すっかり秋で肌寒いベセスダです。
Fig.1 秋空 |
さて、昨日はノーベル賞医学生理学賞の発表がありましたね。
The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2020 は…Harvey J. Alter、Michael Houghton、Charles M. Rice の三氏が、"for the discovery of Hepatitis C virus."、C型肝炎ウイルスの発見の功績で受賞されました。
ウイルス性肝炎は全世界で大きな公衆衛生上の負担となっている疾患です。
A 型・B 型肝炎が先に知られていましたが、それらの病原体はみつからないものの、輸血などで発症することが知られていたのが、非 A 型・非 B 型肝炎です。
その肝炎がウイルスにより発症するということを示し、そしてその原因ウイルスである C 型肝炎を発見しその性質を決定した功績はとても大きいですね。
今では新しい薬により、この C 型肝炎ウイルスをかなりの率で排除することができる治療が確立しています。
▶ C 型肝炎について 国立感染症研究所のページ
▶ 国立国際医療研究センター 肝炎情報センターのホームページ
輸血でのスクリーニングもしっかりなされるようになってきており、将来的には人類は B 型、C 型肝炎ウイルスによる肝炎を抑え込んでいけるのではないか、と個人的には思っております。
今回受賞された三氏のうち Harvey J. Alter 博士については、同じ研究所の方なのですが、昨年講義を受けました。非常にユーモアにあふれた方で、包括的な講義に加えて、笑いを取り入れたすばらしいものでした。
肝炎は将来的に肝癌を引き起こすことがあります。
そういう意味で、ウイルス性発癌としても重要な分野なのですね。
B 型肝炎ウイルスに対してはワクチンがありますのでしっかり受けることも重要です。
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