▶ 粗悪・悪意のある学術雑誌の弊害 - Beall's List のこと
ハゲタカジャーナルは、高い掲載料などをとるオープンアクセス中心の雑誌ですが、問題はその詐欺性だけではなくて、研究者側もまともに査読がないのをいいことにお金で業績が変える手段として利用している、そういう実態があるのではないか、ということでした。
今回、毎日新聞にニュースがありました。
▶ 毎日新聞 粗悪学術誌 掲載で博士号 8大学院、業績として認定
もととなった論文は「日本の医学博士論文に潜む7.5%のハゲタカOA 佐藤 翔」ですね。
記事によると、同志社大学の佐藤翔准教授が、医学博士論文106本を抽出調査したところ、ハゲタカジャーナルへの論文掲載を業績として博士号授与されたと考えられる案件が7.5%ほどもあったとのこと。
博士号は学位授与機関がそれぞれの規則に則り審査して授与するものですが、多くの機関においてはジャーナルに掲載することが義務付けられているようです。
ちなみに私のでた東大医学系研究科はジャーナル掲載は義務ではありませんでした。理由としては、ジャーナルの査読より、大学教員による審査の方が厳密でよいというものなのですが、今回はからずもそういう可能性があることが分かってしまったのかなと感じます。
脱線しましたが、ジャーナルに掲載されたことをもって、審査がないがしろになっている大学もあるとは聞きます。実際、博士号レベルの研究をしているか疑問であるケースは、とくに医学博士といわれる医学系には多く見られます。
臨床系の、つまり医者が博士号を取るのは、他の理学系などよりはるかに研究自体は楽でレベルが「低い」こともよく指摘されるところです。
学位の業績、というところに今回は焦点が当たっていますが、業績というものをジャーナル掲載やジャーナルの質だけで判断するのは危険な面もあるかもしれませんね。
良い研究をしていきたいものですが、こういう実態が実際にあることもよく知っておく必要があるように思います。
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