【書名】Diagnostic Immunohistochemistry: Theranostic and Genomic Applications, 5e
【著者】David J Dabbs MD
【出版社】Elsevier
【リンク】Amazon.co.jp Amazon.com
病理診断における免疫組織化学のスタンダード教科書・レファレンス
「Dabbs」だけで通じることもあるこの超有名本の最新版。
免疫組織化学的手法は、病理診断にとっていまやなくてはならないツールであることは論を待ちません。形態だけで診断できる領域の方が既に少ないのではないか、というほど免疫組織化学的な形質は診断に重要です。
もちろん「ブラウン・パソロジスト」などと揶揄されないようにするためにも、臨床情報とHEでの基本的な形態の読解力、適切な各種特殊染色を合わせて駆使すること、免疫組織化学を適切に実施すること、これらすべてが重要だることは言うまでもありません。
基本的な免疫組織化学の教科書は日本語では乏しいものの、病理と臨床の別冊など、や各臓器の書籍内の記述ではたくさんあります。
しかし、やはり本書以外には免疫組織化学で横断的に切って解説した書籍は皆無といってよく、実用診断レベルのスタンダードな教科書、レファレンスとしては本書の右にであるものはありません。
免疫組織化学は必須である以上
癌の形質やサブタイプ診断、原発不明癌の推定、遺伝子異常のスクリーニング、スコアリング、予後・治療反応予測、感染の確認…などなど免疫組織化学は、現在の病理診断にとっては必須であることは論を待ちません。
遺伝子異常は形態に優越する、という方針で脳腫瘍分類が変わりましたが、それにも免疫組織化学的評価はスクリーニングとして、時に遺伝子シークエンスや転座検査の代替法としても用いられます。
純粋なHEでわかる形態だけの病理は終わっているといっても間違いではないでしょう。
免疫染色がこのように必須である以上、標準以上の知識と正しい運用が求められるのは当然です。本書は、そのサポート、座右の書、レファレンス用ととしても抜群の一冊と言えます。
病理医必携。軽く全部目を通しておきたいところ。
おすすめ。★★★★★ (5/5)。
● 日本語の本なら…
病理と臨床 Vol.32 2014年臨時増刊号 免疫組織化学 がおすすめです。
▶ 文光堂ホームページ