2018年12月25日火曜日

医学部での留年が多いという記事について思うこと

 文春オンラインにこんな記事が出ていました。
 ▶ これが医学部大量留年の驚くべき実態だ

 医学部において留年が多く、国家試験合格率が振るわないというところがある、という事実について書かれています。

 医学部といえば、偏差値は最低でも60程度あるはずで、学力は低くないのではないかといういう人もいるかとは思います。

 私はちょっと面白いバイトをしていました。

 医学部生のチューターというバイトです。
 医学部生の皆さんの勉強の補助をする。国家試験のための塾などではなく、普段の勉強、定期試験前勉強などのサポートをするというお勉強補助。

 結構たくさんの医学部生さんをみました。
 みんな基本的にいい子たちでした。主に私学の子たち。

 ところが、これが驚くほど皆さん基礎学力がないのです。
 本当にこのレベルでセンター試験とかどうしたのというレベル。そもそも勉強の仕方が身についていないんですね。そしてべったりついてくれる教師がいないと、何を勉強すればいいのかわからない。過去問がないと何に取り組んでいいのかわからない。

 生化学、生理学、解剖学、組織学、病理学、だけでなく、数学、有機化学、英語、いろいろお教えしましたが、これは大変だ…という学生さんが多かったですね。
 サポートはがんばりましたが、留年してしまった子も結構いました。

 偏差値60というのはどういうことなんだろう。
 いまだにそこはよくわかっていません。しかし、別に裏口ではなさそう。
 浪人した子が多いとはいえ、高校での模試では点数も取れていたし、という子も多かった。

 ようは、大学における学び、の仕方に適合できない、という場合や、モチベーションが強くない、大学入試までで限界であったなどがあるのかなと思うこともありました。

 医学部教育は詰込みの部分も多く、職業訓練学校のようなところもありますので、画一的かつ効率的にすすめることも必要ですが、学生側も、大学なのだから自ら学ぶということをもっと意識できるようにならないといけないのだろうと思います。

 大学側のマネージメントの問題では、という方もいるでしょうが、実際に見た感じだと学生の努力が足りていないことがやはり多いように思います。

 医師の数を増やす必要はありますが、質の良い医師を増やすためにも大学学部教育は頑張ってもらいたいとは思います…。


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