はて、病理医ってなぁに…!!??
病理医って医者の一種です。医者は外科医や内科医といった専門に分かれていますが、そのうちの一つ。病理医とは…。
ではいったいどんな専門の医者なのか。
答えからいうと、病理診断をする医者です…。
病理診断…?? 一般にはあまりなじみのない言葉ですね。では病理診断というのはなんでしょう。
病理医のお仕事
日本病理学会のホームページの中に 病理診断についてというページ、病理医とはというページがあります。
ページから引用すると、
「患者さんの体より採取された病変の組織や細胞から顕微鏡用のガラス標本がつくられます。この標本を顕微鏡で観察して診断するのが病理診断です。そして、この病理診断を専門とする医師が病理医です。」と書かれています。
つまり、内視鏡などの検査で患者さんから「つまんで」採取した体の組織や、外科手術で取り出した病変などを標本にして、 顕微鏡を用いて検索し、病気があるかないか、あれば それは何という病気であるか、を診断する、 そういうことを毎日しているのが病理医です (資格としては、専門医制度があります)。
直接患者と向き合うことはほぼなく、 基本的には臨床医とのやりとりすることが 主体の「裏方」医といってよい存在です。
しかし、直接患者に会わないとは言っても、 内視鏡検査などで生検をされたり、手術で癌を取り除いたりした場合には、 必ず病理医が診断しているので、多くの患者に病理医は実は関わっています。
病理医はどこにいるの?
さて、病理医はどこにいるのか、というと、 たいていは病院の病理科、病理診断科、検査科、中央検査部門などなど という名前の中央部門にいます (大学ですと大学病院以外に病理学の講座に教員としてもいます。 また、検査会社に所属している病理医も一定数います。)
表に情報がでていないことが多いのでわかりにくいですが、 ある一定以上の規模の病院であればそういう部署があるんです。 ところが、病理医はどの病院にでもいるかというと、 いないのです。 その理由は、不足しているから、これに尽きます。
病理は不足している?
病理医不足はかなり深刻な問題です。 病理医の数は2012年の調査では、およそ1600人。 これはとても少ないです。全医師のうち約0.6%。
日本には病院が8500以上あります。 これではとても足りません。
「NPO法人病理診断の総合力を向上させる会」のホームページ PathCare の中の 「日本の病理医は精鋭集団」では、 日本の病理医の現状がわかりやすく簡潔にまとめられています。
病理医は不足しています。
そして病理医とはどんな医者かという認知も今ひとつなところもあり、 病理医が不足しているという現実もまだまだ認知が進んでいません。
榎木英介先生のハフィントン・ポストの記事 「忘れられた医師不足~病理医不足」 に病理医とはなにか、病理医はいかに不足しているかがわかりやすく書かれています。
ブログ「Dr.和の町医者日記」に「もっと病理医を知って欲しい」という記事がでています。 病理医が不足していると、医療にどのような悪影響があるのかわかります。
このブログでも今後病理医について触れていく予定です…
病理医という仕事はどんなことを具体的にしているのか、 どのように重要な役割を担っているのかは少しずつ紹介しようと思います。
病理医っていう医者がいるのだけで、全然足りていないんだということを まずは主張したいと思います…。