2019年1月31日木曜日

吹雪の夜

 昨日は午後からふぶいたため、早く帰っていい指令が出ました。
 そこで、早めに出て、ベセスダ駅周辺の文房具屋さんと本屋さんを見てきました。

 
 文房具屋さんは可愛いグッズがいっぱい。

Fig.1 Bee mine

 かわいらしいポストカードやグッズがたくさんありのんびり見てしまいます。

Fig.2 トランプさんのボールペン

 面白グッズも置いてありました。和みます。
 その後、近くの本屋さんである Amazonbooks へ。


Fig.3 本も豊富
 Kindle 関係のものもたくさん展示されていましたが、本も豊富にありました。
 のんびり眺めてみました。
 その後、タイ料理を食べてウーバーで帰宅。

 さて、夜中はたくさん雪が降ったようで、今朝は、3時間遅れて出勤していいよというアラートが来ていました。

Fig.3 OPMアラート便利。


 のんびり出勤です。雪は確かに降ったようで全体的に積もってはいます。

Fig.4 ⛄

 NIH まで行くと、今回は降雪が予想されていたので融雪剤が十分にまかれており、雪はほとんど歩道にはありません。こういう対応はさすがだなぁと思いますね…。

Fig.5 NIH 入口

 天気も良く、ご機嫌で少し実験。
 が、お昼ごろから吹雪はじめました。今はまた晴れつつあります。
 寒波が来ているので少々不安定な天気ですね。

 午後は少し用事のため早めに今日は出ます。
 空気が乾燥している…はやく春にならないかなぁ。

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医学部生にお勧めの病理の教科書

 さて、ちょっと質問をいただきました。
 医学部生にお勧めの病理の教科書はなんでしょうとのお題。

 病理学の勉強の仕方はまたじっくりとまとめて行きたいと思っていますが、今日は医学部の学部生、コメディカルの方が使う教科書としておすすめのものを挙げてみたいと思います。

 さて、医学部生が医学部で学ぶ「科目としての病理学」は、病態病理を中心とする総論を学んだ後に臓器ごとの病気をまなんでいく座学の部分と、顕微鏡でみられる組織像を学ぶ病理組織診断学の各論(座学+プレパラートやバーチャルスライドでの実習)の部分に分かれますね。

 この二つの部分+初期研修医ぐらいまでに読んだらいいかなぁというような本についていくつか教科書を紹介しますが、その前に、とっかかりになるような初学者向けの読みやすいものも紹介してみたいと思います。



まずは病理の全体像をつかむ入門・読み物・概要書から


 医学部生やコメディカルやその学生さん向けに、病理学がどんなものであるか簡単に示してくれている本をまず4冊紹介いたします。


Dr.レイの病理学講義第3版




 【書名】Dr.レイの病理学講義第3版
 【著者】高橋玲/北澤荘平
 【出版社】金芳堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 新しい一冊。とても図版がきれいで、解説文もシンプルでわかりやすい。対話形式で、病理学がどのようなものかについて解説してくれています。
 読みながら学んでいけるという本のなかでもこれはかなり良い本です。
 第1版から持っていますが、第3版でさらに読みやすくなっていました。

 医学生・薬学生・コメディカル(看護師・臨床検査技師)とその学生さんにもおすすめできる一冊です。
 

なるほどなっとく!病理学




 【書名】なるほどなっとく!病理学
 【著者】小林正伸
 【出版社】南山堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon Kindle 7net honto 
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館


 難解な記載はなく、かなり誠実に病態や病理について解説されている一冊。体系的とまでは言えないの物の、基本から忠実に病理総論をまずは俯瞰していく姿勢には恐れ入ります。
 内容も必要十分量であり、医学生・薬学生・コメディカル(看護師・臨床検査技師)とその学生さんにお勧めでき、次の本格的な教科書に進む前に読んでおくと大変理解の助けになると思われる一冊です。


はじめの一歩の病態・疾患学




 【書名】はじめの一歩の病態・疾患学
 【著者】林洋
 【出版社】羊土社
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 医学生・薬学生・コメディカル(看護師・臨床検査技師)とその学生さんにお勧めの一冊の中で、病態・疾患、ここにフォーカスしている一冊です。
 第一章の「病態・疾患学とは?」がとてもよく、そこをもとに全体をみていくと非常にわかりやすく書かれています。
 おすすめ。 


図解入門よくわかる病理診断学の基本としくみ




 【書名】図解入門よくわかる病理診断学の基本としくみ
 【著者】田村浩一
 【出版社】秀和システム
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館
 
 この本は学生さんだけでなく、一般の方にもおすすめしたい一冊。
 病理診断学とはどういうものであるか、病理診断はどうやってやっているのか、といったことがよくわかります。
 学部でならう病理学総論などの勉強まではカバーできませんが、どのように考えて組織を見ているか、正常とはなにか、異常とはなにかなどもわかりやすく書かれています。
 読み物として、入門書としておすすめの一冊。



試験対策などと講義などの理解を助けてくれる本


 試験対策というと、教科書を理解するだけではなかなかむずかしく、概念やポイント、事項を説明できるようにしないといけませんよね。そういったことに特におすすめできる一冊があります。

新病理学フルカラー新装版




 【書名】新病理学フルカラー新装版
 【著者】山本雅博/坂田一美
 【出版社】日本医事新報社
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 このQシリーズはいわゆる試験対策本にちかい位置づけでしたし、また、前版までは総論と各論に分かれていましたが、この版からは統合された上に、説明もわかりやすく、ポイントごとにまとまっているため、非常によい一冊となっています。

 読み通す教科書ではないものの、トピックごとにキーワード付きで解説されており、写真や図もきれいで非常にわかりやすい。
 
 成書といわれる、この記事で後に紹介する教科書と合わせて持って置き、試験対策やトピックの確認に用いると効果的であろうと考えられます。


読みやすい病理総論の教科書を


 病理総論は、病気の仕組みや概念をまなぶところなので、丁寧に説明してくれている本が良いですね。とてもよい教科書がありますので紹介いたします。

皮膚科医のための病理学講義”目からウロコ”の病理学総論




 【書名】皮膚科医のための病理学講義”目からウロコ”の病理学総論
 【著者】真鍋俊明
 【出版社】金芳堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 何人かの病理医の先生にお勧めいただき早速購入して確認しました。
 真鍋先生は元、川崎医大、京都大学で病理の教鞭を長くとられており、皮膚科領域の診断・研究だけでなく、病理学全般についても素晴らしい著作のある先生です。

 この本は、皮膚科医のためのとなっていますが、これは明らかな間違いで、すべての医療関係者のためのと書くべき、というほど素晴らしい本でした。
 非常にわかりやすく、病理学総論とはどういった分野でどういった考え方をするのかが書かれています。読みやすくお勧めです。


王道の教科書を2冊紹介


 いわゆる王道の教科書を二冊紹介したいと思います。
 これらの本はどちらを使ってもいいですが、できればどちらかは持っておいて、通読まで行かなくてもしっかり読んでみてほしいと思います。
 

標準病理学第5版




 【書名】標準病理学第5版
 【著者】北川昌伸/仁木利郎
 【出版社】医学書院
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 日本語教科書、日本製の一番標準はこれでしょう。読みやすいです。
 そして概念もしっかりしていますし、内容説明も十分と思います。章ごとに考え方を習得できるようにされているので、大変によい。

 ただし、どちらかというと、項目ごとにお堅い教科書である感は否めず、この一冊っだけで全部理解しようとするのは難しい可能性があります。
 上記Qシリーズや、入門本を読んでからの方が頭に入りやすいかもしれません。


ロビンス基礎病理学



 【書名】ロビンス基礎病理学
 【著者】Vinay Kumar/Abul K. Abbas
 【出版社】丸善出版
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 医学部学部生までに進める最高の教科書といえば、これです。

 この一冊をしっかり読めば、研修医までは十分でしょうし、概念もよく理解できると思います。この上の、同じロビンス・コトランの名前の一冊もありますが、そちらは診断学よりになりつつ記載量が非常に増えますので、むしろこの一冊の方が学生さんにはよいように思います。
 
 これ一冊を通読してまなべば、医学部生レベルの病理学は完ぺきでしょうし、次のステップに行くための基礎は構築できると思われます。


病理学「実習」向けの診断、組織像の各論には


 病理学のメインパートは総論と診断各論に分かれますが、診断の方にあたる、組織病理学についての本です。こちらはアトラスが中心になりますので、この本を紹介いたします。

病理組織の見方と鑑別診断第6版




 【書名】病理組織の見方と鑑別診断第6版
 【著者】吉野正/小田義直
 【出版社】医歯薬出版
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 病理「組織」診断学の実習・学習むけの一冊です。アトラスになります。
 総論が病態などの仕組みを学ぶものであったのに対し、こちらは顕微鏡をつかって各臓器別に病気を診断していくための各論かつ組織診断のためのアトラス。

 章ごとにまずは解説がしっかり描いてあり、そして組織像を提示するアトラスがあります。四枚の写真が一ページにありますが、とても見やすくきれいなものばかり。
 解説もわかりやすく、医学部生~病理専門医受験まで使える一冊です。
 
 この一冊をアトラスとしてはまずお勧めしています。学部生も持っているとよいと思いますね。


医学部生~研修医むけの読み物病理入門


 ここでまた読み物ですが、実務がわかる一冊を紹介してみたいと思います。

臨床に役立つ!病理診断のキホン教えます




 【書名】臨床に役立つ!病理診断のキホン教えます
 【著者】伊藤智雄
 【出版社】羊土社
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 この一冊は、医学部生~初期研修医、コメディカルが病理診断の実際について知るにあたって読み物としてよいかなという本です。
 伊藤先生は、北大出身で、病理医の教育にも熱心かつ、免疫染色についてもエキスパートである熱心な先生で、いまは神戸大学の教授です。

 さすがの書きっぷりで、非常にわかりやすく基本的な病理医の業務に関わることを書かれています。この本はすぐに読めますし、非常に難解なわけでもない。
 実際に用いられる免疫染色などについても触れられており、臨床医が読んでも、あぁ病理医ってこんなことしてるのね、と分かってもらえるところが多いように思います。
 
 気軽に読めるお勧めの一冊です。


研修医~若手病理医向けの病理診断学のおすすめ本


 本格的な本を一冊だけ紹介しておきます。
 ジェネラルなことと各論を含む本です。

外科病理診断学




 【書名】外科病理診断学
 【著者】真鍋俊明/三上芳喜
 【出版社】金芳堂
 【リンク】楽天ブックス Amazon 7net honto
      e-hon 紀伊國屋書店 図書館

 病理志望の研修医・医学部生から病理専門医取得程度までの若手病理医にはぜひおすすめしたい一冊。
 病理診断実務に重要な原理と考え方、実務的なことがよく書かれています。
 ピットフォールも、広く考え方もよく書かれています。

 著者の三上先生は熊本大学教授で婦人科病理を中心に博識博学な先生で、真鍋先生のお弟子さんですね。

 多少の誤植があることと、間違いもあるんですが、非常に新しい情報まで組み込まれており、専門医にとってもとても勉強になります。
 労作であり、読む価値ありです。


というわけで、ラフではありますが


 医学部生、コメディカルの方にお勧めできる入門的な病理の書籍を紹介してみました。追記や更新をこの記事は随時していきたいと考えています。

 まぁ私も友達と組んで、病理学の教科書を書きたいという野望がありますが…。

 ぜひ楽しい病理学勉強ライフをお過ごしいただきたいと思います!






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2019年1月30日水曜日

セミナー、雪雪、コンペティターの論文プレスリリース

 今日は朝は曇天それほど寒くないベセスダでした。
 火曜日はセミナーデー。9時から12時30分までセミナー・ミーティング…げっそり。

 実験系の立て直しをしていますが、共通の方法を使いたいスタッフサイエンティストと一緒にトラブルシューティングをすることに。ラッキー。手間が半分。お金も使える。

 午後から雪になりました。


Fig.1 わかりにくいですが雪です

 さて、先週 Nature Microbiology に私が取り組んでいる CAEBV という病気の原因解明という同じテーマの論文が出ました。
 名古屋大学 木村宏 教授グループ。よく存じ上げているうえに、もちろん恩師です。

 論文は Defective Epstein–Barr virus in chronic active infection and haematological malignancy 。次世代シークエンサーを用いた症例の解析で、DDX3X という遺伝子が悪性化する際に変異を獲得していくこと、他の変異も見られること、EBVというウイルスそのものにも欠損がみられ、欠損により悪性化がドライブされることが示されています。

 すごい仕事です。が、CAEBV の原因解明、は言い過ぎかも、しれません。
 ちょっと別の観点から今仕事をしていますが、別の考えをもっています。

 いずれにせよ、コンペティターから仕事がでるとドキッとしますね。
 疾患の全容解明に取り組みたいと思います。

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2019年1月29日火曜日

ワシントン商工会新春祭りへ

 本日は晴天のベセスダです。淡々と仕事に復帰しております。
 なかなか実験が軌道に乗らないのですが、こればかりは仕方がない。

 さて、昨日はワシントン商工会の新春祭へお出かけしてきました。
 ちょっとボランティア参加。

 毎年拡大を続けているとのことで、昨日は 1,400 人以上も入場者があったとか。
 
Fig.1 メインステージの催しはすごくエキサイティング

 出し物も、本格的な和太鼓、コーラスー、子供たちのパフォーマンス、けん玉大会など盛り上がっておりました。


Fig.2 お菓子も売っています

 出し物も、お菓子やおもちゃの販売、正月の遊びコーナー、屋台、神社など…豪華でした。ボランティアの方もたくさん、参加者も親子連れ中心にたくさん!

 ボランティア仕事は少しだけでしたが、しっかりできて安心。
 楽しみました。

 行きかえりとボランティアともに NIH の Ni 先生と一緒にしてきました。

 Ni 先生と私たちで仲良くしているグループメンバーの多くがそろそろ帰国です…とても寂しい…そんな話をしながら帰ってきました。
 仲良しぐるーむの Mu 先生や Nu先生、Ba 先生も帰っちゃう…😢。

 出会いがあれば別れもありますね。寂しい季節が近づいてきます。

 
 さて、午後は実験のトラブルシューティングとなる大事な作業をします。
 その前に腹ごしらえかな…。

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2019年1月27日日曜日

異業種交流会にいったり休日をたのしんだり

 昨晩は異業種交流会にお出かけしてきました。新年会。
 何度かお会いしている方や、初めての方とお話しできて楽しく過ごしました。

 今日は休日で仕事はお休み。

 のんびりマクドナルドで作業をしています。
 マクドナルドの WiFi は優秀でかなり速いのがお気に入り…スタバより安定している。

 さて、マクドナルドには子どものための遊戯器具がおいてありますが、こどもがきゃーきゃー騒ぎまくっています。
 が、食べに来ているご老人がうるさいと切れている。

 いずこも同じですね…日本も幼稚園や保育園の建設反対や電車内での不寛容がいわれますが、こちらも同じ…もうちょっと広い心をもったほうがいいですよね。


 さて、紅茶インフルエンザ? 記事が人気だったおかげでこのブログアクセスは良好でしたが、ブームは去りつつあります。

 このブログは検索流入がほとんどなく、お友達やコアなファンに支えられていますが、ちょっと検索してもらえるような記事を書きたいなぁと思ってはいます。
 ただ、プラットフォームが blogger なのが少し弱いところ。

 どうしようかなぁいろいろ考えつつ進めたいと思います。


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2019年1月26日土曜日

友来る

 本日は数日ぶりの出勤です。寒さ和らいだベセスダ、天気よし。
 今日はいろいろやることがあります。

 午前は打ち合わせをして、実験準備と論文チェック。
 お昼ご飯を食べに出かけようとしたらお電話をもらいました。20年来の友人がたまたま NIH に来ているとのこと。一緒に昼ご飯を食べました。

 その後、少し NIH 構内を案内。

Fig.1 Building 1

 天気は良いですが少々風がつよく寒さがありました。
 Building 10 と 1 をみて、National library of medicine へ回り、Building 45へ。


Fig.2 根岸博士

 Building 45 でノーベル賞受賞者パネルを眺める。
 高校の先輩である根岸先生を発見。

 今日は案内を簡単にしてお別れしました。いやー懐かしい。

 その後、アポイントメントに行って打ち合わせ、ラボに戻ってまたちょっと打ち合わせ、そして今日はとりあえずあとは論文読みでもしようかなという状況です。

 実験をちょっとちがう角度からやり直しますので、来週から忙しくなるかな。
 ちょっとやらないといけないことも積もっています。
 淡々と、のんびりとやりましょう。


 さてたまに再掲で宣伝です。
 子宮頸癌に関してのChange.org でのキャンペーンを応援しています。
 一瞥いただければ幸いです。


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2019年1月25日金曜日

ブログがバズってたくさんアクセスをもらう…

 昨日書いた記事「紅茶でインフルエンザの感染や感染拡大を防げるとのプロモーションについて」がバズっていただいたようで、たくさんのアクセスをいただいています。

 
Fig.1 アクセス数キューンと上昇

 びっくりするぐらいアクセスをもらいました…月間 PV が 10,000 ぐらいだったんですが、一日でというか 5時間で 20,000 PV超え…。


Fig.2 記事別アクセス
 記事別には、やはり昨日の記事が一番ですが、空間除菌の記事、も同時にたくさんアクセスをいただいています、ありがたい。

 健康関連の検証記事や情報発信に力をいれていきたいと思います。
 

 今日はいろいろ作業をしなくてはならず、昨日に引き続き休暇をいただきました。
 明日は出勤して、いろいろやって、またいろいろです。

 


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2019年1月24日木曜日

紅茶でインフルエンザの感染や感染拡大を防げるとのプロモーションについて

 紅茶を飲む、紅茶でうがいをする、紅茶で手を洗うなどのことでインフルエンザの感染・感染拡大が防げるというプロモーションが盛んになされているようです。

Fig.1 ツイッター上にアップされていたテレビの画面

 このキャンペーンは「三井農林」(日東紅茶ですね) という会社と、「バイオメディカル研究所 中山幹男 特別研究員」が盛んにプロモーションをされているようです。

 本記事では「紅茶によりインフルエンザの感染・感染拡大が防げる」と言い切るだけの明確な証拠(エビデンス)は足りておらず、これらのプロモーションはやりすぎであり、モラルハザードである、ということを記します。

 紅茶・緑茶に含まれる成分が、インフルエンザを含むウイルス粒子の感染性を奪うこと、その他の抗菌作用や免疫細胞に対する作用があることは、多数の研究がありますが、それらを総合しての感染予防効果を証明した研究や、感染拡大を防止する効果を疫学的に示した研究ははっきりもうしあげると、まだない、ということを述べます。

 ちなみに余談ですが、本ブログ管理人は、紅茶党で、紅茶大好きです。



どういったプロモーションがなされているか


 連続してテレビの「情報番組内」において紅茶によりインフルエンザの感染力を奪い、感染拡大防止に期待ができると情報が流されています。
 ZIP!、ミヤネ屋、グッディ! 、AbemaTVのニュースなどの番組でながれたようです。


Fig.2 AbemaTV でも


 また、特定の医師や、タレントが紅茶でインフルエンザ予防ができると、テレビ番組、サイト、ツイッター、インスタグラムなどでも情報を発信しています。
 また、ブログや雑誌のコラムなどでもすでに情報発信があるようです。

 オンライン雑誌 @DIME の記事では、石原新菜医師が確実な情報として発信しています(取材・文は松尾直俊名義)。

 さらに、これらが伝播され、SNS 上では「紅茶を飲めばインフルエンザが予防できる」という形で情報が拡がっています。

 さて、これらの情報源となっているのは、たどっていくと、次に示す三井農林の情報と、中山幹男さんというバイオメディカル研究所特別研究員による情報提供によるもののようです。そして、石原新菜医師がかなりアピールをしているようです。



三井農林のホームページ「紅茶のインフルエンザウイルス感染阻止力の研究について」



 三井農林の「紅茶のインフルエンザウイルス感染阻止力の研究について」という調査のページにおいてこれらのプロモーションのもととなっている情報が発信されています。
 さらに、昨年10月付で、発表資料も発信しています ▶ PDF

 まずこのページの検討をしていきたいと思います。
 画像と文は上記ページより引用します (2019年1月23日 アクセス)。




 
 「① 紅茶はインフルエンザウイルスを撃退する力がすごい!」と題された最初の章では上記グラフが示されています。

 このグラフは、「California/07/09(H1N1)pdm09」株というインフルエンザA のウイルス株の溶液を「プラーク法」で評価したものとのこと(@DIME記事中に紫色のプレートでの実験画像がありました)。

 プラーク法はウイルスを含む培養液をなんらかの培養細胞にかけると、感染した細胞が死んで「プラーク」という抜けた部分の斑点ができ、その数を数えて計測することで感染率を求める方法です。この方法はウイルスの感染実験ではよくつかわれているものであり、実験系の選択としては妥当です。

 さて、この実験では、上記ウイルスと紅茶やその他の成分を混ぜた液をつくってしばらく反応させたのちに、培養細胞にかけて、ウイルスがどの程度感染力があるかを検討しています。紅茶、特に熱湯で出した紅茶によりウイルスの感染力が著しく下がっていることがわかります。

 この結果について疑義があるとすれば、まず培養細胞の種類が知りたいところですが、コントロールとしての紅茶以外の成分では十分に感染が成立しているようであり、まぁ許容できます。反応条件としての温度も知りたいところですが、これもコントロールでウイルスは死んでおらず、室温程度と考えていいのでしょう。

 この結果は純粋に、紅茶の液に浸すことによりインフルエンザAウイルスの感染性を失わせることができる、という結果です。ここまでは問題ないですね。

 次に出てくる「② 紅茶は15秒で効果あり!」でも同様の方法で、紅茶とコントロールに浸した時間により感染率がどう変わるかを見ていますね。紅茶は15秒浸せばウイルス粒子の感染率を失わさせられることがみられます(下図)。これも問題ないですね。



 さて、その次には動物実験のデータがでています。これは、上2つの実験と同様に紅茶液で不活性化させたインフルエンザウイルス粒子を、マウスの鼻から感染させてどのぐらいの動物が死ぬかを見ているものです。



 普通はカプランマイヤー曲線というものを使いますが、まぁ解釈できるので問題ありません。紅茶で不活性化したウイルスはマウスを殺さない、まぁ常識的に考えて感染していない、と解釈できるデータです。これも問題ないですね。

 これが、ここまで及びこのデータの原典なんですね。一通りこのホームページを評価したのち、次の項目でこの論文を読んでみましょう。なのでまずは続けます。


「④ 紅茶の飲用頻度が高いほど、インフルエンザ発病率が低い!」の項目です。


2018年6月に紅茶の飲用習慣とインフルエンザの発病率について、社内アンケート調査を実施しました。先ず、ワクチン接種によるインフルエンザ発病率への影響を検証したところ、ワクチンを接種しなかった人に比べ、ワクチンを接種した人の発病率が57.9%低いことが分かりました。これは、6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの疫学研究の報告※と概ね一致したことから、ワクチン接種によりインフルエンザの発病や重症化を抑制する一定の効果が現れていたと考えられました。


 とのことまずは、社内という限定、アンケートという方法、自己申告、あと気になるのは倫理審査などですが…とりあえずまず、ワクチンは効くようですとの宣言…これはいいですね。

 で、ここでワクチンを打っていない人に限定して調査をしたようです。
 

ワクチンを接種しなかった人369名を対象に、冬季の紅茶の飲用頻度とインフルエンザの発病率の関係を評価したところ、紅茶の飲用頻度が高い人ほど、インフルエンザの発病率が低くなる傾向が見られました。




 このデータについては、まず統計処理をしないといけません。あえてしていないですね、形としては傾向があるように見えますね。

 ほぼ毎日 vs. ほとんど飲まない、について Fisher's exact test をしてみますと(ここでやりました http://www.kisnet.or.jp/nappa/software/star/freq/2x2.htm#)、

   両側検定  :  p=0.1414   ns (.10<p)
   片側検定  :  p=0.0837   +  (.05<p<.10)

 ということになりますね、p 値だけ抜き出しましたが、有意差があるとは言えないですね(一般的に有意というには p 値が 0.05 より小さいとすることが多いんですね)。
 つまり「差がある」とは言えないです

 この項目は、調査方法も問題が含まれますし、結果も差がありません。
 なので、紅茶については意味があるというデータではないですね。


 「⑤ 紅茶は他の感染対策に比べても、簡単で効果的である可能性。」の項目はさらにこのアンケートを用いていますが、問題点は共通で、調査方法と統計検定がないこと。
 さらに、ワクチン接種の有無で最初に調査対象を分けているにも関わらず、ワクチン接種との比較をしています。これは本来は母集団を同じくして多変量解析をしないとだめです。まぁ全部だめです






 その次の項目「⑥ 紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスのスパイクに付着!無力化します」では、中山幹男 達の論文 Antiviral Research 21, 289-299. の引用で、 紅茶のなかのポリフェノールである「テアフラビン」溶液で処理したインフルエンザウイルスは、赤血球凝集能を奪う、つまり表面のタンパク質 (スパイクと言っていますね) を阻害しているといっています。

 これはいいのですが、ここまででは感染性との関連は示されていません

 原典の論文にきますと、MDCK というイヌの細胞では感染性を抑えることが示されています。ヒトのデータではなく、試験管内(in vitro)までのデータですね。

 その次の「⑦ 冬のインフルエンザウイルス対策に、紅茶の上手な取り入れ方!」はあまり意味がなく、紅茶でウイルスの不活性化ができるというデータの繰り返しです。


 「⑧ 2杯目、3杯目の薄い紅茶も有効活用。紅茶うがい!」の二つ目のグラフです。



 これは統計処理がついていそうですね。が、方法を読んでみましょう。

同一職場域の社会人297人を対象に、紅茶エキス(通常飲用濃度、無糖)を用いたうがいによるインフルエンザ感染抑制効果を調査しました。紅茶うがい群は、朝8時と夕方17時の2回、100mlの紅茶でうがいをし、対照群では何もしませんでした。実施期間は平成4年10月18日から平成5年3月17日までの5ヶ月間とし、実施期間中の両群の交流は認められていました。感染有無の判定は、実験開始時および終了時に採取したペア血清を用いて赤血球凝集抑制反応を行い、抗体価が4倍以上に上昇したものを感染ありと判定しました。
出典:岩田雅史ら(1997)感染症学会誌71(6)487-494.
 
 この出典にもありますが、コントロール群は「何もしませんでした」群です。
 これはまずいですね。水でのうがいと比較の方がよいでしょう。紅茶成分が効いているのかどうかわかりません。水であっても、プラセボ効果を除くためには少なくとも無作為盲見化といって、紅茶の特定の成分だけを除いた群とランダムに割り付けての比較が本来望まれます。

 ちなみにこの出典論文もここまでのデータの焼き直しが多く、かつ、三井農林の社員が著者に入っていますね。
 

 さて、ながながと三井農林のホームページを見てきました。
 まとめますと、

  ● 紅茶抽出液 に漬け込んで処理した インフルエンザAウイルスは
   培養細胞とマウスに対して感染性を失う。
  ● 紅茶に含まれるテアフラビンはインフルエンザAウイルスの
   感染力を試験管内の実験では低下させている。
  ● 紅茶を飲んだ群とのんでいない群でのインフルエンザ感染に
   差があるというデータはない。
  ● 紅茶によるうがいの検討・実験は不適切である。

 ということになります。ヒトへの感染予防・拡大防止効果のデータはないのです。
 そして、
  
  ● 研究は 中山幹男 研究員と三井農林によるもののみで構成されている

 という点もみられますね。
 



論文「紅茶エキスによるインフルエンザウイルス感染性の阻止」の考察より



 さて、上の項目内ででてきた「紅茶エキスによるインフルエンザウイルス感染性の阻 止」という論文ですが、論文の体裁をとっていますので、著者自身の考察を抜き出してみましょう。

 
日常飲用する紅茶濃度は約2~3%である.この濃度でインフルエンザウイルス感染性を効率よく,しかも即時に阻止することが明らかになった.しかしインフルエンザウイルスが一旦細胞内に侵入し,感染が成立した後では紅茶エキスの効果はみられない.インフルエンザ流行期 に紅茶エキスで咽頭部 をうがいすれば,口腔 内のフリーのウイルスの感染性 を即時に阻止す る可能性があると思われる.

 この考察で述べられているように、まず紅茶抽出液に浸せばインフルエンザウイルスは感染性を失うことはみられるのでしょう。

 しかし、感染してしまうと紅茶エキスに効果はないのですね。なので彼らも「口腔内のフリーのウイルス」の感染性、と述べています。

 さて、どう解釈するか。インフルエンザウイルスは口から入ってくるのか…鼻からも入りますね。しかも口腔内やうがいでとどく中・下咽頭だけ?いいえ、上咽頭や鼻粘膜にもつきますね…しかも感染は数秒から数分で細胞にウイルスがエントリーすることが知られています。…四六時中紅茶液を口腔内と鼻腔内にためておけば感染が防げそうではありませんか!

 おそらく窒息死しますが。




実際に「茶などの成分とウイルスについて」検討されている論文


 紅茶も緑茶もおなじ茶の木の葉の抽出物であり、発酵の有無には差がありますが、たくさんの成分が含まれています。これらは実際に嗜好品としての味や風味に影響するだけでなく、生理活性のある物質を含んでいるのは事実です。

 これら、茶の成分とウイルスに関する研究は多数ありますので、いくつか紹介しておきたいと思います。


 … これは上記で引用されていた論文ですね。これ自体は実験としてはいいでしょうね。
 … ちがうグループからのテアフラビンのインフルエンザに対する効果の報告。
 … 緑茶の成分が Zikaウイルスの細胞への感染を防ぐという報告。
 … カテキンがインフルエンザに効くかという総説。
 … 臨床的に茶カテキンがインフルエンザや風邪に効くかという総説。
 … これはネギの成分がインフルエンザAに効くという報告。


 これらをよんで結論をいいますと、in vitro すなわち試験管内レベルにおいては、ウイルスを不活性化させることができ、そのように完全に処理した後のウイルス粒子では動物に感染はしない、しかし、ヒトで実際に感染を抑制したり予防するという証拠はまだ明らかではない、ということがわかります。




これらの研究等を実際のインフルエンザ感染に対してどう解釈・適用するか


 これは薬の開発についても同じことがいえるのですが、まずは何らかの疾患やウイルスなどに「効く」候補の化合物を探します。

 薬の場合には、もとのそれらが効くことをいろいろな方法で確認しながら開発していきます。

 まずは in vitro といって試験管内、in vivo で動物、そしてヒトでの治験です。
 その後、承認されれば薬となり、市場に出回ったあとで疫学調査がなされる…そういう流れがあるんですね。

 そして、莫大な数の候補化合物が調べられ、脱落していくのが現実です。
 試験管内で効いても、動物では意味がない。動物で効いてもヒトでは意味がない。ヒトに効いたようでも、実は試験をすると効果が十分ではない…などなど。

 ですから、なんらかの成分が、有効である、というのはとてもたくさんの積み重ねられた証拠と、詳細な検討が重要なのです。

 この紅茶の場合どうでしょう。全然データがたりません。
 しかもパイロットデータ、つまり予備実験としても、ヒトのインフルエンザウイルスが口腔内以外からも感染することを考慮したデータなどを用意していません。
 これはいけません。

 今の時点で、紅茶を飲む/紅茶でうがいするとインフルエンザを予防できる/感染拡大を防止できる、は言い過ぎです。だめです。
 これは、一つの仮説にすぎません。検証が足りなすぎます。

 紅茶は嗜好品としてたしなみましょう。そして研究の続報は待ってもいいでしょうが、これを真に受けて効果を期待しすぎてはいけません。 



こういった健康領域のプロモーションにどう向き合うべきか



 こういった健康関連については十分に証明されていないにも関わらず、まるで効果があるかのような情報発信が多数なされます。

 上記@DIMEの記事ではこんなことも書かれています。

温かい紅茶のほうが、より効果が高いということも分かっている。ただ、ミルクティーにしてしまうと、せっかくの紅茶ポリフェノールがミルクタンパクに取り込まれてしまうために、ウイルス対策として機能しなくなってしまう。最も効果的な飲み方は、温かいストレートティーだ

 これにいたってはデータも根拠も示されておらず「分かっています」で済まされているだけです。しかもウイルス対策としての機能もそもそも上記の通りです…。

 トクホについてもいずれ述べますが、明確に効く、と言い切るには膨大な研究が必要です。健康関連、医療関連の情報というのは真偽の判定も難しいのですが、実際、どこまでいえれば確実か、というのはとても難しいのです。

 そして、多くの場合、そういった正当な研究の結果は「つまらなく」「センセーショナルでもない」もので、淡々と承認された薬などの形で出てきます。

 受け手がわとして重要なのは、こういった証拠・検討不十分な情報を平気でながすメディアや口コミに気をつけなければならないということです。

 情報の拡散も早く、ツイッターで「紅茶+インフル」で調べるとこんなに出てきます。ブログやサイトもたくさんあります「紅茶でインフルエンザ対策!?」「驚愕報告!インフルエンザウイルスを15秒で無力化する「紅茶」の力」「「紅茶でうがい」を、わすれずに。」「【11月は紅茶月】家族みんなで紅茶を飲もう!~紅茶はインフルエンザウイルスの感染力を奪う~」…まるでこれでは真実なのではと思ってしまう数のサイトですが、いずれも元となる情報は一緒ですね…。

 ニュースサイトでもこんな記事がでます「インフルエンザ予防に「紅茶」がよい? 「さっそく飲んでます」と話題に、医師に聞く」記事のなかで「紅茶を飲むとインフルエンザ予防になる、というのは本当でしょうか」という問いに「医師」が「本当です」と解答していますね。いたって短絡的であり、上記のように検討してみると問題があります。記事自体も問題です。

インフルエンザ大流行中!『紅茶』に『フローリング』…感染対策で“効果”アピールする企業も」もう何が言いたいのかわからない記事です。こういうレベルの情報発信をしてしまうと、結局国民はなにをすればいいのかわからないではないでしょうか。

インフルエンザ予防に紅茶が効果的 三井農林の研究プロジェクトにより判明」…完全にプロモーションにのりのりのニュースというか…宣伝記事ですね。

 なかなか…これは強烈です。

 昨年末に「空間除菌・環境除菌などをうたう製品について」という記事を書きました。
 自分の記事ながら再度言いたいので引用します。


リテラシーと大企業にもみられるモラルハザード

 どのような製品や方法が健康によいか、病気にならない暮らしにつながるか、そういった情報は、CMや新聞・雑誌・テレビの情報をうのみにしてはいけません。公的な情報にあたるようにしましょう。また、家庭の医学ではなく、医学書をすこし読んでみましょう。その他、リテラシーの重要性についてはこのブログでも書いていきます。また、この製品群にみられるように大手の会社、著名な会社であってもこういった製品を販売し続けている現状があります。これはモラルの問題ですが、商売なので、とにかく消費者が賢くなることが重要です。売らんかな、の精神は、人の健康や幸せを上回ることがあるんですね。情けなく悲しい気持ちになりますが、商売なので、と割り切って冷静に見ましょう。巷には一線を越えたものがたくさんあります。グルコサミン、コラーゲン、そんなものは分解消化されてから体に入りますので、肉でも食ったほうがいいわけです。そういったものについては完全にモラルが崩壊しているのでどうしようもないんですけれどもね…。


 まずは公の情報、すなわち、官公庁(厚生労働省や国立感染症研究所、保健所)、日本医学会分科会に指定されている学会の情報などを確認してみてください。
 簡単に防げる、などというのは眉唾なのです。

 日本の報道・娯楽番組だけでなく、ジャーナリズムも問題です。なんでも海外と比べるのは好きではないですが、アメリカなどに行くと、研究者としての基礎を磨き、博士号をとったような人がジャーナリズムで執筆しています。彼ら自身が調べ、学び、文献を紐解き、専門家にインタビューして情報発信をしています。

 日本ではどうでしょう。素人ライターが welq のようなことをし、新聞社やメディアであっても、学部卒レベルの素人記者が、ストーリーありき、流行ありき、乗り遅れまいありき、そしてタイムリーであったりセンセーショナルであったりすることありき、でかつ、プレスリリースに乗っかったかたちでの記事ばかり書いていませんでしょうか。

 同じメディア内でなされたいい加減な情報発信に突っ込みをいれたり、訂正を促したり、間違えていれば報道して明らかにすることができるでしょうか。

 科学とは、情報を共有して反駁可能性を担保しながらディスカッションし、批判的検討を重ねてなされている営為です。これをしっかり専門家内でやり、そしてしっかり解釈して世間に情報を出すことが大事です。

 一部を切り取ったり、科学者としての態度ではなく商売人の態度が入ってしまうと容易にモラルが崩壊します。

 こういったことをもっと考えないといけないように思いますね。




同様の検討記事が



 五本木クリニックの院長ブログにありました。
▶ インフルエンザ大流行!!テレビではポンコツ医学情報満載のニュース番組が・・・。
 … こちらの記事ではこの記事を紹介していただいていました!

さらに、
▶ 立憲民主党女性候補「インフルエンザウイルスの無毒化は紅茶が一番です」安定の反ワクチン、癌の自然治癒 でも紹介いただきました。

 またツイッターからのまとめ記事も「市況かぶ全力2階建」にありました
▶ 日東紅茶の三井農林、面白グラフと無理矢理統計で「インフルエンザウイルス対策には紅茶」と宣伝


インフルエンザ対策



 民間療法はもう全くだめです。乳酸菌などもひろがっています。これについてはまた別途お話ししたいと思いますが、上記 紅茶を激推ししている@DIMEの記事でも、


インフルエンザ対策として広まっている乳酸菌は、意外とウイルスには直接効果がないという結果が出た

と言い切られる始末…。

 インフルエンザ対策はワクチンと、発病したら外出しない、この二つです。
 リスクを下げる可能性がある行為としては、しっかりした手洗いとうがい、マスクの着用、アルコールによる消毒もあげられます。
 
 最後に、インフルエンザについてはすばらしい note 情報がありますので紹介した記事を以前かきました「インフルエンザシーズン到来、ぜひ読んでもらいたい note を紹介します」▶ 紹介している note 
 基本的な情報をしっかり入手して、躍らせられず、健康を守りましょう。


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