【書名】絶望の裁判所 (講談社現代新書)
【著者】瀬木 比呂志
【著者】瀬木 比呂志
【出版社】講談社
日本の司法システムは、部外者からはその仕組みも実態も内情もわかりにくいですが、漠然と国民は司法を信頼しているように思っています。
本書は元裁判官の書いた日本の裁判所・司法システムへの批判的一書。
33年間裁判官を務め、決して出世しなかったわけではなく今は学者をされているという著者によるものです。
最高裁判所事務総局支配、過度な官僚制度、キャリアシステムの崩壊、司法制度改革のいざこざなど、なんとなく聞いたことのある内容が多いものの、実名で著したことは評価できると思う。
ただ、新書であるという限界だけでなく、論拠や伝聞が多く、参考や引用された内容のものが少なく、問題意識(や怨念)はよく伝わってくるものの、微妙に恨み節も入っている。
日本の官僚機構もかなり疲弊してきて劣化してきていますが、裁判所も同様、ということなのでしょうか…。そして何より、司法について国民は別にあまり考えていない、ということを反映しているという根本があるのではないか、とは思いました。
裁判所の現実を少しのぞいてみるにはよい本のように思います。
よい。★★★☆☆ (3/5)
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