2018年4月17日火曜日

【書籍紹介】自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝




【書名】自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝
【著者】レスリー デンディ、メル ボーリング
【出版社】紀伊國屋書店


内容紹介より引用


 坂口安吾は「ラムネ氏のこと」という小文で、ふぐ料理の殉教者やきのこ採りの名人のことを讃えている。毒かどうか試した人がいたのだ。本書は、科学と医学の分野で、動物実験などをやった後で、最後に自分を「実験台」とした、過去2、3世紀の世界各地での事例の中から興味深いものを集め、原論文や様々な資料にあたりつつ再現を試みる。多くの人命を救った実験もあれば、ノーベル賞級の実験もある。自らの命をこの実験に捧げることになった実験もある。なぜそうした実験をすることになったか、実験者の心と行動に光を当てることで、大変ユニークな読み物となっている。巻末には、日本の研究も含む、「自分の体を使う実験」の詳細な年表が付されている。
第1章 あぶり焼きになった英国紳士たち
第2章 袋も骨も筒も飲みこんだ男
第3章 笑うガスの悲しい物語
第4章 死に至る病に名を残した男
第5章 世界中で蚊を退治させた男たち
第6章 青い死の光が輝いた夜
第7章 危険な空気を吸いつづけた親子
第8章 心臓のなかに入りこんだ男
第9章 地上最速の男
第10章 ひとりきりで洞窟にこもった女
勇気か、科学への愛か。危険も顧みず、自分の体で試すことを決意した科学者たちの涙ぐましい物語。「あぶり焼きになった英国紳士たち」「袋も骨も筒も飲みこんだ男」ほか、10話。

自分の体で実験したくなってしまう科学者たち…


 「人は何Gまで耐えられるか」 …「洞窟に4ヶ月入っていた女」…

 自分の体を使って、実験をしてみたくなってしまい、してしまった科学者たちの18世紀から1980年代の話までのお話が書かれている1冊です。10章のうち1話はインテリア・デザイナーの女性ですが。
 
 なんでそんなことしたの!とお母さんかなにかに怒られそうな、そんな自己人体実験の話ばかりですが、バカでやってしまったのではなく、どうしても試したい、という強い意志と、どこまでも真面目な思いで取り組んだことが分かる話ばかり。

 こういった自分を使った実験が、科学を進展させた面があることをつくづく感じてしまう。科学の話ばかりですが、あまり難しい話はなく、とても読みやすい。
 そして科学者の崇高な意志が、純粋な意志が感じ取れる、そういう良書である。

秀逸なコーヒーブレークネタたち


 本書のコーヒーブレークネタはとても秀逸で、わかりやすく読み買いがある。こういったネタ集はよいなと感じるところであり、若い人や子どもにもいいと思われる。
 本書は「全米科学教師会」2006年度「優れた子ども向け一般科学書賞」を受賞しているがコーヒーブレークのよさもあったのかな。


 とてもよい。
 ★★★★☆ (4/5)。


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