2015年11月5日木曜日

本文中で引用する際の"et al." の使い方 - 転載記事です




 英文論文の著者名のところを見ていると。"et al." という文字列がでてきますね。

 これは、日本語に直すと「達」にあたります (「ら」という人や記述がありますが、「ら」は目下や見下すさいに用いる言葉で、奴ら、などと使います。自分を卑下する、我らはいいですが、「ら」を他者につかう感覚にはやや日本語が不自由な印象をもちます)。

 誰が一番論文を書いているか、と検索すると「et al.」さんになるという笑い話や、どう発音するのか、「エトオール」?「エトアール」?など、話題には事欠きません。

 今回は、論文本文中で、引用する際に、この "et al." をどう使うのか、エディテージインサイトに良い記事がありましたので、CC(クリエーティブ・コモンズ)ライセンスにのっとり、いかに完全転載でご紹介します(エディテージインサイトさんありがとうございます、かつその精神をリスペクトします!)

----- 以下、エディテージインサイトさんよりの転載です ------

本文中で引用する際の"et al." の使い方


研究者が自分一人だけで論文を発表することは珍しいと言えるでしょう。研究論文にはたいてい数名もしくは大勢の著者がいて、科学が協同作業で行われることが多くなるにしたがい、論文一報あたりの平均著者数も増え続けています。著者名発行年方式(ハーバード方式とも言います)で論文を引用する場合、名前を長く連ねていくと、ぎこちなく見えます。ですから、多くのジャーナルがet al.の使用を推奨しているのです。et al.とは、ラテン語のet alii やet aliaeの略で、「その他(and others)」という意味です。

著者が何名以上だったら、et al.を使うべきでしょうか? この点に関して、ジャーナルによってかなり違った対応を取っています。 American Journal of Tropical Medicine and Hygiene は、どんなに著者名の引用が長くなってもet al.の使用を避けています。How to Write and Publish a Scientific Paper [1] は、慣例では四人以上の著者がいる場合にet al.を使うとしており、Chicago Manual of Style [2]もそれに賛同しています。一方、Cambridge University PressのSTM (science, technology, medicine) booksでは次のように述べています。

「著者が三人いる研究を引用するときは次のいずれかの対応が可能である。
(1) 最初に三人全員の名前を挙げ、次からet al.を使う、
(2) 引用の際は常に三人全員の名前を挙げる、
(3) 常にet al. を使う」。
ただし、「著者数が四人以上の場合には、常にet al. を使うこと」 [3]

The American Psychological Association (APA) [4] は、さらに洗練されたやり方を採用しています。論文を次の三つのタイプに分けます。著者が1人か2人の論文、著者が3~5人の論文、著者が6人以上の論文の三つです。二番目のタイプの場合、その論文を初めて引用する際は、最初の三人を挙げて、後はet al.にし、それ以降の引用では第一著者名だけを挙げ、後はet al.にすることを奨励しています。六人以上の著者がいる論文の場合は、常に、第一著者名だけ挙げて、後はet al.にします。

ですから、本文中でet al.を引用するときは、投稿先のジャーナルの投稿規程と最新号をよく研究してから、本文中の引用スタイルを整えるのがベストです。

[1] Day R A and Gastel B. 2006. How to Write and Publish a Research Paper, 6th edn. Westport, Connecticut: Greenwood Press. 320 pp.
[2] University of Chicago Press. 2010. The Chicago Manual of Style, 16th edn. 1026 pp.
[3] https://authornet.cambridge.org/information/productionguide/stm/text.asp
[4] American Psychological Association. 2009. Publication Manual of the American Psychological Association, 6th edn. Washington, DC: APA Press. 272 pp.
 
エディテージインサイトに掲載されたものです。

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