2016年8月22日月曜日

医師国家試験の病理の問題

 毎年行われている医師国家試験ですが、 病理組織の写真を見せての問題も必ず何題か出題されています。

 医師国家試験の「病理」対策というのはなかなか難しいと個人的には思っています。 そもそも。病理だけに絞られた問題はほぼなく、基本的には臨床問題に「画」が組み込まれた形で出題されています。

 予備校TECOMの第110回医師国家試験総評 には「病理診断が多い。ヒントの乏しい病理診断・画像診断も多い。」 という講評があります。

  どのような問題が出るのかというと、 医師国家試験データベースさんでみてみると、 108A30109A44109D24109D41109D52のような例があります。

  これらの問題は病理の問題としてしっかりしていると思います。 画像だけであれば病理専門医試験に出て良いレベル。 ただ、臨床情報がしっかりありますので、病理の画像診断は あくまでも確認、の目的で出題されているのがわかります。
 
 しかし、110I21となってくると、かなり困難。 病理専門医レベルといってよいのではないでしょうか。

 知識問題も奮っています。108G13など、皮膚科との融合とはいえ、 なかなか難しい。 

 なんと、病理解剖関連の法規も出ます。 同上、108B52110G5など。 これも病理専門医試験にでても良いレベル。 さらには技術的な問題もでる場合があります(108B16など)。

 対策としてはどうなんでしょう。
 ●イヤーノートアトラス などの国家試験向けのアトラスなどで国家試験にでるような病理組織を押さえておくこと、
 病理アトラスである  
 ●組織病理アトラス  
 ●カラーアトラス病理組織の見方と鑑別診断 などを見ておくこと、(学部生時代の病理実習も重要ですね…) 各科の教科書にのっているような典型画像を見ておくことが重要かと思います。
 ●病理学会の公開している病理コア画像も役に立ちます。
 最近は国家試験対策になるような本も出ているようですね。  
 ●病理画像診断 これでスッキリ!   
 ●正常画像と比べてわかる 病理アトラス など しかし、いずれにせよ結構対策をたてにくく大変なようにも思います。
 
 そもそも医師国家試験を受験する段階で組織像を読む能力を問うのは ちょっとナンセンスなような気もしますが、実際には少し読めないと どうしようもない、という問題がここ数年出ているように思います。

 病理の重要さを知っておいてもらうのには効果的なのかも知れませんが、 最近の医学部生は大変ですね…。 病理の面白さを感じるというのは試験対策では厳しいですかね…。

 ちょっと、このブログでも医学部生むけの記事を考えたいなと思います。

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