2018年5月17日木曜日

【書籍紹介】口腔病理アトラス




【書名】口腔病理アトラス
【著者】高木實
【出版社】文光堂



内容紹介より引用


初版発行以来,確固たる支持を得て,今や,歯学部の病理学実習に必須の書となったカラーアトラスの12年ぶりの改訂.わが国の口腔病理学研究者の協力により集められ,収載された病理・組織写真の質の高さは世界に類を見ない.歯科疾患を網羅し,写真の質の高さを保ちつつ,今改訂では臨床を意識して,肉眼写真や画像所見も掲載したほか,新しい腫瘍分類(WHO2017)を踏まえた解説を付した.


口腔病理のスタンダード教科書・アトラスといえばこれ!


 12年ぶりに改訂されたこの本、口腔病理のスタンダードと言っていい、もっともすばらしい日本語の教科書であることは間違いありません。

 もともとは、雑誌「病理と臨床」に連頼されていた高木先生の秀逸な口腔病理・歯科疾患の解説アトラスで、出版時には歯学部の学生向け、と銘打ってありましたがさにあらず。病理診断に関わり、口腔に関する疾患に関係するのであれば、絶対に役に立ち、わかりやすいといっていいアトラスです。

 この本の特徴はなによりまず、写真が美しく典型的な像がわかりやすく提示されていること。解説についても、一疾患がだいたい一ページまたは見開き程度にまとめらえており、エッセンスを含む読みやすい文でとてもよい。

 本版では WHO 2017 を踏まえて腫瘍の分類も再整理されており実用性もお墨付きである。

 歯学部の学生、病理専門医試験対策レベルから、日常業務のお供にまで、歯科口腔領域の病理に関わる人必携。
 おすすめ。★★★★★ (5/5)。

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2018年5月16日水曜日

【サービス紹介】専門書・医学書・大学教科書の買取サービス - メディカルマイスター

 今回はまた専門書、医学書、大学教科書に強い買取サービスを紹介します。
 以前、別のサービスも紹介しました。
 
 ▶ 【サービス紹介】使い終わった大学の教科書を買ってくれるサービス - テキストポン
 ▶ 【サービス紹介】専門書・医学書・大学教科書の買取サービス - 専門書アカデミー


 今回は医学専門書に非常に強い買取サービスの紹介をします。

 医学専門書は買うと高い上に需要は決して多くなく、学習に用いると書き込みをしたりしているため、きれいな状態を保つのは難しいですね。そして内容もすぐにとは言わないものの、古いと陳腐化してしまい、持ち続ける意味は、あまりないものも多いですね。

 専門書を処分しようとすると、捨ててしまうことも多いかと思います。古紙回収とか、雑紙類として。

 ブックオフなどに売る方もいるかと思いますが、書き込みなどがあって綺麗でないと値段が付きませんし、買取額も専門書などは安くて、購入時からするとかなり悲しい。

 私も、捨てたり、ブックオフに売ったり、ヤフーオークションに出したり、メルカリしたりしましたが、結局専門買取屋さんが一番値段をつけてくれます。
 いくつも利用しましたが、今回紹介するのは、特に医学専門書に関してはしっかり売ることのできるサービスです。

 それが、メディカルマイスターです。


 

 

 医学専門書・医療関係書籍を送料無料で買取しくれます。少しでもお金になるのであれば捨ててしまうよりいいですよね。しかも誰かがまたそれで学習できるなら。
 紹介した他のサービスもいずれもすぐれていますが、医学書という狭い分野ではここはとてもよいと思います。


 


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2018年5月1日火曜日

【書籍紹介】若手医師のためのリンパ腫セミナー

 血液病理診断のうち、リンパ腫の診断におすすめの一冊を紹介します。
 若手病理医、病理専門医試験の勉強などにもおすすめできる一冊です。将来血液病理診断をやりたい人はぜひ手に取っていただきたい。



【書名】若手医師のためのリンパ腫セミナー ― エキスパートによる講義録
【編集】日本リンパ網内系学会
【出版社】南江堂
【リンク】▶ Amazon.co.jp 


内容紹介より


日本リンパ網内系学会で若手医師を対象に開催されているセミナーをまとめた,臨場感あふれる一冊.まるで講義に参加しているような感覚で,リンパ腫に関する概要や病理診断,治療法の実際が手にとるようにわかる.「ワンポイントレクチャー」や「レベルアップのために」のほか,復習や力試しができるQ&Aも掲載.研修医,若手血液内科医,病理医の必携書.

とにかく初心者におすすめの一冊


 リンパ腫の診断は病理診断の中でもやや特殊で専門性が高いように思います。形態はもちろんのことながら、免疫染色を駆使し、病型についてもその特徴を知っておく必要があります。
 とっつきにくい分野であることは確かなのですが、しかし、どんな施設でも一定数症例が現れるのも事実ですね。骨軟部腫瘍などは非常にレアですが、それに比べると多く、そして、専門施設に送る、ということよりも自院で治療に入るところも多いように思います。
 すなわち、とっつきにくい分野ですが自分で診断しなくてはならない場面が必ず訪れる、それがリンパ腫というものだと思うのです。


王道はWHO分類を全部理解することなのだが…


 血液悪性腫瘍は分類がしっかりなされている分野の一つであり、分類をまずは網羅的に学び、その後、鑑別診断法を習得していくことも、理論的にはできるのかもしれませんが、実際には困難です。
 
 現在の分類は、WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues 4th reviced になりますが、分厚く、信じられないほどたくさんの病型がのっています…初心者にはとてもではないが通読などはお勧めできません…。

WHO分類
 となると、勉強法は、実際に症例にあたりながらWHO読む?
 それもいいですが、重要なところ、基本的なところから、簡単に読んでいける本で学び、診断して身に着け、少しレベルの高い本で…とステップアップしていくのが一番確実なように思えます。

 その戦略は、一番おすすめなのですが、そのための第一冊に、今回紹介しているこのリンパ腫セミナーがよい、と思うのです。


リンパ腫の病型、病理診断、治療法までがよくまとまっている


 この本は、リンパ網内系学会が主催する若手病理医、若手血液内科医向けのセミナーをまとめたものになります。

 リンパ腫の病理診断だけでなく、病型の開設、治療、予後といった事項がよくまとまっており、読みやすくわかりやすい。
 診断に関しても、形態、免疫染色、遺伝子まで基礎的なことからかかれています。本当に基礎的な部分もあるので、初めての病理医でも大丈夫と思われます。

 リンパ腫の診断を学ぶ最初の一冊としてぜひともおすすめしたい、と思います。
 よい。おすすめ。★★★★★ (5/5)。


この後のステップは ??


 とにかく、座学で学ぶことと実際に診断することを繰り返すのが病理の勉強の王道です。座学では読み物としての本はステップアップしていくのがおすすめであり、成書として常にひける本を持っておくことも重要です。

 成書は、上に挙げた WHO分類が一番です。これを持ちましょう。
 ではステップアップする次の本はなにか、というと、このシリーズにステップアップが出ていますのでそれもおすすめ。
 病理診断としては、下にリンクを置きますが、「リンパ腫アトラス」がよく、読み物としては「見逃してはならない血液疾患 病理からみた44症例」がよいでしょう。


▶ 関連記事


 ・【書籍紹介】リンパ腫アトラス
 ・【書籍紹介】見逃してはならない血液疾患 病理からみた44症例


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