2019年5月30日木曜日

新たな記事、日刊SPA! で公開

 日刊SPA!に新たな記事が公開されました。


 健康・医療関連の情報というのは扱いが難しく、探す側にもスキルというかリテラシーというかいろいろ抱合した方法論も求められます。

 これこそ一番、という情報の選択法というのはなく、なにが真実であるか、真っ当な情報であるかを判定する簡便な方法はなかなかないのですが、情報源をまずは考えてみましょう、という形でインタビューにお答えしました。

 情報発信する側も、自分の情報だけが正しい、だとか間違っていないとは思いこまないこともとても大切ですよね。気を付けたいものです。
 もちろんトンデモは信じさせようとしてくるわけですが。

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2019年5月29日水曜日

NHK のおはよう日本に少し出演しました

 本日は晴天のベセスダです。のんびりメモリアルデー明けの週、スタートです。

 27日、NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」に少し出演しました。
 テーマは「はしか ワクチン拒否の実態」(リンクから番組ページのピックアップに飛べます)。

Fig.1 ホームページより


 ワクチンを拒否する方や躊躇される方が、世界中に多く、かつ日本にもその流れが入ってきているということで、国際部の方が取材していく過程でたまたま私までたどり着いていただき、なんとアメリカまで来られて取材していただきました。

 記者の方とも意見交換でき、また、こちらもお伝えしたいことを少しお話できました。

 当日の放送を見ましたが、様々な角度から、しかししっかりと取材した内容で(実際には取材したものが多すぎて編集に苦労されたとお伺いしました)大変によい特集であったと思います。

 反響はそれなりにあり、多くのメッセージやメールをいただきました。
 まぁアンチ、というか反ワクチンの方々もなぜか盛り上がっておりますが…苦笑です。

 番組内容はきわめて良質で、最後に添記者がまとめてくださっていたように、「『ワクチンは危険だ』などと単純化されたり、『打ってはいけない』などと断言されると信じてしまいがちですが、そうした分かりやすい情報ほど気をつけるべき」というのは何度でも繰り返しお伝えしたいと思います。

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2019年5月26日日曜日

明日のおはよう日本で…

 明日27日放送の朝のNHK おはよう日本で「なぜ?ワクチン拒否の実態」という放送があります。

 ワクチン躊躇やワクチン拒否がどうして起こっているのか実態を丁寧に取材されての放送です。

 是非ごらんいただきたく思います。


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2019年5月24日金曜日

夕立、お客さん、夏日

 本日は非常に天気の良い快晴のベセスダです。快晴。
 朝はちょっと涼しいですが、日差しは強く30℃近くまで気温はあがりそうです。

Fig.1 快晴

 昨日は夕方から激しい夕立で雷ゴロゴロでした。土砂降り。

Fig.2 昨日の夕立

 ベセスダは夏は夕方に夕立が非常に多くあります。ザーザーの土砂降りになることもしばしば。また夏になったなぁと感じますね。

 さて、昨日はお客さんが来てくれました。日本で同僚・上級医だった先生で、今はアメリカの別の地域で研究をされています。
 メリーランド名物のカニを食べたいとおっしゃるので、カニを食べにお出かけしました。夕立後のややムッとする中お散歩しつつカニ屋さんへ。

 Bethesda Crab House というカニ屋さんで名物のカニを食べました。

Fig.3 カニ

 仕事は滞っておりストレスがたまる一方なのですが、お客さんがきて久々にお話しできて楽しかった…。

 さて、今日はいい天気なのですが気分はどうも沈んでいます。
 淡々と実験をいたします。

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なんだか疲れ気味、今日も暑い…

 今日はどうも蒸し暑いベセスダです。
 午後からは夕立予想です。

 さて、昨日・本日と、NIH構内に大きなテントをたててのベンダーショーが行われています。いろんな企業が来て展示をしています。


Fig.1 テント

 サンプルやノベルティグッズなどを配っており盛況。しかしテント内は少々蒸し暑いです…。

 気圧が下がり始めているのか少々頭痛がします。
 スカッと晴れて涼しい風が吹く日がいいなぁ…。

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2019年5月22日水曜日

すっかり夏の雰囲気、ミーティングデー、新たな記事

 今日もすっかり夏の雰囲気の快晴、暑いベセスダです。

 今日はミーティングデー。結構疲れます。タイムコースを使うような長い実験ができなくなっちゃうのもちょっとなぁと思う日ではあります。

 
Fig.1 ミーティング前は朝一杯のコーヒーを

 さて、日刊SPA!に新たなインタビュー記事を掲載していただきました。
 トンデモ医療と病理医について少し、お話させてもらいました。

  トンデモ医療で商売する医師たち
 
 トンデモ医療、エセ医療、反ワクチンなどをしているトンデモ医師や医療従事者は基本的に、ビジネスであると思っています

 実際には、本当に頭が●●しくなってしまっている、洗脳されている、信仰、名誉欲や復讐心を満たすため、といったこともあるんでしょうけれども、それでも結局飯を食わねばならず、かつ一度成功してしまうと、皆さんご一様に、セカンドオピニオンなどのコンサルト、物品の御販売、御出版、御セミナー、御合宿などなどに行きますね。

 信者を増やして満足したいのもわかりますが、結局、お金の要素は大きいですね。

 彼らの歪んだ心はさすがに治療不能と思いますので、少しでも騙される被害者、端的にかれらのお客やカモなわけですが、を減らせるようにしないといけないと思います。
 同時に、医療広告のガイドライン違反や薬機法違反、医師法抵触などを厳しく探して対応してもらえるように動いていかないといけないと思います。

 厚労省や消費者庁などが本来は能動的にがんがんやってくれるといいんですけどね…。

 相手は確信犯。
 昨日の記事(掲示板に張られた風刺画が増える、新たな記事)でも紹介させていただいた、リディラバの 記事(▶ 特集 ワクチン接種へのためらい 怖がる私が悪いのでしょうか?) にもこたえましたが、「ビジネスなんだから、親切丁寧なのも、情報発信に熱心なのも当然なんです」よね。

 なんとかしていかないといけない問題だと思います。
 人を不幸にする人を放置するのはよろしくありませんね。



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2019年5月20日月曜日

掲示板に張られた風刺画が増える、新たな記事

 本日すっかり夏になったベセスダです。暑い。28℃あります。快晴。


Fig.1 本日朝のNIH入口

 天気がよいと気分も良い感じになりますね。
 今日は朝からちょっと細かい実験作業。またまたタイムコース実験です。

 さて、ビルのエレベーターホールにある掲示板にまた反ワクチンを皮肉る風刺画の切り抜きが張られ、増えていました。


Fig.2 貼られている風刺画

 右側のものは以前から貼られていたもの。バカにつけるワクチン。The Epidemic とかかれていますが、反ワクチン運動の広がりを流行になぞらえているんですよね。面白い。

 左側の二つが新しく加わったもの。


Fig.3 新たな風刺画その1

 反ワクチンの親がいてワクチンを受けていない子どもたちはアメリカでも話題です。かれらもいろいろで、自分達にワクチンを打ってほしい、というまともな子どももいれば、ワクチンを打たなくても登校させろという親と同じ傾向の子どもまで様々です。

Fig.4 新たな風刺画その2

 反ワクチンのせいでまた出てきてしまった久方ぶりのウイルス君もいるわけですね。
 いやはや皮肉なものです。

 
 さて、リディラバジャーナルさんにインタビューいただいた記事が出ました。


 第一回に少し登場しています。連載のうち何回かに少しずつ登場する予定です。


 さて、タイムコースの実験を走らせます。淡々淡々とね。

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夏日

 週末は仕事しようと考えていましたが、すっかり疲れていたので二日間とも休んでしまいました。
 昨日から猛烈な暑さで完全に夏日…。日中は30℃を超えています。


Fig.1 今日も暑い…

 一気に夏になってしまいました。
 冬からいろいろしなくてはならないこともたまっていますし、実験もなかなかすすんでおらず、汗だらだらになりながらちょっとスランプで悩んでいます。

 まぁ、できることをできるようにやっていくしかないのですが、疲れがたまっているのも問題ですね…。

 リフレッシュしたい…弛緩したい…。一時帰国も考えたいなぁと思いつつ。

 今日はコーヒーを飲みながらのんびり弛緩しようと思います。

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2019年5月19日日曜日

【サイト紹介】こどもの救急


 子育て中の方に大変有用なサイトを一つ紹介いたします。




 このサイトは厚生労働省研究班と日本小児科学会が監修しており、非常に信頼できるサイトです。
 対象年齢は1ヶ月~6歳までのお子さんで、夜間や休日などの診療時間外に病院を受診するかどうか、判断の目安を提供してくれています。

 症状別に解説と判断基準などがまとまっていて大変によいです。

 是非一度ご覧ください。




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2019年5月18日土曜日

重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) の簡単な解説




 今、日本でも感染のリスクがあり、かつ非常に高い致死率を持つウイルス感染症があるのをご存知でしょうか。

 それが重症熱性血小板減少症候群、英語では Severe fever with thrombocytopenia syndrome (SFTS)と言い、これを引き起こすウイルスが、重症熱性血小板減少症候群ウイルス (Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus; SFTSV)です。



重症熱性血小板減少症候群  (SFTS) について


 このウイルスは、Phenuiviridae に属するウイルスで、2011年に中国の研究者によって特定されたものです。そして、この疾患はマダニが媒介する感染症で、致死率が非常に高いという特徴があります。

 まず簡単に資料を紹介した後に、❶病気の方から説明し、❷発見の経緯など、❸簡単にウイルスの説明、❹感染経路の説明、❺そして現状についてまとめてみたいと思います。



SFTSに関する様々な資料のあるところ



 重症熱性血小板減少症候群について、資料のあるところをまずは提示します。

国立感染症研究所に詳しい解説ページがあります    

厚生労働省も情報を提供しています

▶ 日本語の総説も読みやすいです 
  https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsv/65/1/65_7/_pdf/-char/ja
  http://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/06504/065040558.pdf

▶ 良くまとまったレビューが Lancet infectious disease にあります
 Severe fever with thrombocytopenia syndrome, an emerging tick-borne zoonosis

▶ 実際の解剖例の報告は複数例ありますが、日本から初出はこれですね
 Two autopsy cases of severe fever with thrombocytopenia syndrome (SFTS) in Japan: A pathognomonic histological feature and unique complication of SFTS

臨床家の皆さんには UpToDate のリンク
CDC にのったレポート
 

 さて、資料を紹介しましたが、ここから簡単に解説をしていきたいと思います。



SFTSの簡単な解説



SFTS の概要


 今回まとめるこの疾患、重症熱性血小板減少症候群 SFTS は、SFTSV が感染することで起こる感染症です。
 潜伏期間は6日から2週間程度と考えられ、高熱と血小板低下などが特徴なんですね。

 実際の症状としては、消化器症状として嘔吐・腹痛・下血など、神経症状として頭痛・意識障害など、リンパ節の腫脹、凝固障害・血小板減少などが起こり、多臓器不全で死亡することがあります。

 病態としては、SFTSV が免疫を担う細胞の一種であるB細胞に感染し、急速に増殖することで全身に広がるとともに、血球貪食症候群などの全身性の炎症状態を生じることが分かっています。

 致死率はかなり高く、2019年4月24日現在、日本国内では404例の感染報告があり、65例の死亡例があるような状況です。つまり、致死率は16%に及ぶわけです。

 小児の感染例も報告されていますが(https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2342-related-articles/related-articles-433/6310-dj4332.html)、死亡例はすべて50代以降であり、高齢者の感染にはリスクがあるともいえると思います。


SFTS の診断法


 診断はまずは病歴や症状から疑うことが大切です。そして血液などからウイルスを分離することや核酸を検出することでなされ、抗体の検査でも行うことができます。


SFTS の治療法


 ワクチンはありません。治療は現在特異的なものはなく対症療法が中心ですが、ファビピラビル(アビガン)が有効でありそうなので期待されています(PLoS One. 2018 Oct 26;13(10):e0206416)。

 薬物療法やこれらの仕組み、ウイルス学的な面などについては、これはまたいずれ詳細にまとめたいたいと思います。



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SFTS の発見の経緯から


 さて、発見の経緯です。この疾患は、2007年に初めての報告があり、2009 年 3 月~7 月中旬にかけて、中国の湖北省と河南省の山岳地域において、原因不明の疾患が集団発生したことが初めの報告でした。

 その後、中国人研究者、于学杰 (Xue-jie Yu)らによって2011 年に原因ウイルスである SFTSVが同定されました。

 その報告がこれです。 NEJM誌ですね。
 ▶ Fever with Thrombocytopenia Associated with a Novel Bunyavirus in China

IASR https://www.niid.go.jp/niid/ja/id/2241-disease-based/sa/sfts/idsc/iasr-topic/4410-tpc408-j.html
より


 その後、これは中国に結構ひろく分布している病原体なのではないかということがわかり、日本にも症例があることが分かってきたために、2013年に日本で後方視的研究をしたところ、100例以上の症例があったことがわかったのです(IASR 34:108-109 & 110, 2013)。

 ▶ The First Identification and Retrospective Study of Severe Fever With Thrombocytopenia Syndrome in Japan

 これはただ事ではなく、日本国内にもウイルスがいることが推定されたため、調査がなされ、実際に日本にはウイルスがすでに土着しており、中国のウイルスと日本のウイルスは遺伝子的に非常に似ているが違いも見られたため、日本に独自に株があることがわかってきました

 系統樹解析といって、ウイルスの近縁の度合いや祖先を考察できる方法で調べると、中国や韓国から海を渡ってやってきたことが示唆されているんですね
 ▶ Phylogeographic analysis of severe fever with thrombocytopenia syndrome virus from Zhoushan Islands, China: implication for transmission across the ocean. Sci Rep. 2016; 6: 19563.

 さて、そんな SFTSV ですが、ウイルス学的にはPhenuiviridae というものに分類されます。構造からはマイナス鎖一本鎖RNAウイルスというものになりますね。日本では四類感染症に指定されています。
 
 近縁のウイルスとしてはクリミア・コンゴ出血熱ウイルスや、リフトバレー熱ウイルスなどの非常に致死率の高い出血熱などを引き起こすウイルスがあることが知られています。

 SFTSV はB細胞に感染しますが、これによってB細胞の機能が障害されて、病態が形成されるようであることもわかってきています。
 ▶ Deficient humoral responses and disrupted B-cell immunity are associated with fatal SFTSV infection. Nat Commun. 2018 Aug 20;9(1):3328.

 このようにウイルスについても研究がかなり集中してなされており、どんどん細かくわかってきていますが、今回は割愛してまたの機会に説明しようと思います。

 日本ではウイルス学的な研究は国立感染症研究所ウイルス第一部の西條先生が主導されている仕事が大きいですね(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000196829.pdf)
 臨床も含めると愛媛や長崎の先生も頑張っておられますし、西日本でやはりさかんです。

 余談ですが、ドラマ「インハンド」第二話にでてきたハートランドウイルスは、SFTSV 近縁のもので、2009年にアメリカのミズーリ州で発見されています。別のキララマダニが媒介すると思われているんですけれどもね…。



SFTSV の感染経路



 さて先走りました。感染経路としては、マダニ科のダニにかまれることで感染する人畜共通感染症であることがわかりました。


 
 マダニ科としてはフタトゲチマダニ、オウシマダニ、タカサゴキララマダニなどがあります。
 
 これらのダニが、SFTSVをもつ、ヤギ、ウシ、イヌ、ネコなどを刺し、またヒトも刺すことで人に感染するルートが一般的と考えられています。なので獣医学的にもこれは重要なんです(http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1602_01.pdf

 いまのところ少数例ではありますが、動物から直接感染することもあり、2017年には徳島県で飼い犬からヒトに感染した例が報告されているほか、病猫の看護中にかまれた例、ネコの多頭飼育により感染したと思われる症例も報告されています。

 さらに実は、血液等の患者体液との接触により人から人への感染も報告されているんですね。血液中にウイルスがあるとその血液も危ないことになります。

 まとめると、感染経路は
  ❶ 動物 → マダニ → ヒト、
  ❷ 動物 → ヒト、
  ❸ヒト→ヒト 
 があり得ることとなりますね。

 日本国内におけるSFTSの発症はその多くが西日本で確認されています(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000030jzo-att/2r98520000030k7b.pdf)。

 また、SFTSV の国内分布調査もなされ、患者、SFTSVに抗体陽性のニホンジカ、SFTSVが検出されたマダニはいずれも西日本優位であることが判明しました
 ▶ IASR - SFTSウイルスの国内分布調査

上記 IASRより

そのほか epidemiology についてはこれも参考になります。
 ▶ 日本における重症熱性血小板減少症候群 IASR
 ▶ Epidemiology of severe fever and thrombocytopenia syndrome virus infection and the need for therapeutics for the prevention

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SFTS の現状



 さて、現状ですが、日本では依然感染者が出続けており、本日、2019年5月15日には長崎で感染したと思われる東京都内での発症例が報道されていました。
 ▶ マダニで感染症 GW 長崎でかまれる

 こういったことから潜在的に西日本中心にかなり問題のあるウイルス感染症であり、情報を徹底して普及しなくてはならないのですが、なぜかあまり伝わっていないところを感じますね。

 厚労省のページをもう一度みてみますと、資料は豊富ですね。

 このウイルスはワクチンもなく、かつ、治療法も確立したものはないので、予防するには感染経路であるマダニと動物との接触を避けることが大切です。

 感染研のこの情報は重要ですね ▶ マダニ対策、今できること

 そして、実は、外で飼っているペットや多頭飼育、野良犬・野良猫などは危険である可能性もあります。ですから注意しないといけませんね。

 

とにかくまずは知ってほしい SFTS



 実は身近で怖いウイルス感染症なのです。更なる研究も必要ですし、治療法・ワクチンの開発も望まれます。
 とにかく周知が望まれます。最後に厚労省のQ&Aを紹介しておきます。
 






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金曜日…

 金曜日、今日はおひるからは晴れているベセスダです。

Fig.1 午前は曇り気味

 淡々と実験をしていましたが、結果が思わしくなく、ちょっと沈鬱…ちーん。
 うまくいかないことありますね。なんでしょう、トラブルシューティングをしないといけません。

 金曜日ですし…あすやり直すのはやだなぁ…しかしなぁ…と最近は週末は働きたくないので、どうしてもずるずるいってしまいます。

 うーむ、金曜日にはいい結果が出てほしいんだけど、笑、と思います。

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