2019年6月21日金曜日

国際調査でワクチンへの信用度が低い国として日本・フランスなどが目立つ

 昨日付で、ウェルカムトラストのグローバルモニター報告書 2018 が出ました。




 ウェルカムトラスト(Wiki)は、イギリスの、医学研究支援などをしている大きな財団です。この報告書はかなり大規模な健康に関する意識の調査になります。

 さて、この報告書の中で、ワクチンを信頼している人の率が少ない国としてフランス、日本、ウクライナなどが目立つことが示されています(Chapter 5 に書かれています)。



 この地図は赤い色ほどワクチンへの信用が低いことを表しています。


 地域別でも、ウクライナと日本が特に悪くフランスも先進国の中ではまずいレベルですね。全世界では 79% の人がワクチンが安全であるということに同意日本は34%)し、7%が反対。全世界の 92% の親は子供にワクチンを受けさせたと回答しています(日本は88%)。

 Dataset をダウンロードして、見てみました。
 Q25 が、ワクチンは安全であるか否かを聞いています。


 どっちとも言い難いという意見が最も多くなっていますね。男女別でみてみるとこのようになります。

 
 少々女性の方が安全であると同意する人が少ないように見えますね。
 このほか年齢別、収入別、学歴別、住んでいる地域特性別などにもデータがまとめられています。

 さて、これを受けてたくさんの報道もなされています。

 などなど…。

 BBCの記事の中では、

In Japan, concerns about the HPV vaccine and a reported link with neurological problems were widely publicised, which experts think knocked confidence in immunisation in general.

 
として HPVVに対する副反応疑いのある訴えがワクチンの信頼全般をだめにしたと、触れられており、Suspension of government support for the HPV vaccine in Japan へのリンクも貼られています。

 フランスでのワクチンの不信は2009年のインフルエンザパンデミック前後において、WHOと製薬企業が癒着しているのではないかという噂などが広まったことから急激に信用度が悪化したのではないか、と分析する記事もあります。

 日本でもワクチンに反対する言動は目立ちますが、やはり HPVV副反応疑いの騒動は大きく影響している可能性があるようにも思えます。

 いずれにせよ、ワクチンへの不信感をぬぐっていかねばなりませんし、間違った情報や不正確な情報に振り回されないようにするため、正しい情報を多く得られる状況を作ることも重要と思います。





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