新しい論文がでていました
The Lancet Oncology に、HPVV の接種率を上げ、検診をしっかり行うことで、2059年までに高所得国(人間開発指数が高い国)において子宮頸癌は事実上の撲滅状態にできるであろうという予測を示す研究が報告されました。
Fig.1 新しい論文 |
▶ Impact of scaled up human papillomavirus vaccination and cervical screening and the potential for global elimination of cervical cancer in 181 countries, 2020–99: a modelling study DOI: https://doi.org/10.1016/S1470-2045(18)30836-2
これについてはAFP のみが日本語で報じています。
▶ 子宮頸がん、検診とワクチン接種急拡大なら事実上撲滅できる可能性も 論文
AFPの記事によると、
2020年までに12~15歳の女子のHPVワクチン接種率が80%以上に上がり、さらに少なくとも70%の女性が生涯に2度子宮頸がん検診を受けるようになるとすれば、今後50年間で1300万人程度が子宮頸がんになるのを予防できる
1300万人というのはすごい数ですね。全世界でこれだけ防げればすごいことです。
しかし残念なことに、日本は現在HPVVの接種率は近似すると 0% といっても良い状況…。これでは撲滅できません。
2,900 ~ 3,000 人が子宮頸癌で毎年日本ではなくなっています。
子宮頸癌検診を自己診断ではどうか、という研究も
同じ雑誌にこんな論文も出ています。
▶ Performance of human papillomavirus testing on self-collected versus clinician-collected samples for the detection of cervical intraepithelial neoplasia of grade 2 or worse: a randomised, paired screen-positive, non-inferiority trial
The Lancet Oncology Volume 20, Issue 2, February 2019, Pages 229-238
自分の家で自己採取して検査することも今後考えられるかもしれませんね、ということになりますね。
こういうサービスはすでに日本でもあり、以下のようなものもあります (これは広告リンクになっていますが、医学的に上記論文と関連させたり、または使用することを推奨しているわけではありません。リンクがアフィリエイトになっています。アフィリエイトサービスから見つけました)。
しかしながら、検診は決められた頻度でしっかり産婦人科医に見てもらう方がよいというのが基本的な考え方です。今後、精度管理や効果が日本でも実証されてくると、広く取り入れられてくる可能性はありますね。
特に羞恥心の問題で受診を避けておられる方のためのサービスとして、または発展途上国などの資源の問題がある場合には有用であるかもしれません。
今、新たなテクノロジーでの検診も考えられ始めています。
いろいろ変わってくる可能性はありますが、ワクチンは打ってしっかり防ぐことが大切ですね。
今後も HPVV について少しずつ紹介していきたいと思います。
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