【出版社】 河出書房新社
最高に面白い一冊。18世紀イギリスの「近代外科医学の父」と呼ばれるジョン・ハンター(John
Hunter, 1728-1793, Wikipedia) の生涯を描く。
ハンターのコレクションは現在でもハンテリアン博物館にあるように、膨大であり、あらゆる生物、そしてヒトを用いて実験を行い、実験をもとに数々の治療法・手術を編み出していった。
Fig.1 John Hunter. Painted by John Jackson in 1813. |
ハンターのコレクションは現在でもハンテリアン博物館にあるように、膨大であり、あらゆる生物、そしてヒトを用いて実験を行い、実験をもとに数々の治療法・手術を編み出していった。
18世紀イギリスの状況を交え、ハンターのエピソードはそれこそ数奇で、おどろきを隠せないものばかりである。当時イギリスでは解剖が盛んになりだし、医学の基礎となっていたが、とにかく遺体がたりない。ハンターは解剖の遺体を手に入れるため、墓荒らし、遺体泥棒を公然と行っていた…。
本書は、ジョン・ハンターの生涯をまるで見てきたかのように生き生きと描いている。現代から考えればまるでフィクションのような、しかし、こんな時代があったんだという驚きを与えてくれる、そんな物語である。
こんな偉人 (猛烈な変人でもあると思う)が、そしてこういう偉人たちが医学の基礎を創り上げていったんだという歴史が、本当に面白く感じられる。
ちなみに、ワクチンのはじまりである種痘を開発したジェンナーはこのジョン・ハンターの弟子である。
ちなみに、ワクチンのはじまりである種痘を開発したジェンナーはこのジョン・ハンターの弟子である。
素晴らしい一冊。スーパーおすすめ。
★★★★★ (5/5)
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