【書名】偉人たちのあんまりな死に方 (河出文庫)
【著者】ジョージア・ブラック
【出版社】河出書房新社
内容紹介より引用
あまりにも悲惨、あまりにもみじめ……。世界の偉人たちはどんな最期を遂げたのか? 知られざる事実や驚きいっぱいの異色偉人伝!
まさか、こんなにひどい最期だったとは!体液を抜かれ、蒸し風呂に入れられて死んでいったベートーヴェン。水治療と称して、凍るような冷水を浴びせられたダーウィン。医学が未発達な時代には、病気の症状自体よりもはるかに苛酷で、奇想天外な医療が施されていた。現代医学に感謝したくなる、驚きいっぱいの異色偉人伝!
人は誰でも死ぬけれど、死に方って大事ですね…
人は誰でも死にます。いろんな死に方があり、人はたくさんいる…。
話はそれますが、でも、実は死因って、思ったよりすごく限られているんですよね…
日本の死亡診断書を見てみると…
死因って、病死・自然死、外因死、しかないようなもの。
まぁ冷静に考えて分類すればそうなります。
しかし、実際人が死ぬときにはいろんな状況があり、いろいろな死に至る話があるんですよね。だから、死に方、は千差万別。
そこに人生の重要な部分が現れることもあるでしょう。
偉人も最後はこんな目に…
さて、話は大きくそれましたが、本書は歴史に名を残すような偉人の死に方 (たまに死にざまなんて言う人がいますが、「ざま」は相手を見下す表現ですから、自己卑下以外では使ってはなりませんね、死に方、です) がかかれている1冊です。
本書はでは 19 人の偉人のエピソードが書かれています。筆致は軽快で読みやすく、ユーモアがちりばめられており、訳もよい。内容としては、1人1人について、どのような死に方をしたのか、どんな活躍をした偉人なのか、に加え、たくさんのトリビアや小エピソードがちりばめられています。
そしてこの本においてはトリビアが非常に面白い。1例を挙げると、モーツアルトが受けていた「ヒル」を用いた吸血療法については、その手順が細かくかかれていて、まず、「ヒル」をビールに浸す…というような、え?面白い!というものが書かれています。
また、それぞれの章立てになってりう偉人たちをひどく表現しているのもなんとも…曰く、「400万回嘔吐した小心者」チャールズ・ダーウィン …など…。
いにしえの医療はすさまじく滑稽であるしかし…
古い医療は滑稽で、エビデンスもなく、科学的でさえないものがたくさんあり、今知ると、ばかなぁ…と思うものがたくさんあります。偉人といえどもそういった変な医療を受けて死んでいったところがあります。
しかし、遠い未来からみて今我々のうけている医療、おこなっている医療はどう見えるんでしょう。我々の死に方はどう見えるのでしょう。たくさんの機械につながれたり、胃ろうなどで栄養されたりしているのを未来人はどう思うのでしょう。
そして、なにより、偉人といえども人間で、本当にいろいろな目にあっていることがこの本ではわかりますが、ひるがえって我々一人ひとりの人生はどうなんでしょう。
くすっと笑えて楽しんでしまう、そんなこの本ですが、ふと、死に方は生き方の反映だなぁなんて思わせてくれたりもします。
おすすめ。とても楽しめる一冊です。
★★★★★ (5/5)。
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