-care areas.

として、消毒薬の空間噴霧は患者のいる場所においてはルーチンでは行わないこと、としています。


Unless the pesticide product label specifically includes disinfection directions for fogging, fumigation, or wide-area or electrostatic spraying, EPA does not recommend using these methods to apply disinfectants

端的には勧めないとしていますね。

 というか、そもそも空間除菌や空間噴霧を推奨している公的機関はないと思われます。

 ※追記
 「5. (補論)空間噴霧について」の項目において「これらの国際的な知見に基づき、厚生労働省では、消毒剤や、その他ウイルスの量を減少させる物質について、人の眼や皮膚に付着したり、吸い込むおそれのある場所での空間噴霧をおすすめしていません」としています。


次亜塩素酸水を巡る動き



 こんな記事が NHK から出ています。

 
 バズフィードには空間噴霧に関連した記事が出ています



 これらは「次亜塩素酸水」の空間噴霧に関するものですが、「次亜塩素酸水」「電解水」などについてはどうなのかということを見たいと思います。

 これについては、簡単で、
 ● 空間噴霧をした場合の安全性は確認されていない
 ● 空間噴霧での新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染予防効果は確認されていない

が結論になります。
 殺菌力のある消毒薬であることなどは事実で、厚労省にも資料がありますし、食品などの殺菌目的では広く使用されている次亜塩素酸水ですが、繰り返しますが、

 ● 空間噴霧をした場合の安全性は確認されていない
 ● 空間噴霧での新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染予防効果は確認されていない

のです。
 製品評価技術基盤機構(NITE)他の機関が次亜塩素酸水の新型コロナウイルスSARS-CoV-2に対する効果を検討しています(NHKのニュース)が、いずれも次亜塩素酸水にしっかりと浸した場合などの検討であり、「空間噴霧」による上記2ルートでの感染抑制効果は一切評価されていません

 また安全性についても空間噴霧については十分な評価はされていない状況ですね。

 ※追記
 その後、2020年6月26日、厚労省・経産省・消費者庁が合同で発表を行いました。
 経産省のページに詳細は載っていますが、次亜塩素酸水に関する使用法や注意事項がしっかりとまとめられています。





結局、空間噴霧とはなんなのか



 現時点では無意味であり有害な可能性もある方法であり、どこの素人のチープな発想がこれだけひろがったのであるかよくわかりませんが、一切考慮する必要のない行為です。感染症予防上は無意味です。

 行っている店舗や施設、推奨している人が、非常に低いリテラシーでまともではないことを識別するにはいいでしょう(これは首からかけるタイプの「空間除菌」製品がバカ発見器であるのと同様ですね)。
 
 多くの業者がうごめいています。

 「危険であるという証拠はない」「効果がないという証拠はない」などとかみついてきます。今朝もこんなメッセージが来ていました。

「次亜塩素酸水、反対するのはいいけど実験をして検証しなさい。頭の中の想像で社会に持論を展開するな、このエゴ医者。本当に次亜塩素酸水が体によくないという証拠を出せ。頭の中のエゴ論で有名になるな。発表するなら考えではなく世の中のために本当に真実を出しなさい。」

非常に愚かでため息が出ますね。何か行為をしようとする場合、何かをアーギュメントする場合には、まずそれを行う側が根拠を示していかねばなりません

 特に、景品表示法や薬機法は、消費者を守ることを立法趣旨としている面があることは明らかで、害が及ぶ可能性のあることや、優良性に関する事項は販売する業者側の立証がなければこれをうたうことはできないのです。


 

やるべきこととやってはいけないこと



 さて、簡単に見てきましたが、最後に新型コロナウイルス SARS-CoV-2 対策としてやるべきこととやってはいけないことをまとめておきます。


やりましょう


 ● 原則論
 ・十分な睡眠と栄養をとり規則正しい生活をする
 ・体調不良なら休む
  
 ● 飛沫感染対策
 ・3密を避ける、距離をとれるところではとる
 ・マスク・フェイスシールドをする
 ・咳エチケットを守る
 ・換気をする

 ● 接触感染対策
 ・手をしっかりあらう(無理なばあいの消毒を考慮)
 ・不特定多数の人が頻繁に触れる部分の消毒を考慮する
 ・消毒するなら、
  アルコール、次亜塩素酸ナトリウム液、中性洗剤で十分!

 ● 情報の取り方
 ・公的な情報源を中心に、複数の情報源をクロスチェックして
 ・特に推奨される行為については公的な情報の確認を
 
  とにかく基本をしっかりおこない予防していくという
  新しい生活様式、をたんたんと根気よく行うこと。


やめましょう


 ● 無駄な行為
 ・空間除菌、空間噴霧、買ってきた物などすべての消毒など
  
 ● 差別
 ・感染したヒトは悪くありません、
 ・医療従事者差別などもいけません。

 ● 情報過多になること、煽られること
 ・SNS や野良ブログ、業者の言い分などはまともに聞かない
 ・テレビのワイドショーなどを見ない
 ・国民全員検査などのトンデモ情報を相手にしない
 ・推奨されていない「余計なこと」でプラスアルファを狙わない
  → これは「心の隙間」お埋めしようという悪徳業者につけ込まれます

 基本を蔑ろにしないこと。煽られないこと。
 余計なことをしないこと。



 やってはいけない、ことをやることは実害になることがあるだけでなく、過剰な心配などで心身を消耗したり(ノイローゼになる方もいますよね)、まともなことが何であるかという判断をする能力(リテラシーですね)を毀損したりし、本当に実害のみならず、幅広く有害です。基本に立ち返り、ものごとを行っていきたいですね。




まとめ



 結論はもう文中でのべてあります。繰り返しになりますが、

 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することの
  安全性は確認されていない
 ● 「消毒薬」をミスト状にして空間に噴霧することでの
  新型コロナウイルスSARS-CoV-2 の感染対策としての
  有効性は確認されていない
 ● よって、これらの検証がなされ、どちらもが確認されるまでは
  「消毒薬の空間噴霧」は行ってはいけない


 店舗や施設で行っている方はやめましょう。
 そういったところを見かけたらやめるようにぜひ伝えましょう。
 根拠なくこれらを推してくるような人は業者などでしょうから、遮断して距離を取りましょう。

 安全で確実な基本的なことをたんたんと行っていくことが何より重要です。




関連情報



 ● COVID-19 情報ページ … リンク集として情報ページを作っています


    







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2020年1月4日土曜日

【書籍紹介】”意識高い系”がハマる ニセ医学が危ない!

 献本いただきました書籍“意識高い系"がハマる「ニセ医学」が危ない!についてレビューしたいと思います。



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2019年12月11日水曜日

薬害オンブズパースン会議のブログでとんでもない主張がされています

 薬害オンブズパースン会議という反ワクチン活動をしている団体があります。

 もともとは、薬害エイズ訴訟や肝炎訴訟などの被害者サポートなどをしていた真っ当な団体であると認識していたのですが、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVV)の「薬害訴訟」に関わり、はっきりと反ワクチンを掲げている状態になっています。

 もちろん訴訟進行中ということもありポジショントークをして世論を動かしたいという意図が見えていますが、NHK のワクチン忌避を特集した番組圧力をかけたり、様々な声明や要望を出したりして反ワクチン運動が目立つようになっています。

 昨日書いたブログでも紹介しましたが、無理に結論をまげた論文を出すなどして、裁判で有利になろうともしていますね。
 ▶ 名古屋スタディ関連の八重論文に対する名市大鈴木教授のレター第二弾の和訳

 そんななか、ブログを開設したようで、その第一弾ともいえる記事で突然、日本産科婦人科学会に言いがかりをつけています。しかも薬害マターというよりも、HPVVの評判を落とすために書かれたとしか言いようのない、とんでもない言いがかりものです。

 理屈は簡単とみられ、
  HPVVに薬害があるとして勝訴したい
  ↓  HPVVが有用なワクチンであってもらってはこまる
  ↓ 子宮頸癌という病気が大した病気ではないように見せたい
  ↓ 子宮頸癌が若年者に多いと説明する
    産科婦人科学会の見解にケチをつけよう
  ↓ 産科婦人科学会の言う若年者は私たちの考える
    若年者じゃないんだ!
  結局、暴論。

 というものですね。

 ちょっと検証してみましょう。
 問題のブログは…紹介したくもないのですが…
 
 ▶日本産科婦人科学会によるアンフェアな印象操作
  ~若年層の子宮頸がんによる死亡者数は増加していません

 このブログの冒頭で彼ら自身が記事内容をまとめています。順番に見ていきたいと思います。

日本産科婦人科学会が、菅義偉内閣官房長官に対してHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種の積極的勧奨を求める要望書を提出した。

その通りです。産科婦人科学会のホームページにも掲載されていますね。
 ▶ HPVワクチンの積極的勧奨再開に関する要望書を、内閣官房長官と厚生労働事務次官に提出しました。
 くしくも本日、産科婦人科学会の情報も更新されています。
 ▶ 子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために



要望書と資料では子宮頸がんによる若年層の死亡者数の増加が強調されているが、なぜか資料とされたグラフでは「20~49歳」が若年層とされている。

さて、ここから突然若年層の定義に噛みついてきました。

 そもそも若年層というのは明確な定義がある言葉ではなく、比較したときに若いということを指しているので、そこに噛みつくというのもどうかと思うのですが(大丈夫か?という意味ですが)、実際にはどのように使われているでしょうか。

 例えば、がんセンターのこのページでは確かに、思春期・若年成人(AYA世代)というのを15歳から30歳前後の思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult, AYA)としています。

 しかしこれだけが若年層かというとそれは字義にこだわりすぎていると言わざるを得ません。なぜなら、がん診療においては主たる患者は70代以降であることが実際には多く比較的高齢者層になるので、それより若い世代層であれば若年層と表現してもおかしくはないからです。もちろん定義も明確にあるわけではありませんので、弾力的に用いられる言葉ですよね。なので次の一文は強引すぎると言えるでしょう。


しかし、がんの統計で若年層といえば、AYA世代(15~39歳)のこと。


さて、産科婦人科学会のこの資料のグラフに噛みついているわけです。


 このグラフはもとはがんセンターにもあるがん統計から来ているのですが、出典は論文ですね。原著論文 ▶ Epidemiologic and Clinical Analysis of Cervical Cancer Using Data from the Population-Based Osaka Cancer Registry

 噛みつき方はこうです。

なぜか「20~49歳」を「若年層」として定義しています。

 50歳未満ではまずいようです。どうしても次のようにしたいんですね。

がん統計で「若年層」を区分する場合、通常はAYA世代(Adolescent and Young Adult:思春期および若年成人)と呼ばれる「15~39歳」という区分が用いられています。 

 しかしながら、繰り返しますが、これは厳密に定義されてここでなくてはならないという決まりもないわけで、数値が明示されているのであるから特に問題ない事項でしょう。

 そもそもがんでの死亡者のグラフです50歳未満のがんによる死亡は普通若いと思いませんか?それとも十分に年齢がいっていてがんで死亡しても仕方がない年齢だと皆さん思われるでしょうか。先走りますが、薬害オンブズパースンの人たちは、数値を小さく見せるためにとにかくとても若い人たちだけに注目させようとしていますが、現実的には子育て世代である50代までにがんで亡くなるのは十分に若いと評価するのが普通でしょう、と思います。

 さて戻ります。そうやってこのグラフで書かれている若い世代というのがよくないと思ったようです。で、もっと若い世代だけで見てみるということを彼らはしだします。

「15~39歳」でグラフを作ると、若年層の近年の死亡者数はむしろ減少傾向にあることがわかる。

これには国がんの情報サイトである ganjoho.jp のがん登録・統計のページを用いることができます。彼らもこれを使っていますね。
 こう言っています。

さて、この国立がん研究センターがん対策情報センターのサイトで、AYA世代である「15~39歳」を選択して子宮頸がんの死亡者数の年次推移のグラフを作成してみたところ、次のようになりました。

さて、同じグラフを私も選択して作ってみました。
  ganjoho.jp のがん登録・統計のページ で皆さんもどうぞ。

 まず、データ → 「死亡」、グラフ → 「年次推移 部位別」、「数」と選びます。
 次に、部位から「子宮頸部」とし、右側のその他の条件で、年を「1958年」から「2017年」までとし、「男女別」、年齢を「15-39歳」としましょう。で、「グラフを表示」を選ぶ。すると数のグラフができます。これは薬害ブログと同じものですね。



 注意事項はこれはあくまでも「実数」であるということですが(実際には人口も変わるので年齢調整の「率」でみるのがより妥当と思いますが、とりあえず、彼らが実数にこだわっているので合わせてみます)、ここではおきましょう。このグラフに対してブログはこう言います。

 このグラフからわかるように、「15~39歳」の子宮頸がん死亡数は、2000年以降はほぼ横ばいで、近年はむしろ減少しています。

この年齢層のグラフをみると、その通りで、2000年以降はほぼ横ばいで、最後の2年間ほどが下落しています。
 さて、で、だから?ですよね。この世代では横ばい傾向である。最近少し死亡者数がへったかな、ということです。

 彼らは続けます。

「15~39歳」で死亡者数は増加していないのですから、日本産婦学会の資料にある「20~49歳」のグラフが右肩上がりになっているのは、「40~49歳」のデータが強く影響していることが推測されます。

 そうでしょう。そして「がんに関する統計データのダウンロード」から「人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2017年)」をダウンロードして、「20~29歳」「30~39歳」「40~49歳」「20~39歳」「20~49歳」の5種類の区切りでグラフを作ったとのこと。同じ作業をエクセルを使ってやってみました。ただし5歳区切りにしてみました。



 このグラフでわかるように、40-44歳、45-49歳での死亡数は上昇傾向が見られるんですね。十分に50歳未満は若いと思います

 死亡者の年齢層が上昇している原因はいろいろ考えられますが、検診などで早めに発見されて治療介入がされているとか、治療成績がよくなっていることはまぁ考えてよいのではないかと思うのです。しかしなかなか推論としては証拠がないと弱いですね。

 あ、そういえばさっきの統計のページで、「死亡」ではなく「罹患」が調べられたのではないでしょうかね…罹患というのは病気になることですから、なっている人がどのぐらいいてどういう傾向なのかも見ておくのがフェアということになりますよね。

さて、もどってみましょう。罹患のグラフを作ります。

  ganjoho.jp のがん登録・統計のページ で皆さんもどうぞ。
 まず、データ → 「罹患(全国推計値)」、グラフ → 「年次推移 部位別」、「数」と選びます。次に、部位から「子宮頸部」とし、右側のその他の条件で、年を「1958年」から「2017年」までとし、「男女別」、年齢を「15-39歳」としましょう。で、「グラフを表示」を選ぶ。すると下記グラフができます。



 15-39歳の子宮頸癌の罹患数は上昇傾向でしたが、ここ数年は下がっているようですね。子宮頸癌は下がっているんだ…なるほどねぇ…となる前に。

 子宮頸癌は HPV感染 → 前癌病変 → 浸潤癌 となるのでした。なのであれば、検診などで早期に発見されていれば治療介入がされていて浸潤癌に進む人は減ります。
 前癌病変も含めて罹患数をみられないかな…ということで、同じグラフのサイトをみてみると、「子宮頸部(上皮内がん含む)」という項目もありましたね。これでグラフを作ってみましょう。

 ganjoho.jp のがん登録・統計のページ で皆さんもどうぞ。
 まず、データ → 「罹患(全国推計値)」、グラフ → 「年次推移 部位別」、「数」と選びます。次に、部位から「子宮頸部(上皮内がん含む)」とし、右側のその他の条件で、年を「1958年」から「2017年」までとし、「男女別」、年齢を「15-39歳」としましょう。で、「グラフを表示」を選ぶ。すると下記グラフができます。


 上昇してきていたんですね。そしてここ数年は横ばい。そういう事がわかります。子宮頸癌になる前癌病変については上昇傾向で、少なくとも、あった、といってよいでしょう。ま、これは子宮頸癌が重要な疾患で問題なんだよというのにはわかりやすいデータですよね。しかし死亡者数は少し減っている。早期介入や治療の進歩がやはりあるのではないでしょうかね

 さて、彼らの書きっぷりに戻ります。

あえて「40~49歳」のデータを加えたグラフで若年層の増加を強調するのは、アンフェアな印象操作と批判されてもやむを得ない行為。

 繰り返しますが、50歳未満でがんで死亡するのは若い、でしょう。なぜか薬害オンブズパースン会議の人たちは39歳までが若く、そこまでの死亡だけに同情(?)するという年齢差別的な線をそこに引きたがっているようです。もちろん産科婦人科学会側も50歳で線を引いたグラフをだしているのですが、がん診療の現状から言えば50歳未満は若いよね、というのはより妥当でしょう
 彼らはこう締めくくっています。

このようなアンフェアな印象操作によって、国の政策に誤った影響が与えられることがあってはならないと考えます。

…一体何を言っているんでしょうか。40-49歳は「若くないから」「がんで死んでも構わない」という事を強調したいのでしょうか。神経というか正気を疑います。繰り返しになりますが、50歳未満のがんによる死亡は普通、若いと思いませんか?それとも十分に年齢がいっていてがんで死亡しても仕方がない年齢だと皆さん思われるでしょうか

 彼らこそ数値を小さく見せるためにとにかくとても若い人たちだけ(なぜかAYA世代でなくてはならないらしい)に注目させようとしていますが、現実的には子育て世代である50代までにがんで亡くなるのは十分に若いと評価するのが普通でしょう、と思います。産科婦人科学会はなにも「アンフェアな」「印象操作」などしていないでしょう。

 また冷静にみていただくと、たしかに実数として直近に当たる数年は減っているといっても、毎年20-30代女性の150人程度もの方が亡くなっているわけです。まさに子育て世代であり、子宮頸癌が「Mother killer」と呼ばれる理由ですよね…。

 こういうことまで言い出してもだれも止めずにブログに掲載までしてしまうそんな団体、皆さんはどう思いますか?産科婦人科学会が真摯に啓発しようとしていることに対して、この言いがかり。ワクチンを何としても貶めたいというのはひしひしと伝わりますが、子宮頸癌を過小評価させようというその行為はまさに品性下劣と思います。

 子宮頸癌は若い女性、とくに子育て世代の命をうばうことがある、また、罹患すると子宮摘出などの治療やそれに伴う合併症や後遺症、そして再発やフォローの不安なども起こす重大な疾病であることは論を待たないでしょう。
 他の癌にくらべると罹患も死亡も相対的に若年であることも明らかでしょう。

 この癌は、ワクチンと検診の2本立てでかなり防ぐことができます。原因であるHPVの感染をHPVVで防ぎ(完全ではない)、検診で早期発見をする(これも完全ではない)、両者を合わせることでより確実に子宮頸癌で苦しむ人を減らしていくのが大切ですね。

 ワクチンはかなり優秀でこんな予測も以前紹介しました。
 ▶ HPVV で子宮頸癌を撲滅状態にできるという予測の論文が出ました。

 ワクチンそのものについても一度まとめています。
 ▶ ごく簡単な「ヒトパピローマウイルスワクチン」(HPVV) の話 その1

 なんとしてもワクチンを悪者にしたいというスタンスでさまざまなことをしてくる団体や個人もいますが、冷静にその対象疾患である、子宮頸癌(実際には、外陰癌、陰茎癌、肛門癌、中咽頭癌なども含む)を知っていただき、ワクチンのベネフィットも知っていただき、そして副反応の実態も知っていただき、冷静に判断していただきたいと願います。

 今後もこの問題については適宜書いてみたいと思っています。







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2019年12月9日月曜日

トンデモ医療と反ワクチン関係の情報教えてフォームについて

 トンデモ医療の情報や、反ワクチンの情報を収集するための完全匿名の教えてフォームを運用しています。情報をお寄せいただきたく思います。ご協力よろしくお願いします。




 ▶ トンデモ健康・医療関係おしえてフォーム

 ▶ 医療・健康関係のこれはまずいなというアカウント教えてフォーム


 ▶ HPVV に関する言説教えてフォーム





 
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2019年11月8日金曜日

「血液クレンジング」をめぐる動きについての簡単なまとめ





 「血液クレンジング」がここ数週間ちょっとした話題になっています。

 血液クレンジングとは、「末梢静脈血を採取して容器に入れ、その血液の入った容器内に酸素・オゾン・オキシドールなどを混ぜた後に、この血液を静脈から(点滴のようにして)体内へ戻すという「行為」」(のちにリンクを張る BuzzFeed の記事より)で、まぁ簡単に言うと、自由診療で行われているトンデモ・インチキ医療です。

 この「治療」の何が問題か、ということは以下にリンクする記事などを読んでいただきたいと思いますが、根拠のないトンデモ医療であって効果は見込めないこと、健康被害も懸念されること、これらが自由診療というかたちでなされており規制されていないこと、広告規制もうまくいっていなさそうな(ステマなどが横行している)こと、などですね。

 トンデモ医療の問題についてはまた分けて継続的に徹底的にまとめながら書いてみたいと思いますが、今回は「血液クレンジング」が唐突に話題になったということの紹介記事です。

 今回のトレンド・炎上の発端はインスタグラムなどの SNS で芸能人などが「血液クレンジング」を受けたことをアップしたことに対し、ツイッターなどのSNSで多くの方が突っ込んだことであったと思われます。実は、血液クレンジングについては7年ほど前にも一度大炎上したことがあったのが、しぶとく生き残っていたのですね…。

 今回の SNS 上での炎上を拾って BuzzFeed Japan Medical から連続で記事が出ました。

 ▶ 芸能人が拡散する「血液クレンジング」に批判殺到 
  「ニセ医学」「誇大宣伝」指摘も 2019.10.18
 ▶ 市川海老蔵、血液クレンジング報道に反論
  「やめれー」「勧めた事はない」 2019.10.19
 ▶ 「トンデモ医療であると、断言します」血液クレンジング、
  医学的に徹底検証してみた 2019.10.20
 ▶ 拡散や宣伝に協力すれば加害者
  トンデモ医療にだまされないためにできること 2019.10.20
 ▶ 「再発したら...」不安につけいる血液クレンジング 
  「主治医になんでも相談できる関係を」 2019.10.21

 実は、見ていただければわかるように、このうちの2本についてインタビューに答えています。私のところにお問い合わせをいただいたのは、ツイッター上で炎上が始まった翌日ぐらいであったと思いますが、実は以前よりトンデモ医療情報を集めている過程で、早い段階で「血液クレンジング」にも目を付けて調査を少ししていたので、インタビューには比較的すぐに答えることができました。
(参考 ▶ トンデモな健康・医療情報をもとめています
  …トンデモ医療情報を集めていますが、すでに1,000件を超える情報を得ています。)

 そしてその後、日本時間の昨日に国会でも尾辻議員より質問がなされ、BuzzFeed Japan Medical に詳報が載っています。
 ▶ 「血液クレンジング」厚労省が実態調査 
  「有効性・安全性を確認され薬事承認された製品はない」

 SNS が発端となり、一気に国会質問まで行ったわけですが、実効性のある取り締まりをしていただき、広告規制にかぎらず、自由診療で行われているトンデモ医療に規制のメスが入り、とんでもない商売をしている医療者にしっかりと引導を渡す必要があると思います。

 さて、今回のネットでの炎上、盛り上がりについて一連の流れはこの記事に詳しいですね。ネット上でどうなるか、メディアがどう追うかがわかり、ちょっと面白い。
 ▶ 血液クレンジング炎上騒動で考えるネットとメディアの話題のスパイラル

 今回は BuzzFeed Japan の独り勝ちで、たまたま取材もしていただけましたが、その後、他の媒体も後追いをしています。
 文春も二回にわたって記事を掲載しています
 ▶ 「血液クレンジング」なるニセ医療をめぐる
  健康情報の修羅を追って 2019.10.31
 ▶ 大炎上の「血液クレンジング療法」を日本の医療界は笑えるか?
  現役内科医が明かす“衝撃の事実”  2019.11.7
 また現代も
 ▶ 大炎上した「血液クレンジング」について
  医者が真剣に考えてみた 2019.10.30
 女性自身も
 ▶ 「血液クレンジングはニセ医学!」医師が論文と照合し検証
  2019.10.31
 エキサイトニュースにも
 ▶ 見城徹と秋元康が問題の「血液クレンジング」
  PRをこっそり削除していた! 幻冬舎メディアで
  “2人で一緒にやってる”と宣伝 2019.11.2
 東洋経済にも
 ▶ 血液クレンジング騒動で見えた広告規制の限界
 Business insiderにも
 ▶ 血液クレンジングに健康食品。
  飛びつく前に確かめたいこれだけの情報 2019.11.5
 国会質問については JCASTニュースも
 ▶ 「血液クレンジング」について国会で質問 厚労省が回答した内容

 その他にも記事も情報も結構でていますね。

 なかでもこの記事は是非読んでいただきたい一本です。特に、医療従事者をめざす学生さんや、医療従事者に既になっている人に…。
 ▶ 「血液クレンジング」はなぜ倫理に反しているか、医師の私の考え

 さてさて、今後どのような動きがあるか、具体的には厚労省などが広告規制で動いていくかといったことに注目しており、また、自由診療というものでの人体実験まがいの行為や商売優先の一部医療機関への規制などについても議論の端緒になってくれればと願っています。

 継続的にトンデモ医療についても取り組んでいきたいと思っています。
 
 







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2019年6月24日月曜日

トンデモな SNS アカウントの情報を集めています

 昨日、トンデモな健康・医療情報をもとめています という記事を書き、匿名で情報を寄せてもらえるフォームを作ったところ、24時間でおよそ 240件の情報をいただきました。

 思っていた以上に深刻で、一般的な出版物などだけでなく、トンデモクリニックなどで被害にあわれたかたや、関わっていた方などからも情報提供をいただけております。
 引き続き情報を収集し、できるだけ幅広く警鐘をならす作業の他、必要なアクションをとっていきたいと考えております。

 今回さらに、新たなフォームを作りました。
 それは、SNS などでデマや問題のある情報を流すなどしているアカウントをお教えいただきたいという趣旨のものです。
 
 うまく対応をしていかないといけないと思っております。ぜひ情報をお寄せいただきたいと思います。









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2019年6月14日金曜日

朝日新聞に HPVV に関する偏った一連の記事が掲載される

 HPVV についてはこのブログでも何回も触れてきました。
 問題と感じることがありましたので今日は書きたいと思います。


朝日新聞に HPVV に関する新しい記事が



 HPVV とは、ヒトパピローマウイルスワクチン、いわゆる「子宮頸癌ワクチン」のことです。基本的なことは以前にここに書きました。
 ▶ ごく簡単な「ヒトパピローマウイルスワクチン」(HPVV) の話 その1
 ここにもまとめています ▶ 【情報】ワクチンの情報のあるサイトまとめ

 さて、昨日2019年6月12日付で紙媒体の朝日新聞、ネット上の朝日新聞デジタル「アピタル」(4本関連記事がありました)に、この HPVV に関する記事が出ました。




 ▶ 子宮頸がんワクチン、積極的勧奨中止から6年 続く検証 
 ▶ 「副反応の治療態勢、整備が欠かせぬ」HPVワクチン
 ▶ HPVワクチン接種「社会の目線配慮し、合意形成を」

 この3本の記事は著しくバランスを欠く状況ですのでちょっと今日は書いてみたいと思います。のちに触れますが、もう1本のインタビュー記事は現実的な内容でした。

 (朝日新聞のHPVV に関する記事では、以前にもこんなことがありました
 ▶ 朝日新聞配信の子宮頸癌の記事、Yahoo!ニュース配信では一部を削除)



その前日までには…


 その前日までには、中日新聞、時事メディカルにも記事が出ていますが、これらは非常に冷静かつこれまでの経過を踏まえてよく書かれている記事でした。一読をお勧めします。
 
 ▶ 健康被害裁判続く子宮頸がんワクチン 「命を守る接種」学会で相次ぐ声 中日
 ▶ 子宮頸がんと副反応、埋もれた調査 「名古屋スタディ」監修教授に聞く 時事



HPVV の勧奨接種中止からこれまで



 HPVV は、定期接種が開始された2013年4月直後から「麻痺などが起こった」という副反応の可能性のある訴えがあり、マスメディアもこれを大きく取り上げて社会的な問題となったこともあり、これら「麻痺など」の「副反応と思われる症状」とワクチンの因果関係の調査が十分に行われるまで、という名目で「積極的な勧奨の中止」がなされたまますでに6年がたっています。

 その後、HPVVに関する科学的な知見は国内・国外ともに積み上げられ、上記時事メディカルの記事にもあるように、日本においては名古屋市での大掛かりなスタディも実施され、HPVVの「副反応と思われる症状」はワクチンの副反応ではなく、同年代に起こりやすい転換性障害(いわゆるヒステリー症状)などの他の原因の紛れ込みがかなりあるのではないかと考えられるようになっています。
参考 ▶ 転換性障害 Wikipedia、実際に診断は難しいこともあり、誤診率は4%近くあるという文献もあります BMJ 2005; 331

 不安などが原因でワクチン後に様々な症状がでることも、決して珍しいことではなく、AEFI と呼ばれ、これについてもレビューがされていたりします。
 ▶ Anxiety-related adverse events following immunization (AEFI): A systematic review of published clusters of illness. Vaccine Volume 36, Issue 2, 4 January 2018, Pages 299-305

さて、一部の医師たちが、HPVV を打つと起こる有害な事象を HANSと名付けたり、脳炎が生じているに違いない、と言っていますが、彼らの「仮説」はなぜかしっかり検証されず、査読付きのまともな科学雑誌に投稿しての議論は行われず、商業誌などで自説を開陳するばかりで科学的な討論の俎上にのせない状況が続いています。

 そして、これらの意見を「両論併記」の片側としてとりあげるメディアがまだあります…(今回の朝日もまさにこれなのでこの後触れていきたいと思います)。
 実は日経メディカルが以前にそのまま取り上げていました。
 ▶ 日経メディカル誌にとんでもない記事が掲載

 厚生労働省の「副反応と思われる症状」に関しての研究班では、科学的にまずいことが行われたりもしたことも記憶に新しいですが、いずれにせよ、これらの特異的な有害な事象とワクチンの因果関係は明らかになっていません

 国際的にも、海外の多くの研究で、日本で騒がれているような有害な事象はまとめられておらず、WHO は安全性についての宣言をし、日本での状況は HPVV とは関係ないと声明を出しています
 ▶ HPVV についての WHO 研究所の声明

 また、CDC や FDA などのアメリカの公的機関、イギリスの NHS やオーストラリアその他各国の公的機関も、HPVV は安全と宣言し、接種をかなり極的に男女ともに勧奨している状況です。

 日本国内でも、関連学術団体から見解もでています(▶PDFファイル)。
 さまざまな団体が見解を出していますが、日本プライマリ・ケア連合学会のHPVVに対する考え方も公表されています(▶ PDFファイル)。

 そういった状況で、HPVV の安全性はほぼコンセンサスが得られ、積極的勧奨の再開にむけて動き出すことが望まれる状況が出来上がってきているといえると思われます。


HPVV ワクチンの効果に関する研究はつみあがっている


 そういう状況で HPVV の効果については世界各国から研究報告が積みあがってきており、HPVV の接種率を上げ、あわせて検診をしっかり行うことで、2059年までに高所得国(人間開発指数が高い国)において子宮頸癌は事実上の撲滅状態にできるであろうという予測を示す研究が報告も出ています。
 ▶ HPVV で子宮頸癌を撲滅状態にできるという予測の論文が出ました

 HPVV については以前のブログ記事でもまとめましたが、今後も証拠・エビデンスを紹介していきたいと考えています。

 さてそういう状況なのですが、今回の朝日新聞の記事を少し検証してみたいと思います。


両論併記をしているつもりなんでしょうけれど


 朝日の記事を見てみます。

接種ががんの発症を減らせることを示唆する複数のデータが公表される一方で、重い副反応への心配も消えたとはいえない。

という書き出しであり、HPVVの効果は明らかになっている。一方、経緯も踏まえて副反応についても記載しますという形になっているように読めますね。

 書き出しは、HPVVを接種させることへの不安からはじまっています。まぁ経緯を考えればありでしょう。
 記事の続きでは、子宮頸癌の概説とHPVVについて触れた後に、効果に関する松山市とエジンバラ大の論文の結果を簡単に紹介しています。

 ここで、欄外のグラフを見てみますが、これも意図を感じます。


 がんにならない人が10万人あたり9万8678人とドーナツグラフでかくと、いかにもわずかな人へしか効果がないように見えますよね。これは間違いではないものの、公衆衛生施策のなんたるかをわかっていないとやってしまう方法でのグラフの提示としかいいようがありません。

 本文中では
国内で子宮頸がんになる人は年間約1万人で、約2800人が死亡している。
と実数で記載していますが、これも十分大きな数字であり、これを防ぐことができるのは十分に価値があると考えられませんでしょうか。グラフで、ごくわずかを強調するかのような記載は、一般的ではありません。
 疫学では10万人あたりという数字をよくつかうのですが、こういったグラフをかくと、多くの疾患は大したことがないように見えてしまうのです。
 かなり問題のある印象の操作と思えます

 その後、コクランについて書いているのですが、ここでは、コクランに掲載されたワクチン研究の一部にワクチン会社の資金提供を受けた研究者が評価に加わっていたという批判があることを記載し、研究そのものが結局どう評価されているのかにはふれず、いかにもコクランに掲載された研究が偏っているかのような印象操作をしています

一部メンバーが「ワクチンの関連企業から資金提供を受けていた研究者が、研究の評価に加わっている」

それはCOIといって利益相反についてなのですが、研究の評価がしっかりなされていれば、それが透明性をもって明らかにされていればあり得てもよいことで、即、それだからダメ、ということではないのです。



印象操作ととらえられかねない記載の連続



 さて、その次の小見出しです。




 「重い副反応」と書かれています。さて、地の文ではこうなっています。

… HPVワクチンの安全性は専門家の間で評価が必ずしも一致していない。

ここがもうすでに両論併記の罠にはまっており、誠実に書くなら、「一部の医療関係者が安全性に異を唱え続けている」程度になると考えてよいと思います。なぜなら、国外の研究でも国内の研究でもワクチンに関わる医療関係者のあいだでも、ほぼ安全性の評価は問題ないであろうで一致している状況であるからです。

 そして、ワクチン接種後の副反応の可能性がある症状としてとりあげているのは、

体の広範囲にわたる痛み…呼吸困難やじんましん、嘔吐といった重い症状

と記載しています。「重い」という言葉はここでは不適切です。というのは、重い症状というのは医学的にはやはり入院加療が必要である、後遺症として残存するなどに用いるべきであり、じんましん、嘔吐が重いと書くのはさすがに印象操作でしょう

 そして、その頻度についても

その頻度は、インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンほかのワクチンと比べて高い

と書きます。これは慎重に書かねばならず、ほかのワクチンから大きくはずれているのか否か、高いなら、どの程度高く、それは明らかな異常な状態なのかを書かねばならないでしょう。やはり印象操作ですね。

そして、WHOは「極めて安全」とするが…「アナフィラキシー」と、接種との関係があると推定した

と書いています。これは、他のワクチンでも推定されていますし、アナフィラキシーは起こりうることは HPVVに関する他の公的情報でも触れられており、ミスリーディングな記載です。頻度も100万件に1件程度のものを突然取り出しています。

 その次に、鹿児島大の高嶋教授のインタビューが入りますが、ここで唐突に

まひやけれいんなどをふくむ重い症状の人

がでてきます。峻別すべき副反応の患者を、データなしでここで唐突に触れており、これもあきらかなミスリーディングです。


両論併記をしているつもりなんでしょうけれど



 この高嶋教授へのインタビューは別建てでデジタルの方に書かれています。
 ▶ 「副反応の治療態勢、整備が欠かせぬ」HPVワクチン

 この記事(インタビュー記事の体ですので、論拠やそのほかは発言者に責任があるという形にしているのかなと思われます)と、HPVVで「自己免疫性脳炎」なるものが起こるということについては、機会を改めてこのブログで書いてみたいと思いますが、現時点では、あくまでも一部の方の仮説にすぎず、まとめて報告した査読付き論文はなく、対照群を設定した疫学的な検討もなく、商業誌での繰り返しての提起にすぎず、神経内科系の医師の間でもコンセンサスを得られているものではない、ということは触れておかねばならないと思います。

 一方、同時に朝日新聞にはこのようなインタビュー記事も出ています。このインタビューはよくまとまっているので一読をお勧めします(他の3本は勧めません)。
 ▶ HPVワクチン「1日も早く積極的な勧奨再開を」

 こちらを掲載したということは一見冷静でまともなんですが、両論併記の片側として出してしまっているのでこちらが一般的な医療従事者の現在の認識とうまく伝わるとは思えません。

 科学や医学については、両論併記は適切ではない場合が多いように思います。
 なぜなら、論拠ありの正しい言説 vs. 信仰 になりがちだからです。

 両論併記すればなんでも正しいという陳腐な考え方がこの新聞社にはどうもあるように思えてなりません。
 「安全性は専門家の間で評価が必ずしも一致していない」といいますが、どこまで一致すればこの新聞社は一致とするのでしょう。
 たとえば「人を殺してはいけないという倫理観は必ずしも一致していない」だって真でしょうが、書き方のバランスというものがあるはずです。
 
 どういった専門家のどんな議論の状況で、どうしてそう判断したのか、しっかり書けないようでは中学生の壁新聞以下でしょう。

 そして、この記事群の一つ、
 ▶ HPVワクチン接種「社会の目線配慮し、合意形成を」
これについては社会の目線・反対者の「お気持ち」への配慮などを中心とした記事で、科学的なことについてだけ読み通すと、意味はわかるのですが、過剰配慮や媚を売ることまで科学に求めているともとれ、やや過剰でバランスを欠く部分があると言えると思います。
 個別の記事の検討はまたしたいと思います。


最大の問題は



 名古屋スタディという日本で実施された副反応が増えているかどうかを検討した研究があります。これについては改めてまた触れたいと思いますが、この記事では全く触れていません

 最初に紹介した時事メディカルに詳しくのっていますが、これを取り上げない時点で、この記事群はどうしようもありません。

 朝日新聞は、こういう姿勢である、と明らかに宣言したととらえてよい記事群であり、朝日の医療系の記事は信頼すべきではない、と医師として言っておきたいと思います。



副反応被害者とされる方へのサポートはさらに手厚く



 さて、この問題に関しては、副反応の可能性のある被害者が実際にいることは忘れてはいけません。もちろん、実際にワクチンの副反応であった方もいるでしょう、また、他の疾患の紛れ込みや、ワクチン接種とは関係なく発症した疾患であった場合もあるでしょう。
 いずれにせよ、HPVV論争とは関係なく、症状のある方苦しんでいる方については医療が十分に提供され、立場性を超えて正しい診断と正しい治療を受けられる状況を作り出すことが大切です。

 HPVVでは副反応は起こらない、というのは嘘です。どんなワクチンでも副反応は起こりえますし、未知の新しい症状・有害事象が起こる可能性は常にあります。ですから、可能性があることはしっかりと拾い上げ、科学的に検証をし、多くの検討がなされねばなりません。

 一方、HPVVの副反応と決めつけられてしまって、他の疾患などがまじっていることも徹底的に避けねばなりません。正しい診断がつかなければ正しい治療が受けられないからです。転換性障害であれば、しっかりと児童精神科を中心としたサポートの体制が必要ですし、起立性調節障害でもしかり、もし本当に、脳炎などがあるのであれば、同様の症状のある対症群と比較して、有意に異なる点を見出せば新しい治療が検討できる可能性もあります。

 とにかく、副反応と思われる方を含むワクチン接種後の有害な事象に苦しむ方については、論争の具にしないことが大切です。患者の会などは、まずは最優先としてそういった方へのサポートと適切な医療提供ができるような協力体制の再構築をしていただきたいと個人的には願っています。



不幸を減らすために



 今回の朝日新聞の一連の記事は、印象操作により HPVV を忌避させる効果が強くでているととらえられると思います。立場性を超えてこれは残念であり、医療系のリテラシーについてこの新聞社は非常にまずい状況であるということが明らかに出ているように思います。

 他の媒体が冷静に状況をみながら良い記事を書き出しているときに、なぜこのような記事が出るようになってしまっているのか、他人事ながら心配になります。

 子宮頸癌は確実に多くの人の健康と命を奪っている疾患です
 これを克服する方法を持ち合わせているにも関わらず、実質的に使用されていない状況が「社会的な要因で」起きてしまっていることは大変によろしくないことと思います。

 今後も HPVV については情報を提供していきたいと思います。


● 関連記事


 ぜひご覧いただきたい動画があります。
 ▶ HPVV についての非常にわかりやすく丁寧な Online セミナー動画







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2019年5月30日木曜日

新たな記事、日刊SPA! で公開

 日刊SPA!に新たな記事が公開されました。


 健康・医療関連の情報というのは扱いが難しく、探す側にもスキルというかリテラシーというかいろいろ抱合した方法論も求められます。

 これこそ一番、という情報の選択法というのはなく、なにが真実であるか、真っ当な情報であるかを判定する簡便な方法はなかなかないのですが、情報源をまずは考えてみましょう、という形でインタビューにお答えしました。

 情報発信する側も、自分の情報だけが正しい、だとか間違っていないとは思いこまないこともとても大切ですよね。気を付けたいものです。
 もちろんトンデモは信じさせようとしてくるわけですが。

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2019年5月10日金曜日

ツイッターでワクチン関連の検索で厚生労働省サイトがサジェストされるようになりました

 ツイッターをはじめ SNS で情報収集をする方は多く、便利なのも事実なのですが、ワクチン関連をはじめとする健康・医療関連の情報には不正確なものやデマなどの誤情報(misinformation)も多く、ある意味温床になっているような面があります

 ツイッターでも、ワクチン関連の言葉をサーチするとたくさんの「反ワクチン」の方々のツイートが見つかる状況にありました。

 それが、ツイッター社の仕様変更により、ワクチン関連の語句を検索すると、まず初めに厚生労働省のワクチン情報のページがサジェストされるようになりました

 ねとらぼに記事が出ています。
 ▶ Twitterでワクチン関連語を検索すると厚労省に誘導 誤情報に対策


 この記事によると、この対策については

先週末(5月4~5日ごろ)から徐々に開始しているとのこと。現時点ではアプリ版のみです…

とのこと。いい取り組みだと思うのでどんどん続けて進めてほしいと思います。
 さらに、一部の「反ワクチン」で有名なアカウントはシャドーバンといって、検索などで上位に表示されないようにするなどの措置が取られている可能性があります。
 これについてもこの記事で触れられていて、

また一部では、反ワクチンを支持するアカウントの投稿がフォロワー以外には見えない規制がかけられているとの報告も見られますが、同社は「個別のアカウントに関することはお答えできない方針となっております」としています。

と書かれています。ねとらぼさんがしっかり取材してくれていてすっきり。
 ちなみにシャドーバンされているか否かは、このサイトで確認することができます。

 表現の自由、思想の自由はありますが、健康や生命、財産に関連する misinformation は単純な間違いではない場合には許されないことであると思います。
 半分は公共的な場ともいえる SNS プラットフォームでこのような措置が取られることは頼もしいことと思います。これについては応援したいと考えています。

 一方で、note については、以下のような記事が掲載されていました。
 ▶ noteにおける反ワクチン記事の方針について

 引用しますと、

どうやら暫定の政策としては、(中略)「基本は様子見。トラフィックの多いものには何かしらの対処を行う 」周辺が妥当そう

とのこと…やはり踏み込めないのでしょうかね、日本的であるとは思いましたね…。
 海外ベースの SNS の方が動きが速いように思います。

 日本のプラットフォームにも期待していきたいところです…。


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2019年2月18日月曜日

Instagram 経由でアクセス増える。反ワクチンさんに宣伝される。

 Instagram で反ワクチンさんへの反論もしつつ、情報提供の投稿をしています。
 情報提供パートも重要ですが、反論も重要。

 昨日は有名「デマ」アカウントたちから名指しで紹介したり非難していただいたおかげで、ブログのアクセスがグーンと伸びました。ありがたやありがたや。

 彼ら曰く「エビデンス、エビデンスと洗脳された」「留学医師」が「デマデマばかり」言っているのだそうです。しかも「英語での情報をとれないから」とか。

 はぁ?

 私、ファクトに基づく反駁可能性を残した議論を行い、その際にはベスト・エビデンスをできるだけ提示することが重要ですし、資料は広く当たりましょうといって英語のものを勧め、自分も英語文献ばかり処理しています…なにを言ってるの。180度逆ね。

 そして、留学医師っていったって、こっちでやっていくつもりのフェローですし、攻め方が稚拙。人格攻撃や背景攻撃ぐらいしかやることなくなりつつあるのでしょうね。

 ついでに「英国ロイヤルファミリーはワクチンしてない」などという妄想を言い出す始末。そこで Instagram に反論しました。


Fig.1 ニュースぐらい英語で読もうね

 エリザベス2世といえば!いえば!トニー・ブレアの腰抜けとはちがい、あ、言い過ぎ、自分のお子さんにワクチンを打ったことを公表して、ポリオワクチンの安全性の周知と普及を図った、ワクチン界のヒロイン(実際女王)じゃぁありませんか!

 それにですね、セレブは自分たちにワクチンしていないなどとも言っていますが、ビル・ゲイツは奥さんのメリンダさんと一緒に財団をつくり、世界で一番ワクチン開発にお金を出しており、公式サイトでもワクチンをすすめ、奥さんもワクチンの重要性のスピーチをしています。

 ばりばりのワクチン推進派。

 Facebook 創業者のザッカーバーグは奥さんのプリシラ博士は小児科医で慈善活動家でもあり夫婦でワクチンを進める慈善活動をするのみならず、「反ワクチン」をよくないものと何度も言っています。
 
 ばりばりのワクチン推進派。


こういった、有名どころへの権威?をつかったデマ、「本当は有名人や医師はワクチンを自分の家族には打っていない」とする嘘は、反ワクチンの悪意のこもった嘘なんですけれど、実際は逆なんですよね。

 ワクチン講座というものを開いていたある医師は息子さんにワクチンを打っていました(さらに息子さんは医学部生らしくこれはワクチンを打たないと実習できないので免許がとれないのですね)。

 また、海外でのビジネス展開をされているワクチンは不要だという本をかいたお医者さんは、家族の渡米ビザを取っていますが、これには指定のワクチンをすべて打っていることが必要なんです。

 え…?そう、ワクチンを打たないほうがよい、打ってはいけない!といっている医師に限って、自分の家族はワクチンで守っているんですね。

 全く逆でした。デマの逆でした。悲しいですね。

 簡単なんです、ワクチンを打たせなければ収入が増えるビジネスモデル、デマを言い続けることで得られる承認欲求と存在意義など彼らが得をするために、ワクチンを否定してるんです。

 迷惑な自己実現などなんですね。

 影響されたみなさんのことなんてどうでもいいんです。なぜなら、だまされたばかは養分だからですね。

 そしてデマだといわれると、人格攻撃や悪口を言い続けたり、背景攻撃をします。

 まずしっかり事実を見ていきましょう。


 さて、あまり反論に時間を取られても面白くありません。
 やさしく不安によりそう、ときにセンセーショナルに感情に訴える投稿で Instagram でやっていきたいと思います。というのは BuzzFeed にいい記事が出たんです。

 ▶ HPVワクチン賛成派は反対派に伝え方で負けている 「大砲に刀で戦っているようなもの」

ここで指摘されていることは、
「根拠の乏しいことを主張している人は感情に訴える内容を読みやすく発信しており、彼らの方が上手で強力です。賛成派は、情報の公正さを守りながらも、体験談などを盛り込んで説得力のある内容を、読みやすく発信する工夫が必要です」
ということですね。これは考えねばならないと思っていたことでもあるので、Instagram および他の SNS でも取り入れていきます。
 ただ、このブログは読者のレベルが高いと思っていますので、データ重視や論理重視、あとはお茶目重視でいきたいと思います。

 まぁ本当はこのブログは副収入源にしたくて始めた日記だったんですけどね…。


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2019年2月17日日曜日

反ワクチンの人たちのある思考の滑稽さ

 昨日から Instagram を攻略していますが、ワクチンについてのわかりやすい情報を流すだけで「製薬企業からお金をもらっている」だとか「工作員」などと言われます。
 もちろん、個人攻撃、人格攻撃も受け始めています。


Fig.1 名誉の晒上げ…デマ界隈で有名人に…。



 どうしてそうなるの…。愚かじゃのう…。

 そもそも製薬企業だけでなく公益を担う業種でも利潤追求団体はいくらでもありますよね…。食品もインフラもそうですし、車だってそうでしょう。

 薬やワクチンを好んで攻撃するのはパターン化していますが、邪推も甚だしく何とも言えない気持ちになります。資本・労働集約的で大きいと、敵や陰謀を感じるのでしょうか?

 製薬企業は広告も厳しく規制されており、商品の開発も販促も制限が厳しい領域です。それは国民の健康と福祉にダイレクトに関わるからですよね。
 もちろん、食品やインフラも一定の規制がありますね。車もそうです。

 しかし「それらを正しく知り、選択し、使いましょう」、というだけで、お金をもらってるだろ、と突然トンチンカンなことを言い出すのは何故でしょう…考えるとちょっと面白いですね。

 そう、そのぐらいしか反対する理由を思いつかなくなってるんです。

 下水道も談合あったりすることあるし使わない方がよいですよ。
 水道水も国策で陰謀の匂いがしますので水を使うのはやめましょう。
 車に至っては事故で沢山人が死に、環境もよごし、なんと広告企業だけでなくお金を受け取っている人は沢山いますから使ってはダメです!車を買うなんて勘弁してほしい。笑。

 当然、食品もダメです、服も。家に触れるのも危険です建築会社の陰謀です。
 すっぽんぽんで空中浮遊して断食するものだけが正しい生活なのです!!!笑。

 というように、製薬企業や一部の●●を拡大した主語を用いて、まるごと陰謀めいた対象のように言う人は、すでに認知がずれているんですね。
 もう、悪であると決めつけありき。

 基本的には相手にしてはいけませんし、封じ込めないとデマや偏見をひろめます。
 かつて自衛隊を人殺しなどといった人がいるように、これは偏見と差別です。

 真摯になされていることを、妄想で攻撃する態度はよろしくありませんよね…。

 やればやるほど滑稽なのですが、断末魔のごとく、反ワクチンの有名アカウントが私を攻撃して、馬鹿にしようとしているようです。フォロワーが多いようで大変ですね。
 嘘がばれたり、滑稽な自分がばれたらひとたまりもありませんものね。



 さて、インスタではワクチンを打つことに躊躇してしまった親としての経験をつづったエッセイである「子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。」by Eula Biss を 紹介しました
 ▶ 著者のページ

 この本は 2015 年に ビル・ゲイツも読むべきお勧め本として紹介していますし、ザッカーバーグも「反ワクチン」と対峙するためにも読んでおこうと呼びかけています。

 早速、反ワクチンのアカウントに猛烈に噛みつかれています。そんな本価値がないとか、ビル・ゲイツも読んでいないとか…笑。本当に頭が悪いことを示しています。

 反ワクチン界隈のデマゴーガーは基本的に全く知性がありませんが、とにかくこういうデマゴーガー、無知拡散者を排除しないといけませんねぇ…。


 徹底してやっていきたいと思います。
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