ラベル 病理診断 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 病理診断 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2020年1月10日金曜日

【書籍紹介】病理診断を極める 60のクルー

 病理医向けの書籍、病理診断を極める 60のクルーを紹介します。
 専門医受験前の方や、専門医でもちょっとした事項をまとめて読んでおきたい方にはおすすめできる一冊です。




気が向きましたら応援クリックをお願いします!↓
  

note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク



2020年1月6日月曜日

【書籍紹介】わかりやすい骨髄病理診断学 - 吸引クロット、生検組織の見方

 病理医むけの一冊を紹介いたします。特に初心者の方や専門医受験前の病理医にお勧めしたいと思います。ちょっと分類などは古く、記載も散逸しているところがあるのですが、基本的なことを身につけるにはとてもよい一冊です。




 【書名】わかりやすい骨髄病理診断学
 【著者】定平吉都
 【出版社】西村書店
 【リンク】楽天ブックス Amazon e-hon honto 
      7net 紀伊國屋書店 図書館


 骨髄病理は、新しいWHO分類において病理診断が病型確定のための必須となったものも多く、重要性が認識され、今後も重要さが増していくところと思われます。

 しかしながら、骨髄病理の診断法についてわかりやすく書かれた本というのはほとんど見受けることができません。もちろん、専門書としては、AFIPシリーズExpert consultシリーズの本をはじめとして紹介したいような良いものはたくさんあるのですが、日本語で、かつ初心者からわかるという本が少ないのですね。

 本書は、日本語で書かれた、故・定平先生 監修の名著です。

 非常にわかりやすく基本的なところから骨髄標本の染色法、見方、評価の仕方がかかれており、考え方やコンセプトもシンプルでよい。写真もきれいで見やすく、染色や免疫染色も映えています。

 やや分類が古く、今の WHO 分類とは変わっているところがあるので注意が必要ですが、基本的な考え方や標本の見方を身に着けるにはよい一冊であると思います。

 病理をはじめたばかりの方や、専門医取得前の方にぜひお勧めしたい一冊です。



気が向きましたら応援クリックをお願いします!↓
  

note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク



2019年12月23日月曜日

血液病理関係の講演会・学会・研究会の情報 2019年12月

 血液病理関係の講演会・研究会の情報がいくつかありますので紹介しておきます。詳細については雑誌「病理と臨床」の後ろにあるイベント情報などをご覧ください。


● 北陸 lymphoma conference 2020


 2020年1月11日(土) 金沢市 プログラム
  症例検討
  特別講演
   「悪性リンパ腫の治療戦略」 九州大学血液内科 加藤光次先生
   「医学部からのモノ作り・コト作り」 
     自治医科大学分子病態 西村智先生
   「B細胞リンパ腫におけるPD-L1発現の意義」 
     名古屋大学病理 中村栄男先生



● アドセトリス全国Web講演会



 2020年1月15日(水)
 「T細胞リンパ腫の病理」 中村直哉



● リンパ腫炉端会議2020


 2020年2月8日(土) 新潟市
 プログラム
  症例検討
  講演 「低悪性度B細胞リンパ腫の病理
      -FISHと遺伝子検索は有用か-」中村直哉先生



● 神奈川リンパ腫病理研究会


 2020年3月14日(土) 横浜市
 プログラム 
  特別講演 「皮膚リンパ腫の病理」埼玉医大病理 新井栄一先生



● 東京骨髄病理研究会



 2020年3月20日(金・祝日) 東京駅八重洲口 TKPカンファランスセンター
 プログラム
 
 講演「リンパ腫の骨髄浸潤の病理学的評価について」 
   昭和大学病理 塩沢英輔先生
 症例検討
 特別講演「多発性骨髄腫」 金沢大学血液・呼吸器内科 高松博幸先生



● 東京骨髄病理研究会(特別篇)
 「血液病理100例を見る会」(第3回)


 2020年3月21(土)・22(日) 神奈川県 東海大学伊勢原校舎
 プログラム
  特集: 骨髄増殖性腫瘍(MPN)と骨髄異形成症候群(MDS)、
     骨髄と脾のリンパ腫および関連疾患
  症例解説:伊藤雅文先生、佐藤孝先生、中村直哉先生


● リンフォマニアを目指すリンパ腫病理診断コース 
 第10回記念大会リンフォマニア2020


 2020年3月28日(土) 東京 TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター
 プログラム

  (1) 14:00~14:40 PTCLとは 田丸淳一先生
  (2) 14:40~15:20 ALCLの病理診断 竹内賢吾先生
  (3) 15:30~16:00 小児T細胞リンパ腫 中澤温子先生
  (4) 16:00~16:30 節外性T細胞リンパ腫 中村直哉先生
  (5) 16:30~16:50 CD30の免疫組織化学 長谷川剛先生
  第10回記念特別講演
  (6)   17:00~18:00 T細胞リンパ腫の治療戦略 伊豆津宏二先生



note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク



2019年4月30日火曜日

【書籍紹介】Quick Reference Handbook for Surgical Pathologists 【病理医必携】

 病理医は絶対に手元においておいて損はないよという有名な本を一冊紹介いたします。ご存知の方が多いとは思いますが…。



 【商品名】Quick Reference Handbook for Surgical Pathologists
     → 新版ももうすぐ出る模様

 この本は、病理医向けのレファレンスマニュアルで、この世界のゲームチェンジャーと言われたほど画期的で便利なものです。

 もともとは、アメリカの病理レジデントたちのお役立ちレファレンスとしてはじまったとのこの書籍ですが、あまりに便利であり、大ヒットになったという一冊です。

 

内容紹介より引用


This book is a compilation of high-yield, at-a-glance summaries for various topics on which pathologists frequently need information in a quick reference format while at the microscope (or when cramming for the boards). 


 まさにその通りで、ちょっとした項目、たとえば CK7とCK20 での原発巣の判別の考え方、様々な診断基準のカウントの基準、紡錘形細胞腫瘍診断時の免染パネル、リンパ腫の免染パネル…などなど、さっと手元にあると確認に便利な事項がよくよくクイックリファレンスの形式でまとまっています。


The authors are early-career pathologists who have compiled this book from the perspective of pathologists-in-training. The focus is not organ-based histologic criteria, but rather everything else that goes into pathologic diagnoses but is difficult to keep committed to memory. 


そう、著者がレジデントであることからも非常に現場オリエンテッドかつ、プラクティスに有用な情報が盛り込まれており、使いやすいメモ、レファレンスなんですね。


The emphasis is on immunohistochemistry, special stains, grading systems, molecular markers, tumor syndromes, and helpful clinical references. The book has a unique format in that the information is presented primarily in tables and diagrams accompanied by minimal explanatory text. 


テーブルとダイアグラムは非常にわかりやすく端的にまとまっていますが、それ以上に内容も盛りだくさんで必ず役に立つといってよいと思います。非常に有用な情報源にもなりますね。リファレンスもしっかりついているので安心です。


It is intended to serve as a ‘peripheral brain’ for pathology residents and also practicing pathologists, where frequently needed information is readily accessible and easy to navigate. 


 ペリフェラル・ブレイン として、座右のレファレンスとして活用できると思います。


この本の対象となるひとは



 端的に言ってしまえば、すべての病理医にお勧めしたいです。
 持っていない病理医は買ってほしいと思いますし、もし知らない病理医がいたら教えてあげてほしい。こういうツールがあるだけで病理診断技術は向上すると思いますし、ある意味で標準化もされると思いますし、時間や労力を節約できることは間違いなく、病理医の能力の向上にもつながると考えるからです。

 日常診療はもちろん、病理専門医試験にでるような知識も身に付きます。読み通すような本ではありませんが、ちらちら読んでいると確実に身につく。

 これはいい本。これの日本語版を作りたいと思います。
 なかよし病理医のどどたんと企画を考えていますが、どこか出版社協力してくれないかなー…!

 おすすめ本!★★★★★








気が向きましたら応援クリックをお願いします!↓
  

note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク

2019年4月27日土曜日

デジタルパソロジーの学会があるんですね

 後輩さんが参加するというので知りました。
 デジタルパソロジーの国際学会が今度アメリカであるんですね。




 6月13-14日、ニューヨークだそうです。お高い…参加したかった。
 
 病理診断については、標本画像のイメージをすべて取り込む Whole slide imaging (WSI)の規格が統一されていないことや、そもそも切り出しや染色の方法も標準化がされていないことなどが、放射線画像診断とは大きく異なりまだ今後の課題というところはありますし、まだまだと思っていますが、インテンシブに研究されている方がたくさんいますので、近いうちに花開いてくるように思います。

 深層学習・AI などを用いた診断学の研究には非常に強い関心を個人的に持っていますので、なんというか、楽しみですし、取り組みたいなぁと思ったりします。
 

気が向きましたら応援クリックをお願いします!↓
  

note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク

2019年4月12日金曜日

こういうシンプルな病理読解サイトを作りたい - Gastrointestinal Tract Reading

 病理の組織の読み方、ってなかなか初学者や外の方には難しくて、どこを見ているんだかとか、どこがどういう構造なのかとかを説明するのも困難なことが多いんですね。

 ディスカッション顕微鏡で一緒に眺めながら見ていくっていうのはとてもいいんですが、やはり自学自習でもわかりやすい情報があるといいように思うのです。




 Yale 大学の Gastrointestinal Tract Reading のサイト を見てみました。

 このサイトでは、大きな組織写真を提示し、わかりやすい解説と、図中への矢印の挿入による図解がされており、とてもわかりやすいです。
 これを書籍でやると非常に枚数が必要であることと、行ったり来たりが面倒ですが、サイトでやれば確かにわかりやすい。

 個売ったサイトを作りたいなぁ…病理読解のサイトとして、まずは組織学、そして病理組織学という形で、全身かつ様々な疾患について、ここをこういう風に読んでいるんだよということを示すような形でしたいなぁと思うのです。

 だれか一緒に協力してやってくれる病理医やその他の仲間いないかなぁ…。
 ちょっとこのブログで試しに何回か記事を書いてみて、うまくいきそうならサイトを作ってみようかなぁと考えています。


気が向きましたら応援クリックをお願いします!↓
  

note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク



2019年2月20日水曜日

【論文紹介】SOX-11陰性 マントル細胞リンパ腫75例の臨床病理学的検討 / AJSP

 マントル細胞リンパ腫に関する新しい論文が AJSP に出ていたので紹介いたします。

 マントル細胞リンパ腫 (MCL)は、B細胞性リンパ腫で、indolent と aggressive の中間程度の悪性を示すことが知られており、形態学的には小~中程度の大きさの均質な細胞の単調または軽度に結節を形成するような増殖をしめし、免疫組織化学的には CD5(+)、CyclinD1(+)が典型的であるが、近年みつかった SOX-11(+)のことが多いのも特徴です。
 臨床的には比較的白血化を引き起こしやすいことも知られています。

 最近までの研究においては MCL のうち、SOX-11 を発現していることが予後度影響するかどうか、はっきりせず論点となっていました。
 今回のこの論文では75冷のSOX-11陰性 MCL との比較によりその臨床病理学的特徴を解析しています。

 それでは論文詳細です。 



● SOX11-negative Mantle Cell Lymphoma Clinicopathologic and Prognostic Features of 75 Patients
 The American Journal of Surgical Pathology: February 12, 2019
 Publish Ahead of Print
 Xu J, Wang L, Li J, Saksena A, Wang SA, Shen J, Hu Z, Lin P, Tang G, Yin CC, Wang M, Medeiros LJ, Li S.

【概要】
 SOX-11陰性MCL75例を検討した。
 SOX-11陽性MCLと比較し、
  より白血化が多かった(21% vs. 4%, P=0.0001)
  より典型的な形態を呈した(83% vs. 65%, P=0.005)
  よりCD23陽性の割合が高かった(39% vs. 22%, P=0.02)
  よりCD200陽性の割合が高かった(60% vs. 9%, P=0.0001)
  よりKi67陽性率が低かった(23% vs. 33%, P=0.04)
  Overall Survival に有意な差はなかった(P=0.63)
  一方、高いKi67陽性率と blastoid/pleomorphic
   morphology は SOX-11陰性陽性にかかわらず
  より短い Overall Survival と関連していた。
  MCL の予後予測スコア(MIPI)でが高い場合、
   SOX-11陰性の場合には有意に予後が悪く(P<0.05)、
   陽性の場合には有意ではなかった(P=0.09)。
  リンパ節病変ありまたは stage III/IV の場合には、
   SOX-11陰性の場合には予後は有意に悪くはないが、
   SOX-11陽性の場合には予後不良であった。
  まとめると、SOX-11陰性MCL はより白血化の頻度が高く
   典型的な形態CD23・CD200の発現率が高く
   Ki67陽性率が低い
   SOX-11陰性MCL の予後因子は、形態、Ki67陽性率、
   MIPIである
【症例の選択】
  テキサス大学アンダーソンがんセンターの
  2004/1/1-2016/12/31 の MCL症例。
  2016年 WHO classification に基づく分類。
  IHCでCyclinD1(+)またはt(11;14)(q13;q32)
   またはCCND1-IGH で診断を確定。
【結果の概要】
  SOX-11陰性 MCL 75例、SOX-11陽性 MCL 146例。

    
【病理学的解析】
 形態と免疫染色については Table 2 としてまとまっています。

【臨床的アウトカム】
  略:(概要に示したものが代表)
【結論】
 SOX-11陰性 MCL 75例、SOX-11陽性 MCL 146例の検討で、
 SOX-11陰性 MCL はより白血化の頻度が高く、
 典型的形態で、CD23・CD200発現率が高くKi67陽性率が低い。
 SOX-11陰性 MCL の予後因子は、形態、Ki67陽性率、
 MIPIであることがわかった。
  


 MCL は indolent lymphoma と aggressive lymphoma の中間的な場合もおおい B細胞性リンパ腫であり、診断は比較的容易であることもあるものの、時に困難で SOX-11 は有用なマーカーとして報告されました。

 リンパ腫の診断チャートは参考に ▶ 峰式 リンパ腫の病理診断フローチャート

 しかし、SOX-11 陰性 MCL もあるということがまず話題となり、SOX-11 の発現の有無でのふるまいについては議論が分かれているところでした。
 今回紹介した論文では、SOX-11 陰性 MCL では白血化の頻度が高いことや、MIPI を用いて不良予後の予測ができそうであることなどが分かりました。
 
 MCL についてはさらに詳細な生物学的な検討がなされそうに思います。

● 関連記事
 ▶ 【血液病理】DLBCL の Hans の基準
 ▶ 峰式 リンパ腫の病理診断フローチャート
 ▶ 【書籍紹介】レベルアップのためのリンパ腫セミナー
 ▶ 【書籍紹介】若手医師のためのリンパ腫セミナー
 ▶ 【書籍紹介】見逃してはならない血液疾患 病理からみた44症例




気が向きましたらクリックをお願いします!↓
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ  

病理の話題は別ブログにまとめています

2019年1月31日木曜日

医学部生にお勧めの病理の教科書

 さて、ちょっと質問をいただきました。
 医学部生にお勧めの病理の教科書はなんでしょうとのお題。

 病理学の勉強の仕方はまたじっくりとまとめて行きたいと思っていますが、今日は医学部の学部生、コメディカルの方が使う教科書としておすすめのものを挙げてみたいと思います。

 さて、医学部生が医学部で学ぶ「科目としての病理学」は、病態病理を中心とする総論を学んだ後に臓器ごとの病気をまなんでいく座学の部分と、顕微鏡でみられる組織像を学ぶ病理組織診断学の各論(座学+プレパラートやバーチャルスライドでの実習)の部分に分かれますね。

 この二つの部分+初期研修医ぐらいまでに読んだらいいかなぁというような本についていくつか教科書を紹介しますが、その前に、とっかかりになるような初学者向けの読みやすいものも紹介してみたいと思います。



まずは病理の全体像をつかむ入門・読み物・概要書から


 医学部生やコメディカルやその学生さん向けに、病理学がどんなものであるか簡単に示してくれている本をまず4冊紹介いたします。


Dr.レイの病理学講義第3版




 【書名】Dr.レイの病理学講義第3版
 【著者】高橋玲/北澤荘平
 【出版社】金芳堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 新しい一冊。とても図版がきれいで、解説文もシンプルでわかりやすい。対話形式で、病理学がどのようなものかについて解説してくれています。
 読みながら学んでいけるという本のなかでもこれはかなり良い本です。
 第1版から持っていますが、第3版でさらに読みやすくなっていました。

 医学生・薬学生・コメディカル(看護師・臨床検査技師)とその学生さんにもおすすめできる一冊です。
 

なるほどなっとく!病理学




 【書名】なるほどなっとく!病理学
 【著者】小林正伸
 【出版社】南山堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon Kindle 7net honto 
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館


 難解な記載はなく、かなり誠実に病態や病理について解説されている一冊。体系的とまでは言えないの物の、基本から忠実に病理総論をまずは俯瞰していく姿勢には恐れ入ります。
 内容も必要十分量であり、医学生・薬学生・コメディカル(看護師・臨床検査技師)とその学生さんにお勧めでき、次の本格的な教科書に進む前に読んでおくと大変理解の助けになると思われる一冊です。


はじめの一歩の病態・疾患学




 【書名】はじめの一歩の病態・疾患学
 【著者】林洋
 【出版社】羊土社
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 医学生・薬学生・コメディカル(看護師・臨床検査技師)とその学生さんにお勧めの一冊の中で、病態・疾患、ここにフォーカスしている一冊です。
 第一章の「病態・疾患学とは?」がとてもよく、そこをもとに全体をみていくと非常にわかりやすく書かれています。
 おすすめ。 


図解入門よくわかる病理診断学の基本としくみ




 【書名】図解入門よくわかる病理診断学の基本としくみ
 【著者】田村浩一
 【出版社】秀和システム
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館
 
 この本は学生さんだけでなく、一般の方にもおすすめしたい一冊。
 病理診断学とはどういうものであるか、病理診断はどうやってやっているのか、といったことがよくわかります。
 学部でならう病理学総論などの勉強まではカバーできませんが、どのように考えて組織を見ているか、正常とはなにか、異常とはなにかなどもわかりやすく書かれています。
 読み物として、入門書としておすすめの一冊。



試験対策などと講義などの理解を助けてくれる本


 試験対策というと、教科書を理解するだけではなかなかむずかしく、概念やポイント、事項を説明できるようにしないといけませんよね。そういったことに特におすすめできる一冊があります。

新病理学フルカラー新装版




 【書名】新病理学フルカラー新装版
 【著者】山本雅博/坂田一美
 【出版社】日本医事新報社
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 このQシリーズはいわゆる試験対策本にちかい位置づけでしたし、また、前版までは総論と各論に分かれていましたが、この版からは統合された上に、説明もわかりやすく、ポイントごとにまとまっているため、非常によい一冊となっています。

 読み通す教科書ではないものの、トピックごとにキーワード付きで解説されており、写真や図もきれいで非常にわかりやすい。
 
 成書といわれる、この記事で後に紹介する教科書と合わせて持って置き、試験対策やトピックの確認に用いると効果的であろうと考えられます。


読みやすい病理総論の教科書を


 病理総論は、病気の仕組みや概念をまなぶところなので、丁寧に説明してくれている本が良いですね。とてもよい教科書がありますので紹介いたします。

皮膚科医のための病理学講義”目からウロコ”の病理学総論




 【書名】皮膚科医のための病理学講義”目からウロコ”の病理学総論
 【著者】真鍋俊明
 【出版社】金芳堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 何人かの病理医の先生にお勧めいただき早速購入して確認しました。
 真鍋先生は元、川崎医大、京都大学で病理の教鞭を長くとられており、皮膚科領域の診断・研究だけでなく、病理学全般についても素晴らしい著作のある先生です。

 この本は、皮膚科医のためのとなっていますが、これは明らかな間違いで、すべての医療関係者のためのと書くべき、というほど素晴らしい本でした。
 非常にわかりやすく、病理学総論とはどういった分野でどういった考え方をするのかが書かれています。読みやすくお勧めです。


王道の教科書を2冊紹介


 いわゆる王道の教科書を二冊紹介したいと思います。
 これらの本はどちらを使ってもいいですが、できればどちらかは持っておいて、通読まで行かなくてもしっかり読んでみてほしいと思います。
 

標準病理学第5版




 【書名】標準病理学第5版
 【著者】北川昌伸/仁木利郎
 【出版社】医学書院
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 日本語教科書、日本製の一番標準はこれでしょう。読みやすいです。
 そして概念もしっかりしていますし、内容説明も十分と思います。章ごとに考え方を習得できるようにされているので、大変によい。

 ただし、どちらかというと、項目ごとにお堅い教科書である感は否めず、この一冊っだけで全部理解しようとするのは難しい可能性があります。
 上記Qシリーズや、入門本を読んでからの方が頭に入りやすいかもしれません。


ロビンス基礎病理学



 【書名】ロビンス基礎病理学
 【著者】Vinay Kumar/Abul K. Abbas
 【出版社】丸善出版
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 医学部学部生までに進める最高の教科書といえば、これです。

 この一冊をしっかり読めば、研修医までは十分でしょうし、概念もよく理解できると思います。この上の、同じロビンス・コトランの名前の一冊もありますが、そちらは診断学よりになりつつ記載量が非常に増えますので、むしろこの一冊の方が学生さんにはよいように思います。
 
 これ一冊を通読してまなべば、医学部生レベルの病理学は完ぺきでしょうし、次のステップに行くための基礎は構築できると思われます。


病理学「実習」向けの診断、組織像の各論には


 病理学のメインパートは総論と診断各論に分かれますが、診断の方にあたる、組織病理学についての本です。こちらはアトラスが中心になりますので、この本を紹介いたします。

病理組織の見方と鑑別診断第6版




 【書名】病理組織の見方と鑑別診断第6版
 【著者】吉野正/小田義直
 【出版社】医歯薬出版
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 病理「組織」診断学の実習・学習むけの一冊です。アトラスになります。
 総論が病態などの仕組みを学ぶものであったのに対し、こちらは顕微鏡をつかって各臓器別に病気を診断していくための各論かつ組織診断のためのアトラス。

 章ごとにまずは解説がしっかり描いてあり、そして組織像を提示するアトラスがあります。四枚の写真が一ページにありますが、とても見やすくきれいなものばかり。
 解説もわかりやすく、医学部生~病理専門医受験まで使える一冊です。
 
 この一冊をアトラスとしてはまずお勧めしています。学部生も持っているとよいと思いますね。


医学部生~研修医むけの読み物病理入門


 ここでまた読み物ですが、実務がわかる一冊を紹介してみたいと思います。

臨床に役立つ!病理診断のキホン教えます




 【書名】臨床に役立つ!病理診断のキホン教えます
 【著者】伊藤智雄
 【出版社】羊土社
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 この一冊は、医学部生~初期研修医、コメディカルが病理診断の実際について知るにあたって読み物としてよいかなという本です。
 伊藤先生は、北大出身で、病理医の教育にも熱心かつ、免疫染色についてもエキスパートである熱心な先生で、いまは神戸大学の教授です。

 さすがの書きっぷりで、非常にわかりやすく基本的な病理医の業務に関わることを書かれています。この本はすぐに読めますし、非常に難解なわけでもない。
 実際に用いられる免疫染色などについても触れられており、臨床医が読んでも、あぁ病理医ってこんなことしてるのね、と分かってもらえるところが多いように思います。
 
 気軽に読めるお勧めの一冊です。


研修医~若手病理医向けの病理診断学のおすすめ本


 本格的な本を一冊だけ紹介しておきます。
 ジェネラルなことと各論を含む本です。

外科病理診断学




 【書名】外科病理診断学
 【著者】真鍋俊明/三上芳喜
 【出版社】金芳堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 病理志望の研修医・医学部生から病理専門医取得程度までの若手病理医にはぜひおすすめしたい一冊。
 病理診断実務に重要な原理と考え方、実務的なことがよく書かれています。
 ピットフォールも、広く考え方もよく書かれています。

 著者の三上先生は熊本大学教授で婦人科病理を中心に博識博学な先生で、真鍋先生のお弟子さんですね。

 多少の誤植があることと、間違いもあるんですが、非常に新しい情報まで組み込まれており、専門医にとってもとても勉強になります。
 労作であり、読む価値ありです。


というわけで、ラフではありますが


 医学部生、コメディカルの方にお勧めできる入門的な病理の書籍を紹介してみました。追記や更新をこの記事は随時していきたいと考えています。

 まぁ私も友達と組んで、病理学の教科書を書きたいという野望がありますが…。

 ぜひ楽しい病理学勉強ライフをお過ごしいただきたいと思います!






気が向きましたらクリックをお願いします!↓
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ  

病理の話題は別ブログにまとめています


 

2018年11月28日水曜日

【情報】病理学会主導の胃生検病理診断AIの実証実験が開始されるとのこと

 病理診断とAI の話題です。


Fig.1 JP-AID のページより


 日経メディカル(2018/11/26) に「胃生検病理診断用のAI、診療現場での検証を開始」という記事が出ていました(会員でないと読めないかもしれません)。

 日本病理学会秋季大会が行われていましたが、その中で2018年11月22日に記者会見が行われました。
 病理学会がAMED事業として開発を行っていた、病理診断用のAI技術が実用化レベルに達し、福島・徳島県の診療現場で評価実験が始まるとのことです。

 この事業は、AMEDに採択された「AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(P-WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発」という課題であり、事業名は「Japan Pathology Artificial Intelligence Diagnostics Project(JP-AID)」と言います。


 今回、学会前にプレスリリースで予告がされていました。
  ▶ JP-AIDのページ プレスリリース(平成30年11月9日)

実用化レベルに達した胃生検病理診断AIシステムが完成いたしましたので,ご報告の機会を設けました.広域ICT基板を用いた福島・徳島の地域病理診断ネットワークで,このAIエンジンを実装させる準備も重ねて進めています.

 上記日経の記事によりますと、この課題で開発した胃癌診断用のAIは、996例の診断結果付き胃生検データをもとにディープラーニングをしたようです。
 検証で、感度 93.3%、特異度 73.5%であり、病理医の診断とAIの判定の不一致率は16.2%であったとのこと。

 このシステムを用いて、12月中に福島県では実験を開始し、今年度中に徳島県でも開始される予定とのこと。

 プロジェクトの目標として現在、病理医とAIとの判定不一致率1割以下を目指しているそうです。

 どんどん技術が進んでいくといいですね。楽しみです。


● 追加情報

 読売新聞にも記事がでていました。
 胃がん診断、AIが手助け…病理医の負担減

にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ 


 

2018年11月18日日曜日

フューチャリング、アニサキス

 医師ブログランキングを見ていると、最近「くづ医者の救急」さんが猛烈な人気です。もうね、PV とか異常な数なんですね、すごい。

▶ ここのランキング…にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ


 昨日の記事が「アニサキス、入れといたから」でした。あぁ、アニサキス、思い出すなぁということで、ちょっとアニサキスについて書きます。

 まず自験例の病理の写真を。結構きれいなんですよ。とるときは動いていて気持ち悪いですが、固定してきれいな標本にできるんです。

Fig.1 アニサキス なかなか綺麗

Fig.2 まさに胃壁にかみつくアニサキス。左下が頭、上は胃粘膜



アニサキス症


 アニサキスは寄生虫の一種で、魚介類に寄生し人にアニサキス症を引き起こします。
 魚介類の生食が原因となるわけで、フレッシュであればあるほど生きたアニサキスが混じている可能性が高くなります。

 日本においては、魚介類の生食で最も多発するのはアニサキス症なのですが、虫種が確定したのは1960年代とのこと。
 当時はなんと、腹痛に対して開腹手術をして、初めてアニサキス症であると証明されうるというような状況でした。ひゃー。

 その後は内視鏡が普及して摘出されるようになり、症例数もかなりあることが分かってきました。

Fig.3 アニサキス… Wiki より

疫学としては


 アニサキス症は日本ではおよそ7000件ほどと推計されているようです(2005年から2011年の年平均)が、海外での報告数はヨーロッパで約500件、アメリカで約70件。圧倒的に寿司・刺身好きの日本人に多そうですね。

 アニサキスをもっている魚介類は約160種であり、サバが最も重要な感染源と考えられています。まぁ有名ですね。実は魚介類はアニサキスの幼虫が寄生する中間宿主・待機宿主というもので、本来の居場所ともいうべき終宿主はクジラやアザラシなどの海生哺乳類でなのだそうです。

Fig.4 アニサキスの生活環、Wikiより



アニサキス


 アニサキスは何種類もいるようですが、いずれもその第3期幼虫という段階のものが魚介類に寄生していて、アニサキス症の病原体となります。
 

症状


 胃アニサキス症では、食後数時間で激しい上腹部痛や悪心・嘔吐を起こすことが多いようです。病歴から疑い、内視鏡検査で確定することが多いですね。
 しかしながら、胃粘膜に入りこもうとする虫体が見つかっても、無症候例のこともあるようです。

 実は、アニサキス症の激烈な症状は、過去にアニサキスに一度暴露されている個体に生じるアレルギー症状なのではないかということも言われてはいます。

 胃アニサキス症以外にも、腸アニサキス症(イレウスになった症例報告 ▶消化管外アニサキス症による癒着性イレウスを来した 1 例)、肝臓アニサキス症(症例報告 ▶ 肝アニサキス症の 1 例)などの消化管外アニサキス症、アニサキスアレルギーなどがあります。いずれにしてもアレルギー反応と考えられる症状がでますね。


予防するために



 海産魚介類の生食には注意し、できるだけ加熱して食べることが重要ですね。
 冷凍で感染性を失うので冷凍後は基本的には安全と考えられますが、たまに生きていることがあるようです。


治療は取り出すこととアレルギー対策


 治療は胃アニサキス症では内視鏡検査で虫体を鉗子で摘出すればよいのですが、腸アニサキス症ではひどければ手術になることもありますね。

 病理組織としては、アニサキスの虫体は上にしめしたようなもので、頭が食い込んでいるところには炎症が起こります。そこが肉芽腫になることもありますね。虫体の組織学的特徴については、一番下にリンクをおいた感染症アトラスに詳しいですね。

 駆虫薬はありません…。しかしながら、正露丸に含まれる木クレオソートにはアニサキスの運動抑制作用があって症状の改善が期待でき、特許がとられています。


 生食する際には十分に注意しましょう…。


● ほむほむ先生のブログの記事もお勧めです!
 ▶ イタリアにおけるアニサキスアレルギーの発症率は?


● 情報のあるサイト

 ▶ 国立感染症研究所 アニサキス症とは
 ▶ 厚生労働省 アニサキスによる食中毒を予防しましょう
 ▶ Wiki英語Wiki
 ▶ 感染症病理アトラス復刻版オンラインより アニサキス症








気が向きましたら応援クリックをお願いします!↓
  

note に 医学・医療関係の記事をまとめています

病理の話題は別ブログにまとめています

研究関係の話題は別ブログにまとめています

その他のブログ一覧はこちら

投げ銭・ご寄付などのリンク
もしよい情報などがありましたら
▶ リンク